PARA CHANNEL Cage

「イキヅラッ!」から生きやすくなった働き方

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2022.1.28

あなたが生きづらいのは、どうしてだろうか?

答えは、シンプルに。
「あなたにとっての“成功体験”がまだ一つもないから」ではないだろうか。

多かれ少なかれ、世の中は、生きづらさを抱えている人が大半だと思う。

そして、このパラちゃんねるカフェの読者の多くも、様々な理由で生きづらさを抱えている方ではないかと想像している。

執筆:中川 夜 Yoru Nakagawa

私はろう当事者だが、重複して、精神障害も持っている。

適応障害から派生して、統合失調症を発症した。今は寛解しているが、依然、季節の変わり目ごとで自律神経が乱れやすい症状も抱えている。

節目ごとに、体調を崩しやすく会社勤めができないので、去年やっと「フツー」を諦めて、不安定なフリーランスで生きることにした。

そんな崖っぷちな人生を歩んできた私でも、現在は「生きやすい」と感じているのは、それなりに“成功体験”を積んできたからである。

かつての私は、仕事がしたことがなく、不安で爆発しそうになっていた。

高校を中退して、7年くらい両親以外とのコミュニケーションをまともにとれてなかったブランクの時期があり、いざ働こうとしても、恐怖心は増すばかりだった。

それでも、作業所で訓練し、一歩ずつ、社会へと出て行った

働いた3年間の内で、自分としても、「よくやった!」と思うのは、人と積極的に関わろうとしたことと、「報連相」を心掛けてきたこと。

例えば、清掃終了後は必ず「終わりました」と連絡し、それが決められた時間前であれば、「残りの時間、~~します」と報告していた。

清掃の最中に気になった箇所があれば、
「○○室の椅子が壊れているようです。どちらに報告すれば良いでしょうか?」
と相談していた。

また事務作業であれば、慣れた頃に、30分刻みで時間をはかってから、
「今30分でこれだけの量ができました。あとの残り作業1時間半続けたら、これほどの量が進むと思います」
と相談しながら、連絡報告をしていた。

というような感じで。逐一当たり前のことのようだが、「伝える」を惜しまずにやって来たことで、だんだん仕事を任せてもらえるようになった。

そんなふうに、働いているうちに、私はあることに気付いた。

働く上で大切なのは、一緒に働く人たちとの信頼関係なのだと。仕事を通して、私のことを信頼してもらえた。それは、私にとって大きな“成功体験”であった。

もう1つ、私の場合は、先のコラムで書いた恩人との信頼関係の構築も“成功体験”だった。

長い時間をかけて構築する安定した信頼関係は、自己肯定感にもつながる。

自己肯定感を持つと、あまり人に執着せずに済むので、依存的になりがちだった私にとっては、大きな経験の財産になったばかりか、生きる土台となった。

それで、何倍も生きやすくなった。

「伝える」ことは肝心である。
「察してほしい」は、絶対に伝わらない。

自分が何を感じて思って行動しているのか、言葉にして伝わらなければ始まらない。そして、くり返し、「伝える」ことで、わかってもらえることがある。

自分が、何を感じて思って行動しているのか。
その真意を知って、理解してもらうことで、働きやすくなり、私の場合は、生きづらさから、生きやすさへ格段に変わった。

あなたのことをわかってくれる理解者が、はじめはひとりでもいい。だんだん、増えてくると、さらに生きやすさが生まれるように思う。

「働いた経験がなく、不安でいっぱいだ」
「ちゃんと長く働けたためしがない」
「勤まるかどうかわからなくて怖い」

そんな方に言いたいのは、

「不安でどうしようもなく苦しむことを、安心しても良いよ」

ということである。

それが間違ってない正答であることは、必ずわかる。
そしてまた、きっと、不安で仕方なかった日々をふしぎなくらいに、簡単に忘れられる。

信じられないかもしれないが、神経を尖らせているより、4~5割能天気にいられるくらいがうまく行くのだ。


1991年生まれ。生まれつき耳が聴こえないが、教師両親から「聴者」のようにと教育される。中学生から不登校に。高校で学校に通えなくなると適応障害と診断される。のち統合失調症発症。
27歳にメンターと出会い、「これまで原因は貴方にあったのではなく背景に外的要因があったから」というくり返しの会話で深い心理的安全を得る。現在、ライターとして活動。

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