私と、SLEと、線維筋痛症。~今も私を苦しめる痛みの正体~
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2023.5.29
わたしがSLE(全身性エリテマトーデス)を発症したのは17歳の時。
3度の悪化を経て、現在はステロイド4㎎と免疫抑制剤2種類・プラケニルの処方で症状はなんとか落ち着いていますが、現在も痛みはまだ続いています。
取り除かれることのない痛みの正体は、線維筋痛症という病気でした。
執筆:xu
3回目にSLEが再燃し、それから順調に減薬をしてSLEはほぼ落ち着いただろう、と主治医が言う中、わたしは大きな疑問を抱えていました。
この身体の痛みや怠さ、めまいの正体はなんだろう、と。
検査上では、SLEとしての症状は落ち着いているはずなのに、全く痛みや怠さが取り切れないのです。
主治医もわたしの訴えに首を傾げながら、検査上では異常がないから、と痛み止めで紛らわすことになりました。
それでも通院の度にわたしの口から出る言葉は、あそこが痛い、ここが痛いという痛みを訴えるものと、めまいを訴えるもの。
わたしも主治医も途方に暮れていましたが、ふと主治医が「ちょっと身体を数か所押すね、失礼するね」と言って順番にある箇所をかなりの指圧で押し始めました。
ここはどう?ここは痛い?と聞きながら、全身のあるポイントを順番に押していく主治医。
そのポイントは、激痛が走るところがほとんどでした。
一通りポイントを押し終えた主治医は腕を組み、「確定ではないけれど」と前置きをした上でこう続けます。
「今押したところは圧痛点と呼ばれるところで、一定数痛む場合は”線維筋痛症”という病気が疑われる。xuさんの場合、それかもしれないね」
また、あの時と同じ感覚がしたことを覚えています。
病名がついた、という安心感と共に、病気が増えてしまった、という絶望感。
その日から、わたしの身体に、もう1人の病気が同居することになりました。
線維筋痛症の原因は、未だに解明されていません。
研究によると、脳の痛みを検知する神経に炎症が発生している可能性が高い、とされていますが、確立された条件ではありません。
いずれにしても、痛みを感じる神経がずっとアクセルを踏み続け、痛みを継続的に感じさせているという状態が線維筋痛症と呼ばれているようです。
線維筋痛症はSLEなどの病気と併発しやすいとされています。そのため、わたしは併発してしまったのかな……と考えています。
線維筋痛症の痛みはわたしの場合、SLEのように鈍痛や強い痛みもありますが、ガラスの破片が身体の中を流れるような、ひんやりとした痛みを感じることがほとんどです。
また、気圧低下や気圧上昇、季節の変わり目や生理前など、さまざまな要因によっても痛みの強さや体調の悪さが変動します。自律神経系も関係あるのかな……と最近感じるようになりました。(あくまでわたし自身の話です)
治療法は薬による対症療法がとられます。一般的にはトラムセットやサインバルタを使用しますが、わたしは副作用があることからこれらの薬が服用できません。
そのため、リリカやカロナールなどの痛み止めで症状をやわらげています。
とはいうものの、リリカもわたしにとっては副作用が強く、最低容量しか服用できないため、痛みとは常に闘い続けているのが現状です。
また、運動療法なども良いとされており、わたしはヨガを(きまぐれに)おこなったりしています。
思い返せば、線維筋痛症の予兆は既に、2回目の再燃の時からあったように感じます。
線維筋痛症と診断された後、ステロイドをマックス服用しているのにも関わらず、脇腹の痛みが取れなくて眠れない日々を送ったことを思い出しました。
めまいもひどく、わたしはこのまま寝たきりになってしまうのではないか、という不安が常に付きまとっていました。
その時も髄液検査や神経系の検査もおこないましたが、異常はないためリリカを用いての治療になりました。その後に線維筋痛症だと診断されましたが、線維筋痛症にはリリカを用いて治療をおこなうため、特に大きく治療方法は変わりません。
今思うと、激務だった仕事のストレスや長引く入院のストレスで、知らずのうちに心は限界を迎えてしまったのかもしれません。
ゆるく生きよう、自分に優しく生きよう、と改めて強く思うようになりました。
まとめ
わたしの身体にいる、SLEと線維筋痛症。
やはり日々困ることは体調の変動が激しいこと、そして大体毎日痛みや怠さが付きまとっているということです。
身体が辛いというのもありますが、体調によってはやむを得ず予定を変更せざるを得ない場合もあるので、周りに迷惑をかけてしまうことが辛いというのも本音です。
それでも、なるべく自分軸で生きること。無理をせずに生きること。仕事もなかなか普通の人のようにはできませんが、自分のできる範囲で働いていけたらな、と考えています。
また、周りからはわかりづらい病気ではありますが、こうして発信することで1人でも多くの方に病気の実態を知っていただけたらな、と思います。