HSPでうつの私の症状は五月病と似ている?だからこそ伝えられるかもしれない予防と対策のヒント
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2023.4.29
今回は「病みやすい私」という観点から「五月病はどんな人がなりやすいのか」を調べた上で、「病みやすい私がされると嬉しいこと」、「五月病以外の人に知っておいてほしいこと」などを書こうと思う。
執筆:月尾 いる
はじめに
「何もしたくない」「人と会いたくない」「学校や会社に行きたくない」といった症状がゴールデンウィーク明けくらいから現れる状態を五月病と呼ぶ。
五月病でない人から見ると「ゴールデンウィークで休んだはずなのに、甘えじゃないの?」とモヤッとすることもあるだろうが、五月病患者の中には強い不安や焦燥感に見舞われる場合や、眠れなかったり食欲が落ちたりするケースも多いそうだ。
私自身も五月病についての知識はなかったが、医学的には「うつ」や「適応障害」と呼ばれていること、HSP気質の人も注意した方がいいということなどを知って他人事ではないと気づかされた。
そこで今回は「病みやすい私」という観点から「五月病はどんな人がなりやすいのか」を調べた上で、「病みやすい私がされると嬉しいこと」、「五月病以外の人に知っておいてほしいこと」などを書こうと思う。
五月病はどんな人がなりやすい?
図はExcelで私が作成いたしました(引用ではありません)
3〜5月にかけては環境の変化が著しい人も多いだろう。
「新しい職場や学校に馴染めない」「職場や学校が理想と違った」という不安や悩みから自律神経のバランスが崩れて五月病を発症するケースが多いそうだ。また、真面目で完璧主義だったり責任感が強かったり他人へ気を遣いすぎたりする人ほど五月病に罹患しやすいとも言われている。
当初は「立派で優しい人しか罹らない病気なら私は大丈夫なのでは…」と考えていたのだが、悪く言えば真面目で完璧主義な人は融通が効かないとも言うし、責任感が強い人ほどうまくストレス発散ができない場合が多いし、他人へ気を遣いすぎる人は「気にしぃ」かもしれない。
「融通が効かない」「ストレス発散が下手」「気にしぃ」
私の自己紹介かよ! というツッコミはさておき、私も五月病予備軍に他ならないのだと自覚した。
頼れる人がいると安心できる
病みやすい私にとっては、事前に相談できる場所がわかっているだけでも気が楽になる。五月病の方々も同じかもしれない。
今の職場では月末に月報を提出するときに面談の申請も同時にできる。必要であれば上長が相談に乗ってくれるし、学生時代はスクールカウンセラーにお世話になったこともある。もちろん相性はあるが、「頼れる人がいる」と事前に認識するだけでも、ずいぶんと心の状態が違うものだと感じた。
しかし、「頼れる人」が1人に集中するのは双方にとってよくないとも感じるので、私は複数の人が支えてくれる環境の方がより安心できる。たとえば、仕事関係だったら上司や産業医、学校関係だったらスクールカウンセラー、プライベートだったら家族や友人、行政や民間機関なども当てはまるのではないだろうか。
五月病以外の方へ
五月病と聞くと、一時的なものだと感じるかもしれない。ほとんどの場合は、少し調子が悪くなったり、落ち込んだりしても、また少しずつ浮上していくはずだ。ただ、中には深刻なケースが隠れていることもあるかもしれない。
毎年3〜5月は自殺者が増えるそうで、「厚生労働省自殺対策推進室 警察庁生活安全局生活安全企画課」が公表した資料によると、令和4年の中で自殺者が最も多かった月は5月だそうだ。
「頼れる人がいると安心できる」と書いたが、周りに頼れる人がなかなかいない人もいると思う。そういった場合に、誰でも相談できる先があると知っておくのは身を守ってくれる。
現代では心療内科やカウンセリングルーム・いのちの電話・役所の精神福祉相談などつらくなってしまった人が相談できる先がたくさんある。
また、疲労が溜まったり、しんどくなってしまったりするのは、何も五月病の当事者だけではないはずだ。その周囲の人達も、支えることがつらくなってしまう場合もある。
私は、精神疾患への受け皿は当事者だけのものではないと考えている。共倒れにならないためにも「接する側も第三者に頼っていいんだ」という事実を知っておいてほしい。
違和感に気づいてくれるだけでも嬉しい
高校時代、不登校だった時期がある。
学校に行けなくなる少し前の放課後、偶然廊下ですれ違った先生に「お前大丈夫か!?」と声をかけられた。
「大丈夫です。」
当時は咄嗟に作り笑いを浮かべて答えるしかなかったけれど、内心とても驚いた。その先生が担任になったことは一度もなかったし授業でも全く接点がなかったからだ。
「そもそも、ろくに会話すらしたことがなかったのに、一体どこで私の異変に気づいたのだろう」と、不思議だ。顔も名前も思い出せないけれど、私の様子を気にかけてくれたことには今でも感謝しているし、一瞬だけ心が軽くなった感覚を覚えている。
五月病に限った話ではないが、みなさんも苦しいときにだれかの優しさが身に沁みたという経験はあるだろう。負担にならない範囲で構わないので、心に余裕のあるときは辛そうな人を気にかけてあげてほしい。