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難病患者の恋愛。健常者の彼と暮らしてみて思うこと。

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2022.6.3

わたしは、全身性エリテマトーデスと線維筋痛症という難病を患っています。
現在交際している彼氏とは、お付き合いを始めて3年目です。

難病を患いながら健常者の方とお付き合いすることは、迷惑をかけてしまう罪悪感をもってしまうなど、ネガティブな感情を抱いてしまいますし、面倒だと思われていないかどうか不安に思ってしまうことがあると思います。

今回は、健常者の彼と2年一緒に暮らしてみて感じたことを書いていきます。

執筆:xu

わたしと彼の出会いは、マッチングアプリ。職場に年齢が近い男性がおらず、そもそも職場に男性が少なかったことから、最新技術を駆使して恋人を探していました。

当時、プロフィール欄にはうっすらと病気を匂わせるようなことは記載していましたが、どんな病気なのかは書いていません。

趣味が同じであることから打ち解けたわたしたちは、何回かのデートを経て、お付き合いすることになりました。

緊張のカミングアウト

無事、お付き合いすることになったわたしたち。ですが、一緒に過ごしていく中では、どうしても病気のカミングアウトは避けられませんでした。

病気のカミングアウトをしたのは、旅行の計画をしている時です。
彼とお付き合いを始めた時期は、10種類前後の薬を服用していたので、さすがに隠れて飲むわけにもいかないだろうし、薬の多さにびっくりさせてしまうと思い、打ち明けました。

また、紫外線を避けなければいけないことや、疲労を感じやすいことなども伝えました。

正直、「じゃあ旅行はやめよう」「やっぱりお付き合いしていくのは無理だ」と言われることも覚悟していました。
実際に、マッチングアプリの中でも病気の詳細を話すと、「そんな大変そうな病気だとは思わなかった」「じゃあ無理だわ」と心ない言葉をかけられたこともあります。

ですが、彼の反応はいい意味であっさりしていました。病気であることを必要以上に深刻に捉えることなく、わたしを一人の人間として扱ってくれたのです。

病気の子、ではなく、一人の女の子。病気になって惨めな気持ちでいっぱいだったわたしが、彼に救われた瞬間でした。

「しんどくなったらすぐ言ってね」と言ってくれて、旅行中も極力紫外線にあたらないように配慮してくれたので、旅行を満喫することができました。

この時のことを再度彼に聞くと、「どの程度の症状なのかはわからないから、付き合っていく中で知っていこうと思った」とのこと。

お付き合いを続けていく中で一度、病気が悪化していく様子を彼に見られてしまったことがあるのですが、さすがにあの時は焦ったと苦笑いしていました。

実は反対された交際

彼とは順調な日々を過ごしていましたが、実は彼のご家族からは交際を反対されていました。

反対されたというと、彼のご家族に猛反対されたみたいですが、正確に言うと、病気の子と付き合うことを心配していたということです。

付き合っている彼女が病気だということをご家族に打ち明けた時、「病気の子と付き合う覚悟はあるのか」「普通の子を選ぶこともできるのに…」とありきたりなことを言われたそうですが、彼ははっきりと「xuちゃんを好きになったから、病気のことは関係ない」と言ってくれました。

彼の強い意思を聞いて、ご家族も納得してくださり、今では身体のことを気遣いながらもご飯に呼んでいただくなど、良好な関係を築けています。

交際して3年目の今

交際して3年目の今。2年前に病気が悪化し、看病してくれた時から一緒に暮らしていますが、彼はとても良く気配りをしてくれていると感じています。

SLEは落ち着いていますが、線維筋痛症を発症しているわたしは、外出先で体調が悪くなったり、在宅で仕事をしていても体調不良でベッドに倒れているときもしばしば。
それでも、嫌な顔や文句の一つも言わずに、家に直帰してくれたり看病してくれたり、家事のサポートをしてくれます。

なんだか他の病気っぽいときは、会社を休める時は休んで病院に連れて行ってくれるほど。

時々、不安になって彼に聞くことがあります。「病気のわたしと、一緒でいいの?」と。

すると彼は、「病気があっても、xuちゃんと一緒にいたいし、一人の人間として向き合っているから。今は、xuちゃんができるだけ病気のことを忘れて、過ごせるようにしていきたい」とまっすぐな目をして答えてくれました。

病気であることで、配慮をしてもらわなければいけないことを、「めんどくさい」や「迷惑だ」と思わず、「お互い様」だと思える彼に、感謝しています。


これからも、彼とは持ちつ持たれつ・お互い様といった関係性で、仲良く歩んでいこうと思います。

Text by
xu twitter note homepage

1998年生まれ。17歳の時に全身性エリテマトーデスを発症、22歳の時に線維筋痛症を併発した。高校卒業後は広告代理店でライターとして勤務し、その後フリーのライターとして独立。
趣味はゲームをすること。noteではコラム未満の病気の話やエッセイなどを執筆している。

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