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発達障害者が本音で語る「仕事で挑戦したいこと」

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2023.5.9

こんにちは、ゆめみがちです。今回はADHDと自閉症スペクトラムをもつ30歳の私がやりたいと思っている仕事についてお話ししていこうと思います。

執筆:ゆめみがち

こんにちは、ゆめみがちです。私はADHDと自閉症スペクトラムをもつ30歳です。

20歳のときに体調を崩し大学を中退してから28歳まで引きこもり、そこから「推しのライブに行きたい!」と一念発起し、働くようになったものの、発達障害が原因でうまくいかず、トラブルを起こしてクビになってしまいました。

現在は在宅でライター業や動画編集などを細々とやっていて「もっとお仕事したいな」という状態です。

しかし、発達障害があり、障害者手帳2級を持っている私にとっては、できる仕事は限られています。

「興味のない業務はやる気が出ない」「お金の計算は不注意が多く毎回のように誤差を出す」「コミュニケーション障害で会話が通じない」「車の運転免許はあるけど仕事にするのは不安」「肉体労働は身体が弱く続かない」

これが私です。

「おまえには何ができるんだ!?」「やる気ある?」というレベルですが、実際これらは今まで仕事をしてみてわかったことです。

このように発達障害による苦手なこと、そして私という人間の特性を理由に、仕事を何度もクビになっているので、正直、仕事に対してネガティブな感情もあります。

しかし、「やりたい仕事がない」と嘆いているわけでは決してありません。今後やりたいことややりたい仕事はたくさんあります。

今回は、発達障害者の私がやりたいと思っている仕事についてお話ししていこうと思います。

地方でのASD、ADHDの当事者としての発信


私は地方の田舎町に住んでます。田舎なことは田舎ですが、住んでいる地域は焼き物で有名な町でもあったり、車を少し走らせると港町もあったり、観光客も多いです。

最近では地方創生の流れもあり、おしゃれなカフェもたくさんできてすごく素敵な場所だと誇っています。

しかし、発達障害者の居場所はあまりないと感じています。

近所の薬局ではADHDの薬がありませんし(在庫に関しては仕方ないのですが)耳鼻科で花粉症の薬をもらうときに「他になにか飲んでる薬ある?」と聞かれて、「発達障害の薬を飲んでいます」と言ったら院内に妙な緊張が走りました。

鈍感な私でさえ張り詰めた異様な空気を感じたので、あれはなかなかピリッとしたのだと思います。なぜ、ピリッとするんだろう。

そもそも、「大人の発達障害は一定数いる」という認識がまだまだ浸透していないのかもしれません。

これは私の地元がたまたま大人の発達障害の理解が進んでいないというだけではなく、「地方ではまだ大人の発達障害に対する理解やサポート、居場所があまりないのだろうな。」と感じています。東京や大阪などの都市部では発達障害者が集まるようなバーなどのイベントがあり、盛り上がっていると聞くのに。

お世話になっている社会福祉関連の方も、地方やさらに小さな市町村となるとなかなか発信が難しいとおっしゃっていました。

大人の発達障害を持ちながら困っている人は住む場所に関係なく、たくさんいるはず。私も大人になってから発達障害の診断を受けましたが、子供の頃から発達障害者特有の困りごとをたくさん経験していました。

あのときサポートがあれば、サポートはなくとも発達障害という概念さえ知っていればな、なんてたらればは未だに止まりません。

そして私自身が何かを変えられるわけではないかもしれませんが(ときには行政の方と連携をとりながら)当事者として発達障害について、もっと地元で何か発信していけたらと思っています。

シナリオライター業に力を入れたい


元々、ADHDによる空想癖のせいなのか頭の中で物語を考えることばかりしていました。

ADHD用の薬を飲んでも特に治らなかったので「これは仕事にしよう」と思い、シナリオを書き始めました。いわば、空想癖の対処療法の一部だったのですが、思いのほかハマっています。

去年の夏からシナリオの学校にオンラインで通っていますが、まあ、楽しくて仕方ない。

「シナリオを書くこと自体、自分に向いているのかなあ?」とわからないままお試し基礎講座に入りましたが、今は本格的に習って、毎週200文字✖️20枚の原稿を月4本ほど出しています。まだまだ甘ちゃんですし、「ストーリー書けなくてしんどい!」ですが、それも含めて楽しめています。

web小説サイトのコンテストで予選は通ったものの、最終選考には選ばれず悔しくて「なんでよお!」と喚いたり、通っている教室のシナリオ習作集に掲載されたときには嬉しくて舞い上がったり。

知り合いに「シナリオ習作集に載ったんだよねえ…え、読みたい?」と口を尖らせながら褒めてほしいと言わんばかりのクソダサいムーブをとっています。(そんなやつシナリオライターとして売れるか〜い、きっしょ!)

