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双極性障害とはどんな病気?

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2022.6.10

「双極性障害」という、どちらかというとちょっと耳慣れない病気。
画家・ゴッホも罹っていたという、双極性障害とはいったいどんな病気なのか? 

躁うつ病とはどう違う? うつ病とはどう違う? どんな症状が出るか?
躁とうつはどちらが苦しいか? そして、実際、この病気は治るのか? 

など、筆者である双極性障害の一当事者の体験を中心に、多くの人に知ってほしいことをまとめました。

執筆:藤森 桂 Kei Fujimori

まず、「双極性障害」という病気のこと自体、あまり知られていないのが現状だ。「躁うつ病」という以前の名称なら多少知名度が上がるかもしれないが、この名前では「うつ」が「うつ病」と同じものととらえられていて、病気のありようを正確に表すものではない、ということで現在の「双極性障害」に変更された。

双極性障害とは、「うつ」と「躁」が波のように繰り返し表れる病気のことである。

うつでは気が病的に滅入り、周りが闇に覆われたようになったり、起き上がれなくなったり、最悪自殺をはかる場合もある。

躁ではテンションが上がりすぎてアイデアが次から次へと出て止まらなくなったり、貯金がなくなり借金してでも高価なものを買い続けたり、ある本には勝ち目のない選挙に出る、というのもあった。これは特殊な例だろうが……これが何度も繰り返して現れる。

多くの場合、特にきっかけもなく苦しくなったり、テンションが爆上げになったりする。私の主治医は「上がったら下がります」と繰り返す。躁だと書き物などが捗るので、上げたがる私に対して諌める意味で言っているのだろう。

私は希死念慮を伴う強いうつ状態がきっかけで精神科にかかり始めたので、当初はうつ病と診断されていた。もっとも、初めから双極性障害と診断されるケースは比較的少ない。うつ病相発症から、双極性障害の診断まで私の場合は8年かかった。

きっかけは私の方から主治医に「私、躁うつ病じゃないでしょうか」と言ったことだった。ネットで見た双極性障害の症状の多くに思い当たることがあったからだ。その時、医師は特にリアクションしなかったが、3か月ほどあって「うん、双極だね」と診断を受けた。

長くかかったのは慎重に私を観察していたのと、最初にかかった医師が過労で倒れて診療所が閉院し、診療所を変わったことも関係するかも知れない。

とにかくその日から双極性障害の薬を飲み始め、うつ病の薬をだんだん減らしていく、ということになった。薬のことはまた改めて書きたいが、うつ病の薬と双極性障害の薬は基本的に違うものだ。

当初私はうつと躁が頻繁に繰り返し起こっていたが、今では薬でだいぶ良くなった。少なくとも、薬のおかげで希死念慮がなくなったのは確かだ。そして、躁でもうつでもない、フラットな時期が増えた。

この、フラットな状態を「無感情になった」と捉える当事者もいて、治療を中止したり、薬を捨てたりすることもあるという。だがそれは、双極の波がより激しくなったりする、非常に危険なことだ。それに、私個人的には、無感情にはなっていない。加齢による落ち着きくらいのレベルのことだと思う。

また、躁が楽というというのは誤解である。イライラしたり、(自分の収入に見合わない)高い買い物をしなければ居ても立っても居られないなどの苦しい症状が出る場合もある。その結果、人間関係を壊してしまったり、信頼を失ったりすることもある。私の場合、躁のあいだ常に急かされているようでしんどくなることがある。

私は一人暮らしなので、想像するしかないが、当事者の家族や友人などは当事者の躁に振り回されて大変らしい。その大変さはよく分かるが、当事者がうつで苦しんでいるのを「静かで好ましい状態」とするのはどうかと思う。躁もうつもどちらも病気がさせることで、当事者にはつらいことなのだ。

うつ病とされる患者の中には、実はうつが強いタイプの双極性障害の患者が多くいるそうだ。長引くうつや躁状態のような出来事があった場合は、双極性障害の可能性も疑ってみるべきだろう。

最後に、双極性障害は「完治はないかも知れないが寛解はある」。薬を飲み続け、規則正しい生活をおくるなどすることで、服薬だけでずっとフラットでいられることがある。双極性障害の場合、それが寛解である。私は寛解の経験はないが、寛解した人を知っている。でも、再発することもあるので厄介なのだが……

双極性障害II型と双極性障害急速交代型の間で様子見中のフリーライター。障害者手帳2級、厚生年金2級。仕事で社会参加し、障害の中でも人生を楽しみたい。私の唯一の職能であろう、ライターのお仕事は常時募集中。別ペンネームで書籍、電子書籍、雑誌、新聞、WEBなどで活動中。ここでは自分が当事者である、双極性障害のことを中心に発信していきたいです。

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