統合失調症を経験した私の仕事の選び方
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2023.6.2
初めまして。綿まるみと申します。私は統合失調症・てんかんと共存しながら日々を過ごしています。
今回お伝えしたいテーマはタイトルにある通り、「統合失調症を経験した私の仕事の選び方」です。それに先立ち簡単に統合失調症の説明をします。
執筆:綿 まるみ
統合失調症とは、脳の様々な働きをまとめることが難しくなるために、幻覚や妄想などの症状が起こる病気です。
発症の原因は正確にはよくわかっていませんが、統合失調症になりやすい要因をいくつかもっている人が、仕事や人間関係のストレス、就職や結婚など人生の転機で感じる緊張などがきっかけとなり、発症するのではないかと考えられています。
私は二度の統合失調症を経験し、その度仕事を辞めてきました。しかしながら今では、自分のペースでできる仕事に従事し、それなりに充実した生活をおくれています。
今回は自己紹介の代わりに、現在に至るまでの自分を振り返ります。
統合失調症の初発は大学2年生の夏
統合失調症の初発は大学2年生の頃でした。
大学に入りすぐ漫画家になる夢を叶えるために毎日遅くまで漫画を描いていました。また、飲食店でバイトをしたり、サークルにも入ったりと積極的に活動していました。
しかし、おそらく自身を追い込みすぎたことや環境の変化についていけなくなったのでしょう。大学2年生になってすぐに、漫画を描く以外の活動を全て辞めて、さらに漫画へ没頭していきました。
そうすることで2年生の夏頃には、統合失調症を発症していました。しかし幸いなことに、両親が私の異変にすぐ気づき、精神科受診後に服薬を開始。統合失調症の陽性症状である、幻聴や妄想などの症状が早い段階で治まりました。
以上が私が初めて統合失調症になったきっかけと考えています。
一方で結婚後すぐに再発も経験しました。以下に記述します。
統合失調症の再発は働き始めて約2年後
その後体調が安定していたのもあって、大学を出ると同時に結婚し東京へ上京します。
東京での生活は知り合いがほとんどいない状況だったため、空白の時間がすごくつらかった思い出があります。そのような思いから、パートとして学童クラブで働き始めました。
同時期に、愚かなことに統合失調症の服薬を中断し結果的に再発。またしても職場を辞めることになりました。
再発の要因としては、服薬の中断はもちろんのこと、コロナ禍真っ只中であったこと、職場のある同僚に悩まされていたことなど、様々あったように思います。
ここでも幸いなことに夫がすぐに異変に気づいてくれたことで、精神科へ早期入院が実現。その時、服薬管理・継続の重要性を改めて知りました。今では服薬の中断をしようとも思わなくなりました。
以上のように、二度の統合失調症を経験して学んだことを以下に記します。
二度の統合失調症で得た学び3つ
以上の経験から、私は以下の3つをできる限り心に留めています。
- 1.追い込みすぎない
- 2.自分の限界を知る
- 3.嫌な人・事からはすぐ逃げる
初発の統合失調症では、自身の限界を知らず追い込みすぎたことが主な原因と考えています。これからも統合失調症と共存していく上で、1と2は個人的にベースの考えになっています。
また、統合失調症再発時には様々な要因が絡み合っていたとは言え、耐え難い環境にいたことは事実でした。
とは言え、私は自分の感情に鈍感な部分もあるため、まず自分が嫌なポイントを知ることが大事だと学びました。そして、3の嫌な人・事から逃げることも手段の一つだと、頭の片隅に置いています。
二度の統合失調症を経験したことにより、私は3つの学びを得ました。その3つの学びをもとに個人的な仕事選びの基準を述べたいと思います。
私の仕事選びの基準は、自分のペースできること
私は統合失調症になってから、対人関係で問題が起きた時の対処法をほとんど知らないまま、大人になっていたことに気づきました。また、体力や集中力も低下したことから、自分のペースでできる仕事が望ましいと感じるようになりました。
一方で教員免許は持っていたため、子供と関わる仕事に名残惜しさがあったのも事実です。しかし、体力仕事である教育関連の業界は長くは務まらないだろうと考え、家でできる仕事を探しはじめました。その時見つけたのが、完全在宅可能な業務委託のライターという仕事です。
ライターとしての適正はさておき、個人的にはこの仕事は肌に合っていると感じています。忙しい時期もなくはないのですが、仕事量が比較的調整しやすいのは醍醐味かもしれません。
また、基本的にチャットかオンラインミーティングで個別に仕事の対応ができるため、心に少しのゆとりを持ちながら仕事に取り組めることに気づきました。これらは、今後も私の仕事選びの条件になってくるだろうと考えています。
おわりに〜現在の私の就労状況〜
先述の通り、私は現在マイペースにWEBライターという仕事に従事しています。自分のペースでできる仕事は、私の心身にゆとりをもたらしてくれてます。
一方で、やはり忙しい時期や普段の自分と比べて体調が良くない時は、体力も集中力もさらに落ちることがあります。そのような時に早めに仕事量を調整することが、統合失調症との共存のコツなのかもしれません。といっても、私もまだまだ自身の統合失調症の症状ついて把握しきれていない部分もあるかもしれませんが…。
私は二度の統合失調症を経験し、その度職場を辞めてきた経験から自分自身をより知ることができました。
結果的に自分の肌に合う仕事を見つけられて良かったのではないかと思います。
これからは頑張りつつも頑張りすぎないように、また責任を負いつつもつらい時にはいつでも逃げられるように、そんなことを頭の片隅に置きながら今日も仕事に取り組んでいます。