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知的障がい者・精神障がい者の活躍を支えるサポーターとは。SOMPOチャレンジド株式会社 事業開発部 サポーター 主任 廣司美幸さんインタビュー

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2021.12.17

『パラちゃんねるカフェ』がお届けする障がい者雇用に取り組む企業インタビュー。今回は、SOMPOホールディングス株式会社の特例子会社であるSOMPOチャレンジド株式会社 事業開発部 主任 廣司美幸(ひろし みゆき)さんに専門職(サポーター)としての取り組みについてお話を伺いました。

執筆:SOMPOチャレンジド株式会社

はじめに

SOMPOチャレンジド株式会社は、自動車保険や火災・地震保険、海外旅行の保険などの損害保険を申し込む際に、お世話になることの多い「損保ジャパン」を中核企業にもつSOMPOホールディングス株式会社の特例子会社です。

SOMPOグループのダイバーシティ推進のスローガンである「Diversity for Growth」を掲げ、他にはない「働きやすさ」、個人・組織にとっての「最大限の成長」、お客さまに「真に選ばれた品質」を兼ね備えた「SOMPOチャレンジドパーク」の実現を目指しています。

今回は、精神障がい、知的障がいのある方の安定的雇用を実現するために設置された専門職(サポーター)の取り組みについてSOMPOチャレンジド株式会社 事業開発部 主任 廣司美幸さんに色々とお話を伺いました。

『パラちゃんねるカフェ』がお届けする障がい者雇用に取り組む企業インタビュー。障がい者雇用を推進している企業やこれから働こうとしている障がいのある皆さまに、ぜひ読んでいただければ幸いです。

サポーターが果たす役割とは

SOMPOチャレンジドには現在、サポーター(専門職)5名、チャレンジドメンバー(障がい者雇用のスタッフ)86名、指導層(リーダー職)25名が在籍しています。サポーターと呼ばれる専門職とはどんな役割を担っているのでしょうか。


サポーターは精神保健福祉士や社会福祉士などの専門資格を有し、客観的・専門的観点からの現場支援が期待されています。主な業務は、出向者(指導層)が担う業務上の指導以外の相談対応や障がい特性の対応、支援機関の支援員との連携や通院同行、また、SOMPOグループからの出向者に対する研修や業務の切り出し、マニュアル作成なども行っています。


精神科病院、ハローワークでの相談員などの経歴を持つ廣司さん。SOMPOチャレンジドの指導層は、SOMPOグループ各社からの出向者で構成され、障がいに関する専門的な知識や経験がない方ばかりと伺いました。サポーターとしての難しさを教えてください。


異動の一環として来る出向者は年齢や背景、知識やマネジメント経験などさまざまです。出向者は新しい業務を習熟しつつ、業務運営を行い、更にメンバーへの業務習熟の指導、特性を踏まえた対応を求められます。また弊社では、「メンバーの成長」にも力を入れているため、メンバー自身の気付きを促す支援(傾聴スキル等)が求められます。


そういった多くのミッションを抱える出向者に対し、専門職としてどんなサポートができるのか、出向者自身にもチャレンジドで働いて良かったと感じてもらうためにはどんな知見を伝えていくのがベストなのか、試行錯誤しながら奮闘する日々です。


一方で、チャレンジドメンバーとのやり取りでの難しさはあるのでしょうか。


精神保健福祉士や支援員の経験も長く、難しさについては特別意識していません。サポーターとして大切にしていることは、メンバーそれぞれのこれまで生きてきた過程や家族関係の不和、失敗体験など過去の辛い経験も全て含めて受け入れること、そして、同じチャレンジドの仲間として成長し合うことを目標として、できる最大限のサポートを全力で行うことです。はじめに信頼関係がしっかりと作れれば、仕事に従事する上で、多少厳しく指導しても問題はありません。

SOMPOチャレンジドでの面談風景 ※イメージ

障がい者雇用の離職原因として職場環境や人間関係の問題が挙げられます。思うような信頼関係を築けず苦心する上司や同僚の方も少なくありませんが、信頼関係を築く上でのポイントがあれば教えてください。


サポーターは、少ない接点で強い信頼関係を作ることが求められています。そのために大切なことは、自らも情報開示をすること、そして、何があっても何を聞いても動じないことです。


障がいのある方は、偏見や差別に苦しみ、情報開示に臆病になっている方も少なくありません。できる範囲での自ら情報開示をすること、どんな話があったとしても受け止めることのできる心構えがあると信頼関係の構築はスムーズかもしれません。


サポーターは、リーダーとチャレンジドメンバーの橋渡し役となります。リーダーが安心してメンバーを受け入れるために、どのようなステップでチャレンジドメンバーと接点があるのでしょうか。


入社前の実習と最終面接、入社後の導入研修と事業開発部での基礎スキル研修があります。実習や研修を受ける姿勢、面接での質疑応答、グループワークを通じて障がいや行動特性、配慮事項を把握します。入社前の実習から配属まで2カ月ほどの期間をかけ、支援機関とも連携した情報をリーダーへ伝達しています。

障がい者雇用を恐れない環境づくりを目指して

サポーターは、SOMPOチャレンジドだけでなく、各グループ会社での障がい者雇用の促進に向けノウハウ提供や各拠点に配置される職業生活相談員からの相談対応も行っています。今後の展望や目標を教えてください。


今後も継続して、各グループ会社へのノウハウ提供や全国での障がい者雇用の促進、チャレンジドメンバーのキャリア開発プログラムの策定などチャレンジドメンバーが全国で活躍できる場を増やしていきたいです。


また、個人としては障がい者雇用を恐れない環境づくりができると良いと考えています。各地域に専門職を配置することで、障がい者社員の定着率が上がり、また現場の心理的負担度が下がると感じてもらえるように貢献していきたいです。そういった働き掛けが専門職の働く場を増やすことの一助になればと考えています。

SOMPOチャレンジド株式会社 事業開発部 主任 廣司美幸さん

取材後記

取材を通してサポーターの役割と具体的な業務について伺いました。

障がい者雇用に取り組む企業の多くが、人事や受け入れ部署だけで孤軍奮闘している場合も少なくありません。外部の支援機関を活用するだけでなく、社内にサポーターの存在があると働くすべての人にとって安心感が増すのではないでしょうか。

今まさに障がい者雇用に取り組もうとしている企業担当者の方は、ぜひサポーターの採用を検討してみてはいかがでしょうか。

自動車保険、火災保険などの損害保険事業に加え、生命保険事業、介護事業など事業領域を拡大するSOMPOホールディングスの特例子会社。SOMPOグループからの委託業務に従事し、軽作業から事務作業まで現在85名の知的障がい者、精神障がい者が活躍している。
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