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統合失調症の私はどこまで病気のことをカミングアウトしているのか

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2022.8.9

周りの人たちにどこまで病気のことを伝えるのか。今回は統合失調症の私のカミングアウトについてのお話をしたいと思います。

執筆:大井 南 minami.o

こんにちは。Webライターをやっています、大井南です。

突然ですが、私は統合失調症を患っています。症状としては思考がまとめづらかったり、疲れてくると、ヒソヒソ声などの幻聴が聞こえてきたりします。日常生活での困りごとは多いですが、周りの方の温かいサポートのお陰で日々楽しく過ごしています。

今回は統合失調症の私がどこまで周りの人たちに病気のことを伝えているのか、カミングアウトについてのお話をしたいと思います。カミングアウトというとなんだか重たく聞こえますが、気を楽にして読んでいただけたらと思います。


仕事

最初の職場は、仕事が激務なことに加え、人間関係も悪く、私は疲れ果ててしまいました。元気がない日が続いたため、心配した親の勧めで精神科へ行くことに。そこで私はうつ状態と診断されました。

勇気を出して、信頼できる上司に症状のことを伝えると、「それは辛かったね」と親身になって話を聞いてくれました。そのことがとても私を安心させてくれました。

そして、「仕事をこのまま続けるか」について、話し合いました。その結果、「仕事を無理やり続けても、病状が悪化するだけだろう」と、退職という決断をしました。

もし、このときに無理をしながら仕事を続けていたら、病状が悪くなって取り返しのつかないことになっていたかもしれません。上司に相談して良かったな。と心から思います。

その後も、就職はできるのですが、どこも長くは続きませんでした。人が周りにいると過度に緊張してしまい、いつも疲れ果ててしまうのです。仕事が長続きせず、辞めるたびに罪悪感と無力感が募っていきます。

最初の会社以外では病状をカミングアウトすることはありませんでした。

しかし、前の職場では、辞めるときに思いきって病気のことを上司に話しました。その時は統合失調症の診断を受けていましたので病名も伝えました。

先輩は私の話をしっかりと受け止めてくれ、「自分も自律神経の病気で前の会社を辞めたことがある」という話をしてくれました。「迷惑かけてすみません」と謝ったら、「迷惑なんてかけてないよ」と優しく言ってくれました。

最初の会社の上司と同じように、「受け入れてくれる人もいるのだ」と安心しました。

次は自分のペースで長く働きたいと思い、障害者雇用枠で職を探しました。ご縁があって今の会社でwebライターとして働いています。

「障害をオープンにして働くと、こんなにも気持ちが楽なのか」と衝撃を受けたのを覚えています。細やかな配慮もいただけますし、とても働きやすい環境です。


家族

両親へのカミングアウトは、弟が私と同じ統合失調症のため、あまり驚かれはしませんでした。ですが、内心はショックだったと思います。自分の子供が二人とも障害を抱えているのはやはり大変かと思います。

両親は私の苦手なことをサポートしてくれて、それ以外のできることは私に任せてくれました。いつも優しく見守ってくれた両親には感謝の思いでいっぱいです。

旦那さんに対しては、明確なカミングアウトという形はありませんでした。私が落ち込みやすいこと、苦手なことが多いことなどから、「何かしらの症状があるのかもね」と日頃から話し合っていたからです。

仕事に集中できず、精神科を受診するときも一緒に行きましたし、統合失調症の診断を受けて、「ああ、なるほど」と二人で納得しました。

私は病気と診断されたことでショックを受けてしまいましたが、あらかじめ、旦那さんと色々話し合っていたお陰でだいぶ和らいだように思います。

旦那さんのご両親へのカミングアウトですが、これは非常に繊細な問題なので困ってしまいました。しかし、私の母が気を利かして、旦那さんのご両親に話してくれることになりました。私はその場にはいませんでしたが、きちんと伝えてくれたと思っています。母の優しさには頭が下がる思いです。

友人

友人には、1人だけカミングアウトしています。

その友人とは付き合いが長く、家に遊びに行くような仲でした。何よりも信頼のおける友人でしたので、「病気のことを知ってもらいたい」という思いが強くありました。

いざ、病気のことを話すと、「どんな病気だったかなあ?」と優しく聞いてくれました。質問をしてくれるのはうれしいのですが、やはり病気の詳細まで知っている人は多くないのだろうということがわかります。統合失調症の病状の説明を、友人は真剣に聞いてくれました。

「無理はしないほうが良いよ。絶対に良くなるよ!」と友人は励ましてくれました。上司に病気のことを話した時もそうですが、カミングアウトをするために勇気はいりますが、話を聞いてもらえると「私のことをわかってくれているんだ」と安心に繋がります。


まとめ

統合失調症の私のカミングアウトについてご紹介しました。

改めて、自分の人生を振り返ると私は人に恵まれていたと思います。病気の話を真剣に聞いてくれ、励ましてくれる人たちに出会えました。

私は、特に知り合い全員にカミングアウトする気はありません。「必要だったら言おうかな~」くらいの感覚です。「カミングアウトしなきゃ!」などと重く考えても良いことはないと思います。


カミングアウトという言葉にとらわれ過ぎても疲れてしまうだけなので、適度な距離を保つと良いのかなと考えています。人によって、カミングアウトの感覚は様々ですが、ご参考になれば幸いです。

統合失調症のwebライター。得意ジャンルはアニメ・漫画。ボードゲームが大好きで、ただいま自作のボードゲームを制作中。

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