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採用企業向けウェビナー第4弾「当事者へのぶっちゃけ質問で障がい 者採用の知識を深めよう」セミナーを開催しました。

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2022.12.5

こんにちは。多様性を推進するプロジェクト パラちゃんねる代表の中塚です。
採用企業の皆さまの声をもとに開催された第3弾 「当事者へのぶっちゃけ質問で障がい者採用の知識を深めよう」セミナーに続き、11月16日に開催された第4弾「当事者へのぶっちゃけ質問で障がい者採用の知識を深めよう」セミナーについての活動レポートをお届けします。

執筆:パラちゃんねる運営事務局

はじめに

多様性を推進するプロジェクト パラちゃんねるは、「誰もが特性を活かせる、多様な選択肢がある社会」を目指し、障がい者雇用の活性化を図ることで「働く」側面から社会課題の解決に挑戦しています。

2022年1月からスタートした求人サイトでは、日々、全国の採用企業の担当者さまより「当事者のリアルな現状をもっと知りたい」という声が寄せられています。

  • 当事者の障がい特性が正直わかっていない
  • 当事者が実際にどのようなポイントで求人を見ているのかリアルを知りたい
  • どんな働き方をしているのか、直接聞いてみたい
  • 今働いている社員には聞けないし、、、

今回は、第4弾となる「当事者へのぶっちゃけ質問で障がい者採用の知識を深めよう」セミナーについての活動レポートをお届けします。

>ファシリテーター
NPO法人Collable(コラブル)の代表理事 山田小百合さん。障がいのある人たちや多様な人との共創の場をつくるCollable(コラブル)は、ワークショップを通じて「インクルーシブデザイン」の普及や、障がいの有無をこえた場作り、それらの啓発活動を行っています。

>登壇者①
聴覚障がい(先天性難聴)のある、がんちゃん。専門学校卒業後、インフラ系大手企業に10年勤めた後、大学・大学院へ進学、その後、大手総合人材会社に転職し、現在は経営企画室にてリサーチ業務に従事しています。

>登壇者②
発達障害(ADHD)のある、とくらじゅんさん。社会人になって診断を受け、事務職からデザイナーに転向。現在は障害をオープンにしながらデザイナーとして一般就労されています。

セミナー当日は匿名開催ということもあり、障がい者雇用に関わるさまざまな方々に参加いただきました。

  • はじめて障がい者採用をするので当事者の方の生の声を知りたい
  • 求人票や選考プロセスで印象的だった事例を知りたい
  • 現場配属後の配慮について質問したい

障がい者雇用を推進している企業の皆さまに、ぜひ読んでいただければ幸いです。

安定感を求めた新卒、変化やプレッシャーを求めて転職へ。

がんちゃんの新卒での就活はエントリー80社、内定7社と伺いました。最終的に1社を選定するうえでの判断基準は何がありましたか?


障害があるから具体的な武器(資格)があったほうが良いと考え、行政書士、司法書士の専門学校へ入学しており、当初は将来に対する確実性、安定感を求めていたため就活はインフラ系を中心に活動していました。その中でも良好な人間関係がある職場を希望していたため、採用ホームページ内に活躍する社員のインタビューなどの職場の雰囲気が読み取れる会社から1社を選択しました。


新卒で配属された部門では給与計算、勤怠管理、年末調整業務などの総務事務を担当されています。その後、10年間勤務する中で変化はあったのでしょうか?


入社から約7年間は業務の責任の範囲は変化しましたが同じ業務に従事していました。次第にマンネリ化した仕事にプレッシャーや変化を求めるようになり、社内留学制度を活用して大学へ進学し、それと同時に経営企画へ部署も異動しました。


がんちゃんは、結果的に大学院まで進学し、現在は大手総合人材会社へ転職されています。転職のきっかけや現在の業務について教えてください。


経営企画への異動を経て、ルーティン業務からノンルーティン業務の割合が増える中で視座が高まり、新たな挑戦の場を求めるようになったのがきっかけです。エージェントや求人媒体を介さず、興味のある会社の採用情報から直接問い合わせをして入社に至りました。業務は1社目と同様に経営企画ですが、企業規模が異なり、かつゼロベースで作る場面が多くあるため業務の難易度は上がっていると感じています。


当初の安定感を求めた就職からプレッシャーや刺激を求めた転職への変遷が印象的です。1社目、2社目共に社内の人間関係が良好という心理的安全性があることが挑戦意欲を高めるきっかけになっているようにも感じました。

職場で適性を見出すために、まずは良好な人間関係を作ること。

とくらさんは、大学で就活の波に乗れず卒業後はフリーターとなっています。具体的にどのような場面で就活に適応できなかったのでしょうか?

