自律神経失調症に対する配慮とは?
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2022.9.24
自律神経失調症は目に見えない症状であることから、理解が難しい部分があります。今回は、自律神経失調症がある場合にどのような配慮があると嬉しいかについて執筆させていただきます。
執筆:光丘 月乃 t.mitsuoka
こんにちは、光丘月乃です。
前回、『自律神経失調症と向き合う生き方』という記事で、自律神経失調症の受容について書かせていただきました。
今回は、「自律神経失調症の症状がある場合にどのような配慮があると嬉しいか」について執筆させていただきます。
職場や学校で、自律神経失調症と言いたくても言えない方や「怠けている」と勘違いされそうで怖いと感じる方は、実は多いのではないかと思います。実際、目には見えない症状であることから、当事者でなければ理解が難しい部分があるのは致し方ありません。
気力で乗り越えられるならそれに越したことはありませんが、症状によっては休まざるを得ないほど辛いものもあります。
もし皆様の身の回りに自律神経失調症の方がいたら、この記事の内容が少しでもお役に立てれば幸いです。
自律神経失調症の症状をおさらい
これまでの記事でも触れましたが、自律神経失調症は「不定愁訴」と言われ医学的な分類がされにくい症状です。そのため、症状を訴えても周囲に伝わりにくいと、これまでの私の経験から思います。
自律神経失調症の症状には、下記のようなものがあります。
※こちらは一例です。症状は人によって異なります。
- 頭痛・頭重
- 不眠症
- 疲労感・倦怠感
- 気分の落ち込み・イライラ
- 憂うつ感
- 肩こり
- のどの渇き
- めまい・耳鳴り
- 冷え性
- 多汗
原因はストレスやホルモンバランス、生活習慣の乱れなどがあるとされています。交感神経と副交感神経のバランスがうまく取れなくなり、発症する症状です。
投薬治療や自律訓練法の治療で、改善された例もあります。(個人差はあります)
生活習慣やストレスが原因と考えられる場合は、それに見合った改善方法を試していくのが良いとされています。
どんな配慮があったらいいか?
個人的に、一番の配慮は当事者にとって話しやすい相手を作ることだと考えています。
まずは、当事者の方には勇気を出して話しやすい同僚や上司がいれば相談してみることをおすすめします。その際に、自律神経失調症について詳しく話をすればお互いの理解が深まって一石二鳥です。
私は前の職場で障がい者雇用として入社しましたが、年数が経つと異動があり、人員もがらりと入れ替わって、私の入社経緯である障がい者雇用の事実を知らない人がほとんどになりました。新しい上長から
「え、光丘さんって障がい者雇用?聞いてないけど?」
と言われたのは今でも忘れられません。その上長もASDや自律神経失調症を分かろうとはしたようですが、いろいろあって忘れてしまったようです。ある日、頭痛がひどくて早退してからというもの…
「光丘さん、病気を言い訳にするなよ。」
事あるごとに、この言葉を言われ続けて歯がゆい思いをしました。今思えば、退職して本当に良かったです。
こうした経験を通してこそ、自律神経失調症について話をして理解してもらうことの重要性は認識しています。私も、「前の職場で話しやすい人を見つけて少しでも理解してもらえばよかった」と反省しています。
家族でも職場の人でも、話しやすい相手がいたら躊躇なく自律神経失調症について話していってほしいです。
そして、周囲に自律神経失調症の方がいたら不調や変わった様子はないかさりげなく様子をみていこうと思います。
自分にとって無理のないペースが大切
自律神経失調症の方は、季節や温度変化、生活リズムの影響を受けやすいのが特徴の一つです。
私の場合、かつて夜勤のあるストレスフルな職場で働いて、体内時計が狂ってしまったことから自律神経失調症が顕著になってしまったと思っています。現在も、気圧の変化で低気圧頭痛になったり、不安や緊張でなかなか寝付けなかったりする症状があることが事実です。そんな時は、無理せずに早めに寝ます。仕事をしている間でも、ずっと作業するのではなく適宜休憩をはさみます。
周囲の人からの配慮があればありがたいことですが、自分なりに自律神経失調症を緩和する工夫も必要です。(自律神経失調症の生活の工夫に関しては過去の『自律神経失調症の私が生活していくための工夫』という記事で執筆しました)
自律神経失調症の症状は、さまざまな外的ストレスから発症します。
適度な運動や睡眠時間の確保、自分の楽しめる趣味など、自律神経失調症の改善に繋がることをコツコツと続けて無理のない生活にしていきましょう。
まとめ
自律神経失調症を理解してもらうには、まずは相談しやすい誰かに、勇気を出して自分の口から話してみることが大切だと思っています。「私は季節の変わり目には体調を崩しやすいんです」など、自分はどのような症状が出やすいかを伝えてから相談すれば、必要な配慮も考えやすくなります。
職場によっては、時短勤務にしてもらえたり休職制度を使えたりもするので、自律神経失調症の症状が頻繁に出てくるようになったら検討してみるのもいいかと思います。
もし、職場や家族に話しにくいのなら、カウンセラーや心療内科の先生に話してみると、専門家から見た具体的なアドバイスがもらえます。
この記事が、自律神経失調症の当事者の皆様やそのご家族・関係者の方々のお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。