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統合失調症ってどんな病気?

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2022.4.2

私は統合失調症という病気と付き合いながら生活をしています。今回は統合失調症の私が日常生活や仕事で困ることや、一緒に働く方たちにどのような配慮をお願いしたいかについてお伝えしていきます。

執筆:大井 南 minami.o

こんにちは。webライターの大井 南です。

私は現在、統合失調症を患っており、日々病気と付き合いながら生活をしています。

自分が統合失調症であることを周りの方に伝えると、「どんな病気なの?」と聞かれることもあります。

今回はそんな統合失調症について、日常生活や仕事で困ること、欲しい配慮なども一緒にお伝えしていきます。

統合失調症ってどんな病気なの?

統合失調症はどのような病気なのか。気になる方も多いかと思います。簡単に説明すると、思考などがまとまりづらくなってしまう病気と言われています。

脳の様々な働きをまとめることが難しくなってしまい、「妄想」や「幻覚」などの症状が起きてしまいます。

長く付き合うことが多い病気ですが、新しい治療法や薬が開発されたことにより、多くの方が長期的な回復が期待できるようになりました。

日常生活で困ること

日常生活で困っていることは、大きく分けて3つあります。

まず1つ目は、人混みが苦手だということです。

人が大勢行きかう街中やショッピングモールでは人の話し声や笑い声が気になってしまい、居心地が悪いのです。人が多いことによる圧迫感も辛く、息苦しくなってしまいます。

2つ目は、話が支離滅裂になってしまうことです。

自分の中では道筋を立てて話しているつもりなのですが、主語が抜けていたり、話の脈絡がなかったりとわかりにくいようです。同じ話を何度もしてしまうこともあります。

実際に「話が分かりづらい」と言われることや、人から聞き返されることがよくありました。

旦那さんを困らせてしまうことも度々ありました。最近はなるべく主語や述語を省かないようにしています。また、「今は何について話をしているのか」を意識するようにしました。その甲斐もあって、少しずつ会話がスムーズになってきました。

3つ目は自分の不安を解消するために、相手を質問攻めにしてしまうことです。

頭の中がごちゃごちゃとしてしまう時に、とても強く不安を感じてしまいます。それをすっきりとさせたいがために相手に多くの質問を投げかけてしまうことが多いです。

そのことが、旦那さんにストレスを与えてしまっていたようでした。ですので、旦那さんとよく話し合い、なるべくその都度質問するのではなく、まとめて質問するようにしました。

仕事で困ること

仕事で困ることは3つあります。

1つ目は疲れがたまってくると幻聴の症状が出てしまうことです。

実際には何も聞こえていないはずなのに、ヒソヒソと私の心を不安にさせる声が聞こえてくるのです。あと、症状がひどい時だと他の人の会話がすべて自分の悪口に聞こえてくることもあります。勝手に言葉が変換されてしまうのです。

以前はこの幻聴によって、仕事に集中できなくなってしまい、急いで休憩室やトイレに駆け込むことが多くありました。しばらく休憩を取り、落ち着いたらデスクに戻ることの繰り返しの日々でした。周りの人に心配されたり、怪訝な目で見られたりしてとても辛かったのを覚えています。

2つ目は仕事のマルチタスクが難しいということです。

1つの仕事だけだと処理できるものの、それが2つ、3つになってくると頭の中が混乱してしまい、優先順位が付けられなくなり、作業効率ががくんと下がります。

実際に、医療事務のお仕事をしていた時期はそれが顕著でした。受付業務だと同時並行で作業が入ってくることが多くあり、上手く処理ができずに、怒られてばかりでした。

3つ目は口頭での説明を理解するのが困難だということです。

書面だと自分のペースで理解することができるのですが、口頭だと、相手のペースになるので、思考の整理が追い付かずに、不安が募ってしまいます。


一緒に働く人にお願いしたい配慮

仕事で困る3つのことに対して、一緒に働く人にはどのように配慮をして欲しいのかについてお伝えします。

1つ目の幻聴に対する配慮ですが、基本的に周りに人がいると集中できないので、出社する場合はパーテーションなど、隣の人の様子が見えないようにして頂きたいです。

他にも休憩室など、デスクから離れて休める場所の確保も必要になってきます。ずっと幻聴が聞こえた状態でデスクにいると、さらに悪化してしまうので、気分転換のためにも場所を移すことが大切になってくると思います。

加えて、テレワークにさせていただくなどの配慮があると嬉しいです。

2つ目のマルチタスクが難しい点ですが、常にタスクは1つにして、タスクが終わったら次のタスクといった形を取って頂けるとありがたいです。

「自分でto do リストを作って一つずつ処理していけばいい」と思う方もいるかもしれませんが、思考の処理が苦手なため、一度混乱してしまうとタスクを書き出すことすら難しくなってしまうのです。

タスク管理などの苦手なことは、他の方にお願いできると助かります。

3つ目の口頭での説明を理解するのが困難という点ですが、仕事の指示はテキストベースにするなどの配慮があるとありがたいです。書面でしたら、自分のペースで理解ができますし、落ち着いて落とし込むことが可能です。

あと、不安を解消するという点で、新しい業務などについては「一方的に説明して終わり」ではなく、こちらから質問や確認するための時間を設けて頂けたら嬉しいです。

まとめ

統合失調症ってどんな病気なのか、困ることや職場の人にお願いしたい配慮についてお伝えしました。

精神の病気ということで不安に感じる方も多いかもしれませんが、適切な配慮を頂ければクリアできる問題も多くあります。実際に私は今、テレワークでお仕事をしていますが、問題なく自分のペースでお仕事に取り組むことが出来ています。

この記事で、少しでも多くの方に統合失調症へのご理解を深めていただけたら良いなと思っております。

統合失調症のwebライター。得意ジャンルはアニメ・漫画。ボードゲームが大好きで、ただいま自作のボードゲームを制作中。

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