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ものづくりのおかげで自分を保ってこられた、私にとっての幸せ。

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2022.11.17

日々、身の回りのことに急き立てられて、意識しないと自分が何を楽しむ人間だったのか忘れてしまいそうになります。今回は、そんな日々の中でも私が最近感じた幸せについて書いていこうと思います。

執筆:とくら じゅん

こんにちは、とくらです。

皆さんはどんな時に「自分」を感じますか?

仕事、家事、育児、通院など、予定や考え事に忙しなくしていたり、体調が悪くてなかなか動けなかったり、「楽しい!」「最高!」「幸せ!」と感じる時間があまり無い方も少なくないと思います。

かくいう私もその一人。「失敗しないように。何かミスがないだろうか…」と気を張って仕事をして、日々を身の回りのことに急き立てられて、意識しないと自分が何を楽しむ人間だったのか忘れてしまいそうになります。

今回は、そんな日々の中でも私が最近感じた幸せについて書いていこうと思います。

幸せを感じたこと


「私にとっての幸せとは何だろう」と振り返るために、最近自分が幸せを感じた瞬間を思い出してみたところ、2つの出来事が脳裏をよぎりました。

まずは、先日、子どもたちを連れて大きな段ボールで工作をするというワークショップに参加したときのことです。

そこで支給されたのは180㎝×180㎝の大きな段ボール。1時間半の時間内に、下書き→切り抜き→着彩→写真撮影まで終えなければいけないというなかなかタイトな時間割でしたが、みんなで頑張るぞー!と気合を入れて下書きにとりかかりました。

現在6歳の上の子が全体のイメージを私に共有し、それを私が段ボールに描き起こし、2歳の下の子も参戦してみんなで色を塗るという段取りです。うんうん、と話を聞きながら、なるべく6歳さんのイメージに近づくように絵を描きました。

全身に花柄とハート柄があるピンクと紫の巨大な猫を作る構想をみんなで形にして、出来上がった大きな猫。ディレクターの6歳さんもとても満足げな表情です。

下書きを始めた最初の一筆と、作品の前に立って子どもたちと写真を撮った時のワクワクドキドキ感に、思わずニヤニヤしてしまいました。

また、少し前のことですが、子どもの誕生日に私の実家でパーティーをしたときのことです。

せっかく家族みんなに会うから何かお土産を渡したいと考えた私は、かねてからやってみたかった刺繍ボタンづくりをしてみることにしたのです。犬、カメ、パンダなどの動物をモチーフに、刺繍をした布をくるみボタンに仕上げるというもの。

これがなかなか難しく、上手くボタンの中心に布を寄せたり、金具をはめるのに一苦労。しかし、出来上がったくるみボタンをラッピングすると、とても嬉しい気持ちになりました。

私にとっての幸せ


私は昔から「ものづくり」や「何かができあがった瞬間」がとても好きです。

これまで、作るという行為自体が好きなのだと考えていましたが、どうやら最近の幸せだった出来事を思い返すと、中でも人に喜んでもらうことを想像できる瞬間に大きな幸せを感じるようでした。

そういえば、私のお気に入りの作品たちは、どれも人に頼まれたものか人にプレゼントするために作ったものです。

特に、私が勝手に自分の代表作だと考えているのは、私が30歳になった時に実家の両親、妹弟にプレゼントした「30年アルバム」というもの。

これは私が生まれてから30歳になるまでの、家族写真や家族の面白エピソードをファッション雑誌風に仕上げたもので、作っている間はかなり大変でしたが、印刷業者さんから試し刷りが送られてきたのを手に取った時には飛び上がるほど嬉しかったのを覚えています。

何かを作り、誰かが面白がってくれたり、喜んでくれたり、楽しんでくれたり、という場面を想像した瞬間が「私にとっての幸せ」のようです。

そう考えると、今のデザイナーという職業は、実はとても相性の良い仕事だったのかもしれませんね。

まとめ

言葉遣いも行動もなんだか変で、一つのことを始めると周りが見えなくなっていたけど、自分が変だとは全く思ってもみなかった幼少期。

「どうして自分は他の人と同じようにできないんだろう。自分は劣っている」と考えるばかりだった10代、20代。

そんな中でもずっと同じように続けていられた「ものづくり」は、やはり私にとってはとても大切で、幸せを感じられるものです。

「自分はダメな人間だ」と感じながらも、何かを作ることの中ではダメな自分を感じることが無いくらいに楽しく、一生懸命で、幸せでした。

もし、幼少期から20代前半の自分にものづくりが無ければ、もしかしたら自分を保っていられなかったかもしれません。

生活上の苦手を8割がた夫が巻き取ってくれる最高の生活を送っている現在では、正直他にも幸せを感じる瞬間がたくさんあります。

しかし、誰かを想って何かを作る、という行為は私にとっては今でも特別に大切で幸せなことなのです。

1991年生まれ。下町暮らしのフリーライター・イラストレーター。出産後ADHDの診断を受ける。様々な立場の生きづらさを考えていきたい人。

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