大学3年生の時に周囲に合わせて就活を始めたのですが、最初の段階で全員同じスーツで同じ髪型という状況に違和感を覚えてしまいました。そして、なにより履歴書を間違いなく書かなければいけないということがものすごくストレスで結果的に前向きに活動することができず卒業してしまいました。


3年間のフリーター生活を経て、WEB広告の会社へ入社して事務職に従事されています。入社のきっかけや業務について教えてください。


学生時代にインターンをしていた会社から誘いがあり入社に至りました。業務としてはWEB広告の管理、レポート作成、請求書作成と送付が主な業務でしたが数字のチェック作業が多く、履歴書すら書けないのに請求書の束を正確に捌けるはずもなく営業やクライアントに常に怒られていました。


とくらさんはその後、発達障害の診断を経て事務職からライター・デザイナー職へ転向されています。職種への適性はいかがでしょうか?


注意散漫などの障害特性が目立つ私にとっては 、職種への適性というよりも業務のプロセスに複数名が携わる業務においては最終段階までミスが見つからないということが無いため適応しやすいのではないかと思っています。


良好な人間関係が土台にあることでスムーズな職種転向が可能になり、それと同時にテキストのコミュニケーションが中心となるフルリモートという環境設定があったことが業務生産性を効果的に上げていく要因になっているようにも感じました。

採用担当者のぶっちゃけ質問

セミナーでは参加された採用企業の皆さまからも多くの質問がありました。


Q.発達障がい(学習障がい)のある社員が周囲より褒められることでプレッシャーを感じると話していますが、褒められてプレッシャーになったことはありますか?
>とくらさん
「すべての発達障がい者=ギフテッド」という誤解をしている人がいるからだと思いますが、デザイン系の職種ではセンスがあるのはギフテッドだからと言われる場面があります。 デザインは経験値や学びが重要なんですが、障がいの特殊性 から誤解が生まれるプレッシャーはあるかもしれません。

>がんちゃん
私自身はプレッシャーを感じる仕事がしたかったので転職しました。人それぞれに考え方は異なるため、個人に過度なプレッシャーとならないためにも上司や周囲とのコミュニケーションがまずは重要になるのではないかと思います。


Q.働きやすいと感じた場面、逆にこまったと感じる場面があれば教えてください。
>がんちゃん
働く時間と場所に対してフレックスやリモートなど制度の柔軟性があると働きやすさを感じます。聴覚障がいの場合ではオフィスだとマスク着用により口の動きがわからなかったり、距離感によっては読み取りづらいこともあり、リモートによるWEB会議だと働きやすさは増します。

>とくらさん
フルリモートはとても助かっています。リモートワークになったことによりチャットやメールなどを活用したテキストでのコミュニケーションが多くなるため記録も残り、ミスも格段に減ったと思います。


Q.人間関係が良いという判断基準はどこにありますか?
>がんちゃん
障がいに対する配慮よりも、誤解のない職場 ということが良好な人間関係と思える基準になると思います。私の場合、右耳だけに補聴器をつけていますが、左耳は聞こえるというわけではありません。左耳は補聴器をつけても聞こえないくらい悪いということなんです。また発声が明瞭だから障がい度合いが軽いというわけでもありません。そのため、一緒に働くうえで自己開示が必ず必要になりますがフランクな関係がなければ自己開示もできません。

>とくらさん
私も自己開示ができる環境に同感です。〇〇障がいみたいにラベリングがない職場、互いに補い合える職場だと働きやすいと思えます。


Q.障がい者雇用だからキャリアアップができないなどネガティブな働き方と感じる場面はありましたか?
>がんちゃん
雇用率制度のおかげで就職しやすくなる半面、就職後のステップアップを考えたときにモヤモヤする感じはあります。雇用側の立場に立つと難しいと思いますが、困ることが少ないだろうという配慮、良かれと思っての配慮も私の場合8年間続くとやりがいを見出すことが難しかったです。キャリアアップ、昇進でなくても職場内で責任の範囲を広げたり、他の部署に異動することも経験値のステップアップになるので機会を広げてほしいと思います。

>とくらさん
昇進がキャリアアップというわけでもなく、配置や職種転換など横でのステップアップ は大切に感じます。事務職からライターやデザイナーへ職種転向できなければ、やりがいも見出せず、挑戦意欲すらもわかなかった気がします。本人から配置転換など希望を出しやすい環境 があると良いなと思います。

