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子どもを保育園に預けて感じた、罪悪感と焦燥感

~障害者手帳を利用することへのためらい

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2022.3.14

前回の自己紹介を兼ねたコラムで、私が結婚前に精神障害者保健福祉手帳3級を取得したことをお話しました。

その後思いがけず子宝に恵まれ、ワンオペ育児へと進んでいくのですが、障害の特性上、1人での子育ては想像を絶する辛さでした。

夜泣き、哺乳瓶拒否、母乳のみ、数日に及ぶ徹夜、検診といろんなことにだんだん追い詰められていきます。

そんなとき、精神障害者保健福祉手帳があれば、子どもを保育園に預けることができると知りました。

執筆:和泉屋(いずみや) izumiya

子どもが産まれる前は、小さな古民家を改装し、夫婦だけで気ままに暮らしていたのですが、古い作りの家は、子育てをするにはいろいろと危ないなと感じ、引っ越しをすることに。

引っ越し先の市では、子どもを連れて転入した家庭を市の職員の方が訪問してくれて、絵本をプレゼントしてくれました。これは市町村によって制度が違うのかもしれませんが、我が家は2冊の本をもらいました。

そして、「何か子育てで困っていることは?」と聞いてもらえました。

そこで、実は障害があること、実家はなく頼る人もおらずワンオペ育児であること、いざという時に預けるところがない…というようなことを相談したら、行政の子ども関連の課に繋いでくれたんです。

その後、何度か市役所に出向き、子ども関連の課の方と面談して「精神障害者保健福祉手帳があれば、障害を理由に保育園に預けられる」と教えてもらいました。

保育園は就労でしか入れないと思っていた私は、かなり驚いたのを覚えています。

そして、市の職員の方の「自分がどうにもならない時にプロに預かってもらえるって心強いよ」という言葉が、入園の決意を固めてくれました。

相談した時期がちょうど新年度の前だったので、そこからはトントンと話が進み、家からそう遠くない保育園に0歳児から入園できることになりました。

そして、入園前に園長先生や保健師さんと面談があったんですが…そこで正直に「障害で」と言うのは、ちょっと勇気が必要でした。

先生方はプロなので詮索してくるようなこともなく、面談は穏やかに終了したのですが、私としては「働いてないのに保育園に預ける」という事実が心にチクっと刺さってしまい…

園長先生に「しばらくゆっくりして体調を整えて、それからいろいろ考えてね」と声をかけてもらいましたが、その優しさがより罪悪感に響きました。

でも、入園して1年くらいは、働くなんてとんでもないというくらい体調を崩してしまい、ちょっとだけ罪悪感を忘れられました。

毎晩続く夜泣き、母乳しか飲まない子どもの世話、離乳食を全く食べないなどに追い詰められ、子どもからもらった風邪で副鼻腔炎と咳喘息をこじらせてしまい、働くどころではなく。

しっかりと耳鼻科や呼吸器内科に通い、少し体調がよくなってきたのかな?と感じたのは、また襲ってきた罪悪感と、働いていない焦燥感を実感した時です。

「働いてないのに子どもを保育園に預けて面倒をみていない」
「収入もないのに保育園の費用を夫に負担させている」

「働いてもいないのに」がとても引っかかっていたんですね。

保育園のママたちと世間話をするときに「お仕事は?」と聞かれることも、罪悪感と焦燥感の原因の一つだったかもしれません。

昔、知り合いのカフェの売り上げの入力などを手伝っていたことがあったので、その頃の仕事内容をさも今やっているかのように「家で入力の仕事を」なんて嘘をついたこともありました。

家にいても罪悪感と焦燥感でリラックスできなくなってしまい、どうしたものか…と悩んでいたときに「家で入力の仕事を」を本当にしてしまえばいいのでは?とハッとしました。

「そうか、家にパソコンあるんだからダメ元で仕事を探したらいいんだ!」と気づき市役所に問い合わせたところ、精神障害者保健福祉手帳で保育園に行っていても働いていいと確認がとれたので、ちょっとずつ行動し始めます。

私は一見、人付き合いが得意そうに見えるようですが、たくさんの人と話すとすごく疲れてしまいます。次の日寝込んでしまうこともあるし、人と話を合わせることも苦手です。

ならばもう在宅で仕事をするしかない!と、クラウドソーシングのサイトなどに登録し、初心者でもできそうな案件に片っ端から応募してみました。

案件を探していくうちに、文章を書くのが好きなら“ライター”という業種がいいのかも…と、ライターにもたくさん応募します。

最初はまあ…素人なので全く仕事もできずテストライティングにも落ち、クライアントに怒られ、低賃金の仕事になんとか食らいつくくらいで、収入にはほど遠かったですね。

でも自分の中で、一つ目標を決めていました。

それは、「一本でも納品して数百円でももらえたら“ライター”と名乗って、罪悪感と焦燥感から卒業しよう」ということ。

そこからも、次々とテストに落ち、怒られ、ひどい扱いを受けながらも仕事を探し続けられたのは、“在宅”という要因が大きかったのかもしれません。

着替えて化粧して髪の毛を整えて、って鬱の人にはすごくハードル高いですよね。それがないだけで、頑張ろうと思えたのかも。

そんな日々を半年は続けたでしょうか。やっと一本の仕事をもらい、500円のギャラをもらいました。

たった500円でしたが「これで“ライター”と名乗ってやろう!」と、目標が達成できて嬉しかったです。

その500円で、その当時子どもがハマっていたオバケの絵本を買いました。

子どもに絵本を買ってあげられたことで、自己満足かもしれませんが一区切りついた気がします。

安定して仕事ができるかはわからないけど、在宅で仕事をできる可能性があるというのは、かなり自信になったんだと思います。

そしてやっと、精神障害者保健福祉手帳を取得しているということは、自分に障害と分類されるような症状の病気があるからだということを再確認できました。

いわゆるハンデがあるのだから、他のママのようにバリバリ稼ぐ事は無理だろうけど…“ライター”としてこれからコツコツと頑張れば、子どものために月千円でも貯金できるのでは?と、目標はあくまでも低めに。

思い返せば、“ライター”を目指し始めたときも目標は「一つでも仕事がもらえたら」と低く設定したのは、結果的に自分にとってよかったのかも。

次の目標は、数ヶ月に一回でもいい、千円でもいいから子どものために貯金したいということ。

小さな目標をゆっくりのんびり達成できるようにマイペースに仕事をすることで、罪悪感と焦燥感は次第に少なくなっていきました。

今も体調が悪い日は突然罪悪感や焦燥感が襲ってくることもありますが、どんなに小さくても目標を持って進み、障害を持っていても仕事につなげられるという実感は、現在も私の自信になっているようです。

小さな目標、少しずつの努力が、罪悪感と焦燥感から私を救ってくれたのかもしれません。

フリーランスのWEBライター。父親からの虐待を受けて育ち、パニック障害・鬱・不眠などの精神疾患があり手帳3級所持。現在はワンオペ育児をしながら、在宅ワーク中。23年一緒に暮らした猫を看取ってからは3人暮らし。母親業と仕事と家事でいつも疲労困憊。パンを焼いたりミシンを使ったり、手仕事が好き。「障害がありながら母として働く」ことの現実を綴っていきたい。

このライターが描いた記事

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