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発達障害がある部下として上司に伝えたい3つのこと

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2022.3.12

これまで色々な仕事をしてきましたが、発達障害の特性で上司や一緒に働くメンバーを困らせてしまった場面も多々あったかと思います。今回は発達障害のある人をマネジメントする立場の方に分かっておいて欲しいことを3つ書いてみました。

執筆:とくら じゅん

こんにちは、とくらです。

以前、発達障害当事者の視点でリモートワークをする上での困りごとについて記事を書きましたが、困りごとの中には社内の人間関係や上司からの指示に関連することも多いと思います。

私も学生時代から今に至るまで、アルバイトや会社員としていろいろなタイプの上司とともに仕事をしてきました。その中で、障害特性の強さから相手を困らせてしまう場面も多々あったかと思います。

今回は、私が会社のメンバーとして働く中で「マネジメントの立場の方にこうして欲しかったな」という3つのことについて書いてみたいと思います。

①明確な指示を出す


私は現在デザイナーとして会社で働いています。

中には指示が不明瞭な依頼も多く、打合せで言われたものを出してみたら「イメージと全然違う」ということもあります。

指示が分かりづらいことは発達障害のあるなしに関わらず、誰でも困ってしまうのではないでしょうか。特に、ふわっとした空気を読んで行動することが苦手な私にはとてもストレスがかかります。

念のためこちらからも聞き返すようにしていますが「そんなことまで指示しなきゃダメ?」という雰囲気を出されてしまうと、どうしていいのか、お手上げです。

デザインに限らず、仕事のアウトプットに何らかの自分が持っているイメージがあるのであれば、それを言葉にして相手に共有してほしいのです。

特に、上司と部下という関係の中では見えている視座・視野が異なることも多く、上司にとっては「Aといえば当然これ」というものであっても、部下は全く違う想像をしていることもあります。

また、打合せの中で話が二転三転している場合に、なんとなくの空気感でその場の合意となり、最終的な指示が分からなくなってしまうことも多く、その結果、提出したものが打合せと全く違うということもありました。

結論に至った際は「ここが結論です」とはっきりと言葉にする、もしくはチャットで指示内容だけを送ってほしいと思っています。

現在の上司には「依頼の際にご自身の中のイメージを添付してテキストを送付してくださると助かります。」と伝えてあります。

私の場合は、事前に上司との間で完成イメージを共有しておくことで、いざできあがった成果物が上司の要求とズレてしまうことはなくなってきました。

②感情的に怒らない


以前在籍していた会社では、上司が部下を怒鳴りつけることが常態化していました。

もちろん怒鳴られている方はたまったものではありませんが、その場にいるメンバー全員のモチベーションが下がってしまいます。

私は「怒られている...」と感じると、その感情以外の情報が全く入ってこなくなってしまうため、何時間怒鳴られても改善する可能性はほとんどありません。

困ったことに、長々とお説教を受けたのに何度も同じミスをしてしまうのです。それによってさらに怒鳴られるループ...。誰も得をしません。

また、怒鳴り声ではなくても、相手の人格否定や誹謗中傷する言葉は、相手を傷つけるだけで改善にはつながりにくいです。

怒鳴る人、中傷する人は仕事のストレスが溜まっていたり、思い通りに進まなくて困ってるのかもしれませんが、感情的な怒りは逆効果です。怒っている人とは話ができないので、怒られる方は何が悪かったのか分からないまま、黙って嵐が去るのを待つことになりがちです。

本当に改善を促したいのであれば、簡潔に、落ち着いて、誤りがあった点のみを抽出して指摘して欲しいと思います。

発達障害だから、ではなく、人としての部分かもしれませんが。

③会社のルールを明文化する


私は空気を読む、ということが非常に苦手な人間なので、組織の中での「暗黙の了解」を非常に恐れています。

思えば子どもの頃から「常識がない」という怒られ方をすることが多かったのも、空気を読めないことが一因かもしれません。

私が学生時代勤めていたアルバイト先には、アルバイト社員が朝の時間帯に休憩室を使ってはいけない、という謎の暗黙のルールが存在していました。就業前にそんなルールは説明されていませんし、どこにも記載されていないので私は早朝の休憩室でお茶を飲んだりしていました。

しかし、後に社員やベテランアルバイトさんの間では「あの人よくあんなことできるね」と言われているということが発覚しました。それ程、奇異な行為であるのならば、なぜ言葉で説明しなかったのか、いまだに不思議に思っています。

また、前職の会社では休暇を取る際には社内のチャットで報告する決まりになっていました。

初めて営業日に休みを取ることになり、社内チャットに「●日お休みをいただきます。」という書き込みをしたところ、まずは上司に個別に相談して許可を得てから休暇を取るように指摘されました。

どうやら他の社員は事前に許可を取ってから、休暇の連絡をしていたようです。

その事情をまったく知らされていなかったため、休暇取得の説明の際になぜその一言を添えてくれなかったのかと疑問でした。

「常識的に考えておかしい」という指摘をされることも多いです。上司の中での社会常識に照らして当たり前のことかもしれませんが、一般的な常識とは何を指すのかがそもそも不明確です。

自分にとって当たり前なことも、きちんと言語化して伝えるということはとても大切なように思います。

まとめ

今回は私が働く上でマネジメントする人に分かっていて欲しい3つのコトをお伝えしました。

①明確な指示を出す
②感情的に怒らない
③会社のルールを明文化する

この記事を書きながら、この3つは発達障害当事者に限らず、新しく会社に入ってくる人にとって親切なのではないかと感じています。「暗黙のルールは(あえて口に出して伝えなくても)読み取るもの」としてしまうと、人によっては上手く対応できなくなってしまいます。少なくとも、発達障害当事者はつまずいてしまうことが多いと思います。

当たり前に思えるようなことですが、発達障害の当事者には特にこの3つを丁寧に意識してみると、お互いに認識のズレで不快な思いをすることが減り、気持ちよく働けるようになるのではないでしょうか。

ただ、これは「発達障害当事者に向けて」だけではなく、本質的には「ともに働くメンバーすべてに向けて」だと思います。

1991年生まれ。下町暮らしのフリーライター・イラストレーター。出産後ADHDの診断を受ける。様々な立場の生きづらさを考えていきたい人。

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