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視覚障がい就活生が見た神配慮3選!

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2022.7.11

こんにちは!ライターの榎戸(えのきど)です。

先日障がいのある友人から、「就活の時、丁寧に配慮してくれた企業の製品をいまだに買ってる!」という話を聞きました。

たしかに自分も、就職試験で配慮してくれた企業の良いイメージは、いまだに変わらないなと感じます。

そこで今回は、就職試験で心に残った配慮を3つご紹介。
企業のブランドイメージが上がる配慮とはどのようなものか?
自分の考えを書かせてもらいます。

執筆:榎戸 篤 Atsushi Enokido

就職試験での神配慮1~筆記試験で・・・!

まず1つ目が、なんといっても筆記試験での配慮です!

ボクら視覚障がい者は、学校の試験・資格試験などで時間の延長をしてもらったり、試験問題を拡大・点字にしてもらったりすることも多くあります。

しかし、大多数の民間企業ではコスト・人手の関係から難しいのが現状。

ただ、その中でも懸命に対応してくれる民間企業もありました。

視覚障がいの友人と話すと、何年も前のことなのに、「○○会社、試験で〇〇してくれた!」と話題に上がることがあります。なかには「筆記試験の配慮が手厚かったから、今の会社を選んだ」という友人も。

筆記試験はボクら視覚障がいのある就活生全員がぶつかる壁です。

その点に配慮してくれる企業は、やはり記憶に残るようですね。

就職試験での神配慮2~逆に提案してくれた!

次に心に残っているのが、提案をしてくれた企業のことです。

ここでボクの過去のエピソードを。

ボクは新聞・テレビの記者を志望していました。

しかし、新聞社からは「記者は地方勤務から始めなければならず、運転免許がとれなければ無理」と断られ、テレビ局からは「体力勝負なので、難しい」と言われることが多くありました。

一方で、このようなテレビ局もありました。

ボクが「記者になりたいんですけど、難しいですか?」と聞くと、担当の方は「そうですね、記者は現場に行って人を探したり、物を見たりしなければいけないので難しいかもしれません」と言いました。

「そうですよね・・・」と、いつものようにうなだれるボクに、その人事の方は続けて言ってくれました。

「ただディレクター職だったら、可能性があるかもしれませんよ。ディレクター職は自分ができそうなネタを提案すれば良いので」とのこと。

まさに暗闇の中で一筋の光が見えた瞬間でした。

結局採用にはいたりませんでしたが、「この道なら可能性があるかも」と、現在働いているテレビ番組の制作会社業界を探すきっかけとなりました。

このように最初から無理だと決めつけるのではなく、希望を真剣に聞いて、「この道なら可能では?」と提案してくれた企業のことも心に残っていますね。

就職試験での神配慮3~共感・理解してくれようとしている・・・

最後に、「共感・理解型の対応」をしてくれた企業もよく覚えています。

ある地方紙の記者を受験した時のことです。

書類審査の作文を送ると、通過の連絡がきました。

地方紙も運転免許が必須の企業が多く、その知らせに少し驚いたのを覚えています。

半信半疑で試験会場へ向かうと、審査員の方がボクの受験票を見て声をかけてくれました。

「あの作文読んだよ!」

ボクは作文で、透明なフォークが見えない自分に同級生が「バカだな~」と冗談を言ったら、先輩が「そんなこと言っちゃダメでしょ!」と怒ったというエピソードをあげ、「この国には言ってはいけないという空気感があって、それを伝えられるような記者になりたい」という趣旨のことを書いたのを見てくれたのでした。

「本当にそう。ぜひ書いてほしいなって思ったの。」と言ってくれたのでした。

ボクは「自分の障がいのことを受け入れてもらえているのだな」とうれしくなったのを覚えています。

この企業も結果的に不採用でしたが、いまだに心に残り、その地方に行った時にはその新聞を購入しています。

おわりに―やっぱり、大事なのは・・・

ボクはふと立ち止まり、なぜこの3つの対応が心に残っているのか?と考えました。

すると、いずれも「人として尊重してくれている」のが伝わるからだと思いいたりました。

実は弱視の友人が、採用になった企業に対し「絶対行かない!」と嫌悪感を示したことがありました。

なぜかと聞くと、「試験が雑で、法定雇用率狙いで採用にしたのが明らかだから」と言いました。

そうなんです、仮に採用されたとしても「人として尊重されていない」と感じた瞬間、その企業への反感が芽生える。逆に不採用でも、「尊重されている」ことが伝われば、長年の企業のファンになるんですね。

障がい当事者にとって、就職試験が企業のファンになれる場になり、企業にとってはファンを作る場になってもらえればな・・・と、ボクは願っています。

1989年生まれ、東京都青梅市出身。
3歳の時のケガにより弱視に。視力は左0.04、右0。
現在は、テレビ番組の制作会社で働きながら、ライターとして活動中。
▼執筆媒体
当事者向け旅行サイト「COTRAVEL」
障がい者ライフスタイルメディア「Media116」

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