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子供に障害をどう伝えるか?

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2022.11.11

子供って純真・無垢で、だからこそ“やっかい”と感じますよね。
大人のように空気を読む、察するなんて、難しい。

だからこそ純粋に、素直に見たままを受け入れます。
今回は「子供」から見た障害の見え方を、少しだけ考えたいと思います。

執筆:山口 真未 Mami Yamaguchi

子供って純粋に、見たままの情報をそのまま信じますよね。
大人になると少し忘れがちでもあるので、時々はっと気づかされる瞬間があります。

今、私自身は独身で、子供もいません。
ただ今年の春から、私の妹夫婦と同居しているので、4歳の姪っ子と0歳の甥っ子と毎日会える状態です。

とはいえ、同居と言っても家の中が繋がっているだけ。
ほとんど一人暮らし状態ではあるので、毎日子供を育てるパパママには、日々頭が下がります。

それでも一緒に暮らしているからこそ、今後より難しくなるだろうな、と感じているのが障害のこと。
今回は4歳の姪っ子のお話です。

子供ってスゴイ!

見たままを信じる子供にとって、障害という“概念そのもの”がないのだな、と姪っ子を見ると感じます。
姪っ子が生まれたとき、当然ですが生まれつきの障害を持つ私は、障害者としてしか、接したことはありません。

家族は全員が健常者のため私だけが障害者ですが、そのことにあまり疑問もない様子。
というより、理由がわからないなりに、「できない」は幼い頭でもわかっているようです。

例えば、私は外出のとき片杖を使って歩くので、必要なモノという姪っ子の認識。
でも家の中では使わないので、玄関に置きっぱなしにします。

2歳のとき、まだ片コトしか話せないのに、私の杖が玄関に置かれている状態をみて。
「みーちゃん(私の呼び名です)の!大事!はい、する!」と。

自分よりも大きな杖を、わざわざ私のところへ持っていこうとしたのです。
2歳の姪っ子には、なぜ杖を使っているのかなんて、理解はしていないはず。

それでも毎回、外に出るたびに使っているので、大事で必要なものだろうという、姪っ子の気づき。
純粋に、スゴイことだな、と感じました。

他にも人工呼吸器を使うのですが、子供なら画面にボタンが付いている機械なんて、おもちゃみたいで面白いはず。
でも幼心に大事なモノだとわかっているのか、むやみに触ったりしません。

これも必要なモノだろうと遠くに置かれていると、私のところへ持っていこうとします。
といっても機械は重いので、スグに諦めてママやパパに、お願いをしていますが(笑)

さらに姪っ子がスゴイと感じるのが、私自身に「抱っこしてほしい」と言わないこと。
ママやパパでも、祖父母でも関係なく、外出先でも家の中でもスグに「抱っこ~」と言っています。

ただ私自身は赤ちゃんの頃から、ほとんど抱っこをしていません。
腕の筋力も弱い私は、生まれたての赤ちゃんでさえ、抱っこができないから。

そのため姪っ子も授乳用のクッションなどを使って、1、2度のみ。
直感で抱っこはしてくれない、無理だと悟っているのか、ほとんど話せないような頃から私に抱っこを強請ったことはありません。

素直に見たまま、できないものはできないと理解する。
子供の純粋さと素直さはスゴイな、と小さいときから感じていました。

ただ正直、そろそろキケン信号

姪っ子が素直に受け入れてくれたこと、これは純粋に嬉しいことです。
ただし、そろそろ第1段階のキケン信号が迫っています。

私自身はまだ歩けますが、言うならば岩の上を歩くペンギン状態。
よちよち、ゆっくりしか、歩くことはできません。

またペンギンでも時々見かけますが、誰かにぶつかられると、スグに転んでしまいます。
ペンギンのコロリンと転ぶ姿は、とっても可愛いモノですが、私の場合はそう簡単にはいきません。

すり傷を作るくらいなら全然良いのですが、私は自分で受け身を取るということができません。
簡単に言うと、転ぶときに手を突けないため、頭から勢いよく転んだり、肩や腰など強打します。

どうしても自重と、人に押された勢いのまま転ぶため、いつ骨折に繋がってもおかしくない状態。

もちろん自衛はしていますが、子供の動きって予測不能も多いですよね。
ちょこちょこと動いて、ぶつかったり、自分の行きたい方向へひっぱったり。

その度に注意はしますが、4歳の子供に加減をしろと言っても、なかなか難しい話。
ただ私が転ぶと大変なことになる、というのは周りの反応で察しているようで、小さい頭で気を付けようとはしています。

この塩梅は難しいですが、ちょっとした訓練になるかな?と個人的には思っています。
どんなことでも「他人を気遣う」「人を観察する」というのは大事なこと。

これからの未来に、私以外の障害者に出会う可能性だって十分にあります。
そのときに、少しでも何かできる大人になるための練習台になれたら、とは思っています。

正直、答えは見つかっていない

今は第1段階の注意期間ですが、これからはさらに難しくなります。
大人になったとき、必ずぶつかる疑問。

「なんで障害者なの?」
「なんで、できないの?」
「なんで杖を使っているの?」

まだ4歳だからこそ、素直にできないと受け止めているのだと思います。
ただこれから小学校、中学校と成長するにつれて、何故?という疑問はわくはず。

前回のコラムでも書きましたが、周りは圧倒的に健常者が多いのが今の世の中です。
その中で何故?と思うのは当然のこと。

ただ正直、今の私には答えがわかりません。
私の病気は生まれつきだと判明していますが、原因は不明のまま。

また遺伝する病気だとわかっていますが、私の親族に同じような病気だった人はいません。
あくまで突然変異であろうと推測はしていますが、それ以上のことは何もわからないため、私も答えを知りたい、というのが本音です。

また今の私には、まだ障害をプレゼントだと、言える程の心の余裕はありません。
今すぐにでも新薬が開発されて、障害が無くなればいい、と真剣に思っています。

ただ一つだけ決めていること。
聞かれたときは、そのときの気持ちを正直に答えたい。

もしかしたら数年後には、今の障害があってよかった、と思えているかもしれません。
もしかしたら数年後には、もっと障害が悪化して、後ろ向きの気持ちかもしれない。

まさか姪っ子に障害を理由に八つ当たりしようとか、そんなつもりはありません。
ただプラスの気持ちも、マイナスな気持ちも。

伝え方を選ぶ必要がありますが、気持ちがあることは伝えたいと決めています。
知ることが未来の誰か、他の人と接するヒントになるかもしれないから。

その“きっかけ”や知識になれたらな、とは思います。

色々な人がいると知ってほしい

今回は4歳の姪っ子にスポットを当てましたが、0歳の甥っ子はまだまだこれから。
どんな反応を示すか、想像もできません。

ただ私がいることで、世の中には多様性の世界があると知ってほしい。
また意外と身近にあると、知ってほしいなと思っています。

そして2人とも、多様性のある世界が楽しいものだ、と思ってくれると信じています。

1990年生まれ。障害者ファイナンシャルプランナー(FP)。生まれつき”筋ジスの仲間”と言われつつも、正式な「ベスレムミオパチー」の診断は大人になってから。高卒・障害者雇用で大手鉄道会社の事務で10年以上勤務したが、病気の悪化により退職。そこで改めて、お金の大切さに気付く。現在は、障害者だからあるお金の悩みと寄り添いたく、障害者FPとして活動中。

このライターが描いた記事

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