障害と難病を持って、働く上で大切なこと
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2023.2.24
難病及び疾患、あるいは障害などを抱えて働かれている方は多いと思います。
筆者も下垂体機能低下症、広汎性発達障害を有しながら、障害者雇用で就労しています。
当記事では、そんな筆者が「疾患を抱えながらどの様に継続して就労するか」にポイントを絞って、その極意を精査しながらお伝えしたいと思います。
執筆:ゆづパン
病気はあるけど、やる気もある
筆者は、先にも述べましたが、難病の下垂体機能低下症と広汎性発達障害(以下、PDD)を有する38歳の女性です。
難病疾患が判明したのは36歳の時。かなり最近の出来事でした。
病気が分かるまでは、朝起きるのが辛く一日元気がない…そしてだるくて仕方なく、中々就労に定着できませんでした。
働きたいというやる気ばかり空回りし、体調はついて来てくれない状態が36年間デフォルトの状態でした。
常態化した体調不良に何も疑念を抱かず生きていましたが、その歳になっても身長が伸びたり、周囲の36歳と比べた時にあまりにもスタミナがないという点で、ようやく自分が一般的ではないことに気がついて脳神経外科を受診しました。
そこから、大きな病院で負荷検査を受けるなどして、自分の正しい病気が分かり、投薬で一定の体調を得ることができたのです。
PDDで苦難を極めていたと思っていましたが、純粋にフィジカルの苦しさのウエイトが大きく、投薬を始めたら精神の症状は落ち着きました。
そこでタイミングのいいことに、以前から登録していた障害者専門のアウトソーシングの担当エージェント様から、現在の勤め先(障害者枠)を紹介して頂き、無事就職できたのでした。
病気があっても、健常者と働く時は基本同じ立ち位置で臨む
就労して最初にやった業務が、在宅でのWeb漫画でした。
私は元々職業画家でもあり、絵心はそれなりにあると自負していたもので、とても楽しく臨ませて頂きました。
早いと、1週間に20ページ近く上げることもあり、自分でも超特急だったと思います。働けることが嬉しくてならなかったのです。
そんな私が心がけたことは、時間の使い方の采配でした。
投薬してはいましたが、やはり不調な時もありますので、上手く時間をやりくりしながら『休む』と『為す』をオンオフのようにメリハリを付けて、週イチで漫画1話分とリミットを決めて上げていきました。
この点では、一般の雇用よりかなりの厚い配慮と、自分の完璧に近いタスク管理が物を言ったなと思いました。
タスク管理を徹底し、自分の進行速度や体調の変化をよく認知しておくことは大切です。これは、障害・病気のあるなしに関係なく、 働く上でかなり基本的な動作だと思います。
他は、なるべく上司の方とよくコミュニケーションを図っておくこと。信頼関係は、何かトラブルが起きたときのリスクを軽減することに繋がります。
以上のことは、障害の有無以上に、人として働くためにとても大事なことだと、私が普段から訓戒のように頭に抱いている言葉です。
病気があるからできない、病気があるから無理。
と言う言葉は、私は合ってるとも思いますが、別の角度・別の切り口から見るとまた、合ってないとも思っています。
要は、何事もやり方です。
正面から挑んで駄目なら、後ろに回り込む的な、何らかの別のアプローチを常に考え、一つの手が駄目だから全てが駄目というバイアスを持たないことが、人生も就労も軽快に乗り越えるポイントだと思います。
最後は感謝の気持ちが大切
長く、前章を記しましたが、一番大切なのは「感謝する」という気持ちを辛い時や苦しい時こそ忘れないということです。
私の場合は苦境に陥ると、「一人で生きている」という気持ちになり心の狭窄化が始まって、どんどん退路を断って行き詰まってしまいました。
ですが、そんな時でも私達は一人ではない、自分だけで生きているのではない、ということを再認識するのです。
すると、色んな所に灯火は散見していて、掴む勇気もわきます。
感謝の心を強く深く持ち、『ありがとう』という言葉を忘れなければ、誰かが助けてくれることが殆どです。
働くということは、繋がりや日々の行いに感謝することの集大成で成り立っていると思います。
働いている方も、就労を願う方も、諸氏の身近な人達の支えに感謝しつつ、前を向いて色んなことに接して欲しいです。
そうすれば、必ず今日より楽しい明日が待っているはずです。