障がい当事者として登壇を終えた感想

>がんちゃん
私からは「障がい者のキャリア」の観点から何らかのメッセージを伝えられればと思い、今回登壇させていただきました。人事担当者からすると法定雇用率制度の存在から、どうしても「採用」に焦点が行きがちかと思いますが、実はそこに落とし穴があります。採用活動ばかりでなく、採用後のことにも目を向けないと、せっかく採用しても「定着」せずに辞められてしまうことが多いのです。そうなると人事担当者はまた採用活動に奔走しなければならず、また、現場からも次第に受入に難色を示される等、負のスパイラルに陥ることになります。つまり「障がい者雇用」というテーマは、どうしても失敗事例が蓄積されやすいのです。だからこそ、成功事例や当事者の生の声が蓄積される「パラちゃんねる」のような場は大変重要ですし、人事担当者にとっても有益なものになるのではないかと思います。この度は貴重な機会をいただきありがとうございました。


>とくらさん
障害者雇用であるかどうかに関わらず、職場での心理的安全性は働く上でとても重要なポイントだと感じています。企業側もどう接して良いのかわからない、働いている側も伝えづらいと感じている、という関係性の職場ではきっと私は会社員として働き続けてはいなかったと思います。多くの企業でそうした働きやすさが広がっていけば嬉しいです。

セミナー参加者のアンケート結果

「非常に良かった」66.67%
「良かった」16.67%
「普通」16.67%

セミナー満足度の理由は以下の通りです。

  • 障がい者の新卒採用を今期スタートするため、人間関係が良い職場環境という点が伝わるような説明をしていきたいと思いました。
  • 心理的安全性は組織にとって大切なため、すべての人が居心地の良い環境作りにも力を入れていきたいと思いました。
  • 障がい者雇用で働く当事者の方のお話を聞けてとても為になりました。
  • 障がい者採用の担当者としては、障害者 の方のことをいろいろ知りたいのに世の中的に必要な配慮があり聞けないと思っていたことを質問できました。
  • 生の声を聴くことができ、弊社で働いている、これから働く人たちの為に何ができるのか、何ができないのか、方向性が少し見えた気がします。
  • 当事者が実際にどのような感じ方をするのか、リアルな意見が聞けて、気づきが多かったです。

パラちゃんねるでは、採用企業の皆さまと障がいのある当事者と共により良い障がい者雇用の機会を増やしていきたいと願っています。

困りごとがあればお気軽にご質問ください。当事者の意見をもとに回答をさせていただきます。

質問はこちらのリンクから↓
障がい者採用の困りごとを質問【ロクイチ掲示板】

第5回「当事者へのぶっちゃけ質問で障がい者採用の知識を深めよう」

障がい者雇用担当とはいえ、十分な知識や経験がある方ばかりではなく、担当になったばかりの方々も多くいます。ネットや参考書にある情報だけにとらわれた雇用促進では、当事者とのミスマッチを助長し兼ねず、働きがいのある雇用促進と本質的な多様性の広がりは実現できません。

次回セミナー(無料)の申込はこちらから
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第5回「当事者へのぶっちゃけ質問で障がい者採用の知識を深めよう」

日時:2022年12月14日(水)12:00-13:00
ファシリテーター:NPO法人Collable 代表理事 山田小百合
■ゲスト:
>榎戸篤さん(視覚障がい)
1989年生まれ、東京都青梅市出身。3歳の時のケガにより弱視に。視力は左0.04、右0。現在は、テレビ番組の制作会社で働きながら、ライターとして活動中。執筆コラムはこちらをクリック

>山口真未(身体障がい)
高卒・障がい者雇用で大手鉄道会社の事務で10年以上勤務したが、病気の悪化により退職。そこで改めて、お金の大切さに気付く。現在は、障がい者だからあるお金の悩みと寄り添いたく、障がい者FPとして活動中。執筆コラムはこちらをクリック

参加費用:無料
参加社数:先着30社様

セミナーは匿名・画面表示なしでの参加を推奨しております。
肩書にとらわれず、気軽に自由に質問できる場を提供しています。
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私たちパラちゃんねるは、当事者とのリアルな対話の場を提供することで採用担当者と共に障がい者雇用を促進していきます。ご参加お待ちしております。

多様性を推進するプロジェクト「パラちゃんねる」は、2020年より「知る」を広げるラジオ・コラムのメディア活動に加え、「自由な出会い」を創出する障がい者雇用特化型の求人サイトを運営しています。

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