PARA CHANNEL Cage

フリーランスと会社員ならどっちがおすすめ?ASDの私が両方経験した上で選んだのは…

1 1

2023.5.27

フリーランスと会社員はどちらがいいのだろうか? と疑問を持つ方もいらっしゃるはず。今回は、ASDで過集中傾向がある私が実際に経験してみて感じた両者のメリットやデメリット、選ぶ際の注意点などをお話ししようと思う。

執筆:月尾 いる

現在私は企業に所属してライターの仕事をしている。2022年の3月に、フリーランスのWEBライターから企業勤めのWEBライターになった。

フリーランスと会社員はどちらがいいのだろうか? と疑問を持つ方もいらっしゃるはず。今回は、ASDで過集中傾向がある私が実際に経験してみて感じた両者のメリットやデメリット、選ぶ際の注意点などをお話ししようと思う。

なぜ、WEBライターになったのか?

私がWEBライターの仕事を始めたのは2020年の6月のことだ。

コロナが猛威を振るっているところに私の体調不良も重なって「家から一歩も出たくない」と嘆いていたときに、在宅でできるWEBライティングの存在を知ったことがきっかけだった。

フリーランスのWEBライターというとクラウドソーシング系のサイトを利用することを思い浮かべる方も多いかもしれない。仕事を頼みたい企業と、仕事をしたいライターの間に企業が入ってくれる形だ。

ただ、私はライターを募集していた企業と請負契約を結ぶ形で仕事を受注していた。

仕事内容としては、集客に関するブログ記事やキュレーションサイトでAmazonや楽天などの商品を紹介する記事などを書いていたが、どちらも長くは続かなかった。その後、某企業に今度は会社員(在宅ライター)として採用されて現在に至っている。

「フリーランス」と「会社員」働き方はどっちがいいの?


フリーランスと企業勤めという二つの働き方を経験したが、私は企業に所属して働く方が向いていると感じる。

フリーランスの時は時間や曜日を問わず、自分のパソコンやスマホに執筆依頼や修正依頼の連絡が届いていたため、「すぐに読まないといけない」という強迫観念や、「すぐに取り掛からねばならない」とプレッシャーに押しつぶされがちだった。また、夜遅くに作業をしてしまうとその後寝付けず、疲労が取れないことも多かった。

私の性格とフリーランスの働き方の相性が悪かったのもあるが、仕事とプライベートの境界線が曖昧だったのも続かなかった一因かもしれない。

一方、今の会社は貸与パソコンが支給されているため、基本的に自分のスマホやパソコンからは会社のチャットやメールにログインすることはない。つまり、退勤後は仕事関連の情報を完全にシャットアウトできるのだ。また、「退勤後は速やかにパソコンの電源を切って仕事を終えてください」と上長がおっしゃったので気持ちにも余裕が持てている。

それぞれの働き方のメリット・デメリット

フリーランスと会社員をどちらも経験した私が個人的に感じたそれぞれのメリット・デメリットを以下の表にまとめてみた。


フリーランスという働き方全般ということで「フリーランサー」という言葉で表にはまとめたが、メリットとして挙げた「自分で働く時間や業務量を調節できる」「優秀な人は会社員よりも稼げる場合がある」「比較的自分のペースで仕事ができる場合が多い」は、よくも悪くも自分次第な部分が大きいということだ。

それをメリットととるか、デメリットととるかは人によると思う。私の場合は、その自由度の高さが自分を苦しめてしまうことにつながった。

会社員のメリットとして挙げた「勤務時間が決まっているのでプライベートと仕事の切り替えがしやすい」「収入が安定しやすい」「企業によっては有給が取得できたり福利厚生制度を利用できる」は、会社によってある程度の枠が決まっているということだ。

私は会社が決めてくれる部分があって安心できたが、もっと自分の力を発揮したい人には物足りないかもしれない。

誤解していただきたくないのだが、私に合わなかっただけで決して否定しているわけではない。私と同じASDで過集中がある方の中にも、フリーランスが合っている方もいらっしゃるようだ。会社員だと労働時間中全力で働いてしまい、その後燃え尽きてしまうが、自分で時間配分ができるので、自分の状態をコントロールしやすいという意見もある。

「ASD」「過集中」といったカテゴリだけではなく、自分の性格や特性も考慮した上で働き方を選ぶことが大切なのかもしれない。どんな環境だと働きやすいのかは人によってちがうはず。この表が迷われている方の参考になれば幸いだ。

どんな働き方でも信頼関係が大切


会社員、フリーランサー、オフィスワーカー、在宅ワーカーなど、現代の働き方は多種多様で自分の性格や特性に合った働き方を選ぶことが可能になった。しかし、どのような雇用形態でも「仕事を1人でやっている」という意識を持ってはいけないと感じる経験があった。

フリーライター時代にクライアントから、「途中で連絡がつかなくなったライターの代わりに仕事を引き継いでほしい」と連絡を受けたことがあった。「なぜ、私に依頼してくれたんだろう?」と驚くと同時に、切羽詰まっていそうな原稿を託してもらえたことが嬉しかった。

私はお世辞にも執筆スピードも速いとは言えないし、文章力にも自信が持てない。それでも、クライエントとの連絡は密に取るように心がけていた。もし、そのやり取りのおかげで「この人なら放棄はしないだろう」と信頼してもらえたのだとしたらすごく嬉しいな、と感じた。誠実な対応を続けてきたことが報われたように感じた。

今でも、私は仕事になかなか自信を持つことができないけれど、だからこそこういった基本的なことをいつまでも忘れないように気をつけようと思う。

愛着障害持ちのASD。愛着障害ゆえ にHSPのような症状が出ることも。Twitter小説大賞、三木露風賞などの受賞経験有り。スピッツが大好き。

このライターが描いた記事

関連記事

障がい者雇用特化型の求人サイト「パラちゃんねる」新規登録受付中!!

マンガで分かる!採用担当者必見、採用前・面接・採用後など場面別のポイント全部解説! ADHD編

マンガで分かる!採用担当者必見、採用前・面接・採用後など場面別のポイント全部解説! 車いす編

マンガで分かる!採用担当者必見、採用前・面接・採用後など場面別のポイント全部解説! ASD編

LINE 公式アカウント友達募集中! ID:parachannel