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子育てをしながら働く中で変化した3つのこと

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2022.6.30

子育てをしながら働くと、大変なことがたくさんあり、心が折れそうになるときもありました。それでも、大変なこと以上に良い意味で自分が変わったと感じることが多くありました。今回は、ADHD当事者の私に訪れた大きな変化を3つご紹介します。

執筆:とくら じゅん

こんにちは、とくらです。

前回の記事で、育児をすることと働くことを両立させる中で大変だったことを書かせていただきました。

確かに大変なことはたくさんあり、心が折れそうになることもありましたが、それ以上に良い意味で自分が変わったと感じることが多くありました。

そこで、今回はADHD当事者の私が働きながら育児をする中で大きく変化したことを3つご紹介します。

①初めて真剣にキャリア・人生と向き合う


1つ目は「初めて真剣にキャリアと人生に向き合う」ことでした。

子どもが生まれるまでの私は、自分の働き方ややりたいことが非常に漠然としていました。

大学卒業後は出産するまでフラフラとしていて、働くことに対して高いモチベーションもなく、やりたい仕事も特にありませんでした。

将来のことや自分のやりたいことについて考えるよりも、とりあえず毎日を生きるという感じで、ただ何となく過ごしていたのです。

正直、生きることにも無気力だったように思います。

当時は食事を摂取するのも「面倒なこと」だと考えており、酷い時にはごく標準的な体重である現在よりも20㎏近く痩せていました。それほど、日々を億劫に感じていたのです。

しかし、長女が生まれてからは、自分がどう生きたいのかを真剣に考えるようになりました。

今、自分が本当にやってみたいことは何か?

将来、子どもにどんな背中を見せたいのか?

親ではなく一人の人間として生きていくことになった時、一体何をしていたいか?

産後、再び働き始めたときには、自分が好きなことややりたいこと、なりたい姿を考えるようになったのです。

その中で、「どうやら私は何かを作る仕事が好きなようだ」と気付き、現在はデザイナーとして働いています。

また、第二子出産後はデザインだけでなく、他にも興味があることにはどんどん手を出してみることにしました。

今では大学を卒業した頃の無気力な状態からは考えられない程日々が充実しています。

これからも自分が楽しいと思えることをたくさん増やし、面白く人生を歩んでいきたいと思っています。

②両親や祖父母の気持ちに気づく


2つ目は「祖父母や両親の気持ちに気づく」です。

親になってから、過去の自分を振り返ると「あのとき、家族は心配していたんだろうな…」と気づくことが多くありました。

子どもを連れて祖父に会いに行った時のことです。

先述した大学卒業後のぼんやりした状態の私を思い返した祖父は「今にも死んでしまいそうだった」と目に涙を浮かべながら語っていました。当時の祖父の心境が、今なら少しだけわかる気がします。

私は、第一子が生まれた後の両親があまりに孫を溺愛する様子に驚きました。

まさに目に入れても痛くないという状態で、娘の方も当然のように私の両親が大好きです。

「孫のためには全てをなげうっても惜しくない!」という気持ちがひしひしと伝わってきます。本当に食べてしまうのではないかと思うほどの溺愛ぶりです。

両親の姿を見ていて「これが孫という存在か」と気付かされました。

思い返せば、私も祖父には同じように大切に大切に溺愛されていたのです。

そして、私が若いころにどれだけ祖父を心配させたのかととても申し訳なくなりました。

親になるということは、自分が子どもであったこと、孫であったこと、どんなふうに育てられたのかをよりリアルに思い出すということもセットなのかもしれません。

③周囲への感謝の気持ちを持つ


最後は「周囲への感謝の気持ちを持つ」です。

子どもを育てるようになってから「自分は周囲の人々にとても助けられている」ということに改めて気づかされました。そして、その一つ一つに強く感謝の気持ちを持つようになったのです。

これまでは生活の中に「子育て」という新たな軸ができ、タスク量が膨大になるためほとんどパンク寸前でした。

私の特性を最もよく理解する夫が常に横に居なければ、私が仕事を続けることは難しかったかもしれません。

薬の飲み忘れの指摘や、私が出かける前の持ち物チェックなど、とても細かいことにも気付いてくれる夫には本当に感謝しています。

また、保育園の先生の丁寧なサポートや、働きやすい環境を整えてくれた会社、何かと子どもたちを気にかけてくれる両親にはとても助けてもらっています。

夫婦二人では抱えきれない分も手を差し伸べてくれる人たちの存在は本当にありがたいことです。

そして、私が最も感謝しているのは二人の子どもたちです。

ただただ、存在してくれるだけでありがたいのです。

子どもたちがいなければ私はもしかしたら今も虚無の中に生きていたかもしれません。

周囲への感謝に欠けた人間であったかもしれません。

自分が愛されていることに気付けなかったかもしれません。

何よりこんなに大切で最高の存在が生まれてきてくれたことには感謝してもしきれません。

第一子が一歳の誕生日を迎えたときに、まるで自分が違う人間に生まれ変わってから一歳の誕生日を迎えたような、とても不思議な気持ちになりました。

子どもたちがいなければ、今の私は存在しえなかったと思います。

「自分がいかに多くの人に支えられて生きているのか」ということに気付いたのです。

まとめ

小さな変化をあげればきりがありませんが、産前産後では私の内面的な部分のいくつかはとても大きく変わりました。

私が考える育児とは、強制的に将来を見つめることになり、タスクが膨大になり、信じられないほどの大切なものができるという恐ろしい経験です。

そして、その中で自分の子ども時代を追体験することでもあります。

とんでもない情報量が一気になだれ込んでくるので、学びや気付き、自分の成長も大きいものになるのではないでしょうか。

誰にとっても出産が良いものである、などと主張したいわけではありません。

しかし、これほど自分が変わったと思う経験はこの先の人生でもそれ程訪れることはないだろうと思います。

1991年生まれ。下町暮らしのフリーライター・イラストレーター。出産後ADHDの診断を受ける。様々な立場の生きづらさを考えていきたい人。

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