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非言語メッセージを読み取りすぎているのか、読めないのか?

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2023.2.14

皆さんは、会話の中で責められているわけでもないのに辛くなってしまった経験はありませんか?今回は、言外のメッセージを読み間違える問題についてADHDの私の経験をお話します。

執筆:とくら じゅん

こんにちは、とくらです。

皆さんは、会話の中で責められているわけでもないのに辛くなってしまった経験はありませんか?

私は勝手に一人で辛い気持ちになって、相手に疑問を抱かせてしまうことがかなり頻繁に起こります。これは、おそらく言葉になっていること以外の情報を過度に読み取っている(深読みしすぎている)ことが一因。

  • 自分がそう思っているだけで、相手は言語化したことだけを伝えたかった、というすれ違いがよく起こってしまう。
  • 相手は本当は更に気遣いが欲しかったのに、言われた通りにしてしまったことでよく怒られる。

こんなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?

今回は、言外のメッセージを読み間違える問題についてADHDの私の経験をお話します。

人の表情やしぐさが気になりすぎる


結婚して一緒に暮らすようになってから、夫とけんかをすることが増えました。

けんかの最中に夫に度々指摘されるのが、「こちらが思ってもいないことを勝手に推測して怒っている(悲しんでいる)」ということ。

どうやら私は夫の表情を必要以上にネガティブに受け取り、夫の予想外のタイミングで急に怒り出したり落ち込んだり、ということをしているようです。ほとんど24時間一緒に過ごしている相手がこんな状態ではとてもストレスフルなはず。「申し訳ない」と思いつつ、これがなかなか直りません。

思い返せば、今のように在宅勤務ではなく会社に毎日通勤していた頃、同僚たちの思っていることを言われてもいないのに、勝手に想像して落ち込むシーンがよくあったような気もします。

話しかけられている時の表情から言葉以外の情報を過剰に受け取ってしまうのです。

「今、この人は私を馬鹿にしているに違いない」
「もしかして怒らせてしまったのだろうか?」
「何か悪いことを言って傷つけたのだろうか?」
などなど、相手の言葉をいちいちネガティブに変換している面がありました。

この悪癖に当時の自分は気付いておらず、夫に指摘されるまでは自覚がなかったため、本当は誰もこんな風に私を悪く思ってはいなかったのかもしれません。

しかし、当時の私は本当に些細な相手の表情や話し方の変化で落ち込んだりイライラしたりということを当然のようにしていたのです。

今は、リアルで会う人はほとんど夫と子どもたちだけなので、「夫は言葉にした以上のことを考えていない」というルールで日々を過ごしていますが、それでも変なタイミングで落ち込んだりしてしまうため、まだまだ気をつけなくてはなりません。

空気が読めない


気の置けない間柄の人としか会わないことが理想ですが、人と関わって生活しているとそうもいきません。

また、私の夫のように「言った以上のことは思っていない」という人ばかりでもありません。コミュニケーション上の非言語部分を気にしすぎてしまう私ですが、どちらかと言えば空気の読めない人間です。

そもそも本当に空気が読めていれば、人の表情やしぐさに振り回されて誤った独自の解釈をすることはないと思うので、これは意外なことでもないかもしれません。

子どもの頃から空気が読めず、その場にそぐわない言動をしてしまうことが多くありました。大人になってからも周囲の人たちからはおそらく「本当にこの人は気が利かないなあ」と思われているのではないでしょうか。

そのため、今でも目上の人との食事、冠婚葬祭、親戚の集まりにはとても苦手意識があり、できるだけ自分の気配を消すことに徹しています。

どれだけに事前準備として書籍やインターネットでマナーを調べ倒しても、目上の人が笑顔で「いいよ、いいよー(本当はよくない)」「大丈夫だよー(実は大丈夫じゃない)」とおっしゃる可能性があるため、できるだけ自分の存在を気にされないようにしたいのです。

発言者だけでなく、周囲の人の表情も見に行かなければならないとなると、勝手に表情読み取りすぎる問題を抱えた私としてはもうキャパオーバー。

自分の知らない関係性も考慮する必要があったりと、本当に人間関係は難しい。普段よりも空気を読む必要のある場面で私が取っている対策はこの二つ。

  • 空気を読まざるを得ない場面ではなるべく存在感を消して、自分自身が空気になるようにする
  • どんなに些細なマナーも事前に入念に調べてその通りにすることで、少しでもリスクを減らす

「もっと本質的な解決策はないものか」と考えていますが、なかなか難しいです。

まとめ

明文化されていないルール、言葉にされていない指示が分からないだけでなく、言外のことを考えすぎてしまうという意味でも、私は「非言語メッセージを読み取ることが苦手」と言えそうです。

私自身のノンバーバルコミュニケーションに違和感があると指摘されたことはありませんが、人の言外の思いにはなかなか気付くことができず、結果として言動が不審になってしまいます。

なんとか克服したいとは思いますが、歳をとるにつれてマシになってきているとも感じるので、今はこれで良いのだ、と開き直っている節もあります。

結局、この問題も経験で解決するしかないのかもしれません。

1991年生まれ。下町暮らしのフリーライター・イラストレーター。出産後ADHDの診断を受ける。様々な立場の生きづらさを考えていきたい人。

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