統合失調症の私が職場にお願いしている病気への配慮
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2022.6.21
私は統合失調症を患いながら、障害者雇用枠でライターの仕事をしています。今回は、私のお仕事の内容や、職場でどのような配慮をお願いしているのかなどについてご紹介します。
執筆:大井 南 minami.o
こんにちは。Webライターをやっています、大井南です。
突然ですが、私は統合失調症を患っています。病気のため、思考がまとまりにくかったり、疲れが出やすかったり困ることも多いですが、病気と折り合いをつけながら日々を過ごしています。
私は現在webライターとしてお仕事をしていますが、仕事の面で様々な配慮をしていただいています。今回は私のお仕事内容と、仕事面でどのような配慮をお願いしているかなどについてご紹介します。
私のお仕事の紹介
私は学習塾のwebサイトのコラム執筆のお仕事をしています。
実際に塾の講師の方たちに取材をした上で、勉強や教育についての記事を書いています。一本の記事が出来上がるまでの道のりは長いです。
講師の方に取材をする前には準備が必要です。あらかじめ、テーマについて下調べをしたり、質問したいことを考えたりしておくのです。
現場の生の声はとても新鮮で、良い刺激をもらうことができます。勉強についても目から鱗が落ちるような情報ばかりで、「学生の時に聞いておきたかったなあ」と何度も思いました。
後日、そのお話を記事にしていきます。
まだ、私はwebライターとしては駆け出しであるということもあり、執筆した原稿を先輩にチェックしてもらっています。何度も修正を重ねた上でようやく一本の原稿が仕上がります。
修正作業は大変ですが、自分のスキルアップにつながっていくので、やりがいをもって楽しくお仕事ができています。
仕事をする際にお願いしている配慮
私は障害をオープンにする形で、障害者枠で働かせていただいています。今までは障害を隠して働く、いわゆるクローズ就労をしていましたが、職場の人に誤解されてしまったり、ミスを起こしてしまったりすることが多かったので、長く続けることができませんでした。
障害のことをきちんと理解してもらった上で、長く働きたいと思い、今の職場に就職しました。
職場の方たちには、2つお願いしていることがあります。
1つ目は一度にたくさんの仕事を振らないでほしいということです。私の場合、一度に複数のことを処理しようとすると頭が混乱してしまい、何も手につかなくなってしまいます。大きな不安にも駆られて、精神的にもとても良くない状態になります。
今の職場では仕事量を調整してもらっているので、混乱せずにお仕事ができています。
2つ目は優先順位の確認をさせてもらうことです。いただいた仕事について「この仕事はどの順番でも大丈夫」、「この仕事は優先順位が高いですよ」などを教えてもらっています。
また、「順番がわからなくなってしまったら、遠慮なく声をかけてください」と言ってくださるので、質問もしやすい環境です。
優先順位については、教えてもらう前に自分でもだいたいの目星はつけるのですが、確認をすることでミスが起こらないようにしています。
この2つは今まで仕事をしてきた中で私が苦労していたポイントです。働いていた時は、この2つがストレスになってしまい、仕事に集中できていなかったのですが、今はそこをサポートしていただいているので、安心してお仕事に集中できています。
仕事をする際の工夫
仕事をする際に、自分で工夫をしていることもあります。
ミーティングや取材などの予定がある場合は、必ず付箋を使ってモニターに貼っておくようにしています。私は作業に集中しだすと周りが見えなくなってしまいます。そこで、目立つように「○時からミーティング」などと書いた付箋を貼っておくことで、気づけるようにしています。
次に、休憩はこまめに取るようにしています。テレワークだと自分のペースでお仕事ができるので、それだけでも十分ありがたいのですが、休憩をこまめに取ることで疲れを予防しています。
体調が悪くなった時の対応
私は体調が悪くなると、落ち込んでしまったり、何もしたくなくなってしまったりします。特に何か原因があるわけでもなく、突然やって来るので、仕事に支障が出て困ることが多いです。
体調が悪いときはあまり無理をせずに休むようにしています。パソコンから離れて、気分転換に仕事とは違うことをしています。趣味のボードゲームの雑誌を読んで、「これ、今度遊んでみたいな」「綺麗な駒だなあ」とか考えてリフレッシュをしています。
あとは、温かい飲み物をゆっくり飲むと安心します。ハーブティーの中にはリラックス効果や不安を取り除く効能のあるものもあるので、色々と試しています。
「本来なら仕事をしているはずの時間に休んだり、別のことをしたりするのは申し訳ない」と感じる方もいるかもしれませんが、我慢して悪化させると回復にもっと長い時間がかかってしまいます。職場の方たちに頼る形にはなりますが、私のような体調を崩しやすい人は、早めに休んだ方が長い目で見たときに仕事にもいい影響があるのではないでしょうか。
同じような症状を抱えている方へのメッセージ
一緒に仕事をする方たちに対して、遠慮せずに配慮して欲しいことを言った方がいいと思います。最初は「こんなこと言って大丈夫かな?」と心配になるかもしれませんが、率直に伝えた方が周りの方も安心しますし、仕事も任されやすくなります。
また、職場の先輩から言われたことですが、ちょっとでもつらいなと思ったら無理はしないことです。その「ちょっと」が大きなダメージを引き起こす可能性があります。無理せずに、マイペースに働くことが大事です。
思考がまとまらず、周りの人が当たり前にできることができなかったり、悔しい思いをすることがあったりするかもしれません。
しかし、苦労した分、人の痛みがわかります。そのことは、必ず役に立ちます。
現に、私はご縁があって、この「パラちゃんねるカフェ」で記事を執筆させていただいています。大変な経験があったからこそ、そのことを記事にして、読者に伝えることができています。
1人でも多くの方に「自分だけじゃない、同じような病状の人がいるんだよ」「気持ちを楽にしてもよいんだよ」というメッセージが伝われば幸いです。
まとめ
統合失調症の私が職場の方たちにお願いしている病気への配慮についてお伝えしました。
改めて今の職場から頂いている配慮に感謝しています。仕事にも集中でき、毎日楽しくお仕事ができています。最初に勇気を出して配慮をお願いして良かったです。これから、様々な経験を積んで、支えてくださっている皆さんに恩返しがしたいと思います。