自分自身にドン引きしながら、そのダサい行動をダサ人間の描写として脚本用にメモするくらい、シナリオ制作に夢中です。

自分の世界を物語として表して、それを「面白い」と言ってくれる人がいるのが嬉しいです。日々を生きるのが大変な人たちにとっての、ちょっとした癒しや楽しみになるような物語を届けられるシナリオライターになれたら最高に嬉しいだろうなと思います。

いろいろなところで、仕事すること


この「いろいろなところ」というのには「単純に作業をする場所」と、「様々な業種や業務」という二つの意味があります。

まず、単純に作業をする場所的な意味について。ここ一年はありがたいことに在宅での作業が多かったのですが、その分引きこもってしまいました。

「家でできるから」「自分にとっては作業が難しくて時間がかかる、出歩く時間も勿体無いから」と何日も家から出ないなんてこともありました。これは結果的に作業効率が下がりました。地元の近所にもシェアオフィスがあるらしいので、たまにはお散歩をしながらいろんな場所で作業しようと思いました。

ただ、推しのライブのためにカプセルホテルに泊まったときは、シェアスペースで作業&リモート打ち合わせする、なんてノマドワーカー的なことをやりました。単純に締め切りがやばいが故の行動だったのですが、「どこでも仕事ができるっていいな」と思いました。

もっとお仕事を頑張ってホテルに連泊できるようになったら、「ホテルを東京の第2の家!」みたいにして、二拠点生活をすることも目標です。東京だとシナリオの舞台にしたいところもたくさんあって、ぐるぐる取材できるからいいな〜なんて思ったり。

そして、もう一つの様々な業種や業務の意味での「いろいろなところ」。これには、まだやったことのないお仕事を体験もしくは取材したい、ということが含まれています。これは単純に、自分がいろんな世界に触れたいからです。

シナリオを書く上でなんでも経験したいなという、良く言えば好奇心旺盛、悪く言えば野次馬ミーハー精神もあります。

私は発達障害だとわかってから「意外と向いているな」と発見できた職場、仕事が、まだまだ少ないです。「ミスが多くてこの業務は出来ない」「この職場の方とは意思疎通ができずご迷惑かけるから長く勤められないな」という発見ばっかりです。悲しいかな。

しかし、見様見真似でマーケティング解析をしていたら「意外と消費者の動向を見るのが好きだなあ」と気づいたり、別の仕事では「画像を作るグラフィックな仕事も好きだなあ」と気づいたりしました。

他の人たちからは「あなたは作業スピードは遅いけど、仕事自体はとても丁寧だからスピードを求められないカフェとかなら向いてるんじゃない!?」なんて言われることもあります。そんなカフェがあるのかしら?紅茶やコーヒーは好きなのでぜひ見つけてみたいです。

「1番好きな仕事はシナリオを書くことだろうなあ」とは思うのですが、「意外とこういう仕事、職場、スキ!」という発見を、もっとしていきたいです。

「自分がしたいこと、好きなことを仕事にする」ということに挑戦し続ける

たくさん描きましたが、結局はこれです。

最近、シナリオコンクールに受賞された方が「このコンクールで受賞するまで、全然コンクールに通らなくてしんどかった。でも、やめなくてよかった。皆さんにはとにかく、書き続けてほしい、それだけです。」と言っていました。

「本当にそれだな!」と思いました。

シナリオを書いていると、「これが1番面白い!」と提出したものでも、後から「うわ、こういう風にすればよかった」と、後悔が出てきます。

それをフィードバックで指摘されて「もう、わかってるわーい!」となったり、自分では気づかなかったことも指摘いただいて「oh…ごもっとも…アイアム未熟!」と凹んだり。

シナリオに限らず、絵でも、動画でも、企画書でも、なんでもその繰り返しです。「なんつー駄作を出してしまったんだ」としんどくなりますが、そうやってちょっとずつレベルアップしていくしかないんですよね。

そもそも「完成させて出す」を繰り返さなければ、自分の良いところも悪いところも気づけません。

それから、もう1つ。途中で辞めてしまっては「諦めた人」と心ない人から非難されることもあります。人間にはそれぞれ理由はあるし、どうしようもない事情ってもんはあります。

私は過去に発達障害が原因(その時は体調不良で寝たきりになってしまった)で目指すのを辞めた職業もたくさんあるのですが、そのことを話すと「負け組だ」とか散々言われたことがありました。

私もまたこうやって好きなことを仕事にしたい、と言えるのは、実家暮らしなどの学べる環境、挑戦できる環境があって恵まれているからなのに。

世の中は私にとって厳しいなと思います。「自立して生きていかなきゃいけないから、好きなことに執着するな」という風潮でありながら「夢を諦めてもったいない」「何もかも諦めた、ダメだった人」とレッテルを貼ってくる人は案外たくさんいます。

もちろんその場の冗談やいじりかもしれないのですが、傷つきます。

だから、今後しんどくなったらペースをゆっくりにするとか、無期限のお休みにするとか、続け方はなんでもいいはずです。とにかく「好きなことを仕事にする、そのスタンスを辞めない」ということだけは貫こうと思っています。

身体性表現障害で8年の無職ひきこもりから、推し活のおかげで社会復帰に成功。しかし会社に就職するもクビになり、直後にADHDとASDスペクトラムが発覚した。現在は自身の発達障害に向き合いながら、推し活の素晴らしさを様々な角度から発信している。

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