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溺れる感覚と同じ?!コミュニケーションで感じるADHDの感覚って?

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2021.4.27

突然ですが、私は会議中に「ぴーちゃんはこれについてどう思う?」「ぴーちゃんの意見は?」など質問されることが苦手です。ちゃんと話を聞いていたのに、話しているうちに自分の言いたいことがまとまらず混乱してしまい、「この人、ちゃんと話聞いてたのかな?」と思われてしまうことが多々あるからです。
同じような体験をしたことのある発達障害当事者の方は多いのではないでしょうか?
しかしこれは、非当事者の方にはなかなか理解のしづらい特性の1つかもしれません。そこで今回は、コミュニケーションにおけるADHDの感覚や、それを踏まえたコミュニケーションのコツをお話ししていきます!

執筆:ぴーちゃん

コミュニケーションは日常的なマルチタスク

前回の連載では、「ADHD当事者はマルチタスクが苦手」というお話をしました。


冒頭の「突然意見を振られると混乱してしまうという」というのも実は、一種のマルチタスク。

状態としては「話を整理して考える+自分の意見を話す」という2つの行為を同時に行っていることになります。

そもそも、考えをまとめること自体苦手という特性もある中で、「整理しながら」が加わることで、さらに困難さが増します。

私はこの難しさや感覚をADHDではない人に伝えるとき使うたとえがあります。

それは「海や川で強い流れのせいで溺れる感覚」です。

岸(伝えたいこと)にたどり着きたいけど、波や水の流れ(周りの会話や凄まじくめぐる頭の中の思考)のせいでたどり着けず溺れてしまう感覚、イメージがわくでしょうか?

これは、メモが苦手(聞く+情報を読み取って書く)という特性にも同じことが言えると考えています。

では、そんな中でサポート側はどのようにコミュニケーションを取ればいいでしょうか?

not当事者が知っておきたい注意点

会議などで質問や意見を振る際には、事前に「あとで〇〇について聞くから考えておいてね」と考える時間があると、当事者は答えやすくなります。
急かしたりするとパニックになってしまう人もいるので気をつけましょう。

聴覚過敏などで会話に集中できずうまく話せなくなる場合もあるので、なるべく静かな場所でコミュニケーションをとることもオススメです。

また、その場では言葉にすることが難しかったり、とっさに意見が出ずに口ごもったりしたら、少し時間をおいてからメールなどの文章で質問すると、コミュニケーションがしやすくなることもあります。

日々の何気ない会話のキャッチボールすらも苦手と感じている当事者がいます。

そんな感覚をサポート側が知り想像することによってもっと特性について理解が深まりサポートしやすくなったケースもたくさんあります。

今回の記事が、みなさんのコミュニケーションを少しでも円滑にするヒントになれば嬉しいです!

1997年生まれ。Webメディア・パレットーク所属のイラストレーター。主にTwitterでADHDや発達障害について4枚の漫画やイラストでわかりやすく紹介しています。ADHDとうつでサバイブしてきた自叙伝 『ぴーちゃんは人間じゃない?』 書籍発売中
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