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病気を抱えて生きること、働くこと。

~そして、B型事業所での在宅勤務体験から学んだこと。

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2023.5.17

病気の身体を抱えて、生きていくということ。生きるためにはお金が必要で、お金のためには働かなくてはいけません。

十分な生活を送るためには働かなくてはいけないけれど、身体との折り合いもつけていかなくてはいけない。今日は、病気の身体と生活の折り合いのつけ方についてお話しようと思います。

執筆:xu

まず前提として、わたしはフリーランスのライターからB型事業所を利用することになった、という経緯があります。
詳細は下記の記事から確認できます。


ー *B型事業所に通所するまでのお話


ー *B型事業所に通い始めてからのお話

生活の安定を図るために……と利用を始めて約1年。工賃が目標金額に達する月もあるなど安定はしていましたが、それと反比例して事業所の体制にいささか疑問を覚える場面が多くなってきました。

立ち上げたばかりの事業所で実店舗はまだ工事中。体制や環境が整っていないのは承知の上でしたが、その中でもできることはあったはず。ですが、お互いの認識のズレが溝を作っていくのも時間の問題でした。

先述した記事にもありましたが、やはり現場との乖離や報連相の面での問題が常につきものでした。
面談の際にその旨をしつこいぐらいにお伝えしましたが、改善されるようなことはなく……。

利用予定を出しているのに朝礼がない、連絡しても返信がない。成果物に対してのフィードバックもなく、現場で何が起こっているのかもわからない。
まるでいないもののように扱われることに、だんだんと心が蝕まれていくような心地がしていました。


もちろん現場も人が足りておらず、手が回っていないのは承知の上です。そのため、実際に在宅勤務者の対応をわたしがすると申し出たことがあり、業務改善についてもプレゼンシートをお渡ししたこともありました。

アルバイトとしてステップアップする話も上がりましたが、そちらも一向に進むことはなく……。


何もかも手つかずな中で色々なことに手を広げ、在宅勤務者も次々と受け入れて……と部外者であるわたしから見てもそりゃ手が回らないよな、と思わざるを得ないような状況でした。

それでも、与えられた仕事をこなして時間通りに働けば工賃はいただける。アルバイトになるならもう少し状況は変わるだろう、と楽観的に捉えるようにしていました。

B型事業所を利用し始めてから半年以上が過ぎたころ。

スタッフの報連相やフィードバックは依然改善されないまま、むしろ放置がひどくなったように感じていました。
事業所の方針もいつの間にか変わっており、わたしのやりたいことから少しずつ離れていくように感じていたさなかのこと。


席を頻繁に立たないといけないほどの下痢が続き、ほとんど食事を摂れないほどになってしまいました。
そして、ある日立てなくなるほどのめまいに見舞われ救急外来にかかったことから、身体には予想以上のストレスがかかっており、もう身体は限界なのだと察しました。


そこから連休に入ったので療養していたのですが、やはり休み明けになるとぶり返します。
ここでふと、わたしは考えました。

一年以上音沙汰のなかった新店舗の件がつい最近になって知らされて、現場の人たちは内装工事に駆り出されることから、ますます在宅利用者の対応がおざなりになるのではないか。

受給者証の更新時期でもあるし、辞めるならこのタイミングではないか。相談員の方から話し合いの余地はあると言われましたが、もう身体の拒否反応が強くどのみち続けていくのは不可能だと感じました。


「しばらくおやすみをいただきます」


その文章を送った瞬間、今まで重く痛みが強かった身体がすっと軽くなっていくのを感じました。

誰からも必要とされていないような閉塞感から解放され、”わたし”を取り戻した瞬間でした。

まとめ

安定を選んでB型事業所を選んだけれど、身体は追い付かなかった、というお話でした。

今回に関しては、わたしと事業所の相性が悪かっただけかもしれませんが、わたしが組織に所属するという形が向いてないと再確認する良い機会になったと実感しています。

放置されるのと、個々で作業するのは違う。現場と在宅勤務の乖離や、報連相の難しさに悩んだ1年でした。

必ずしも病気や障害だからフリーランスが向いているとは限りませんし、わたし自身最適解ではないと思っています。経理も苦手ですし、自分を売り込む営業も苦手ですので……。

フリーランスも楽ではありません。いつでも案件やお金に関する不安は付きまとっています。(インボイス制度の件もありますし……)

ですが、フリーランスという形が自分に一番合っているのかもしれないな、と感じましたので、これからもぼちぼちゆるく、身体と向き合いながら生きていきたいと思います。

Text by
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1998年生まれ。17歳の時に全身性エリテマトーデスを発症、22歳の時に線維筋痛症を併発した。高校卒業後は広告代理店でライターとして勤務し、その後フリーのライターとして独立。
趣味はゲームをすること。noteではコラム未満の病気の話やエッセイなどを執筆している。

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