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「できること」を価値のあるものにしていく。人材会社が目指す障がい者雇用とは? 株式会社エスプール 人事本部 本部長 米川 幸次さん インタビュー

2021.5.31

『パラちゃんねるカフェ』がお届けする障がい者雇用に取り組む企業インタビュー。今回は、障がいがある方の雇用支援を行う㈱エスプールプラスをはじめ、アウトソーシング事業の力を活かし、シニアや女性、若年層など就業機会の少ない人材への雇用創出を通じて社会課題解決に挑むエスプールグループ 人事本部 本部長の米川幸次さんに障がい者雇用の歩みと取り組みについてお話を伺いました。

執筆:株式会社エスプール

はじめに

企業理念に「アウトソーシングの力で企業変革を支援し、社会課題を解決する」を掲げるエスプールグループは、人材ソリューション事業とビジネスソリューション事業を展開しています。中でも、ビジネスソリューション事業の主力事業であり、障がい者雇用支援サービスを提供する㈱エスプールプラスはご存知の方も多いのではないかと思います。

㈱エスプールプラスでは、主に就職未経験、就職にブランクのある知的障がいや精神障がいのある方を中心に農園での就労を実現し、これまで1900名以上の雇用を創出しています。そのほか、シェアリング型の物流センターやコールセンターなど多岐に渡る業務領域を活用して、未経験・未就労の若者や時間的制約のある女性などにアウトソーシングサービスを通じて柔軟に仕事を提供することで、社会課題の解決を目指しています。

今回は、グループ全体の人事を統括する株式会社エスプール 人事本部 本部長の米川幸次さんに障がい者雇用の現状や採用へのこだわりなど色々とお話を伺いました。

『パラちゃんねるカフェ』がお届けする障がい者雇用に取り組む企業インタビュー。障がい者雇用を推進している企業やこれから働こうとしている障がいのある皆さまに、ぜひ読んでいただければ幸いです。

障がい特性に合わせた多様な働き方を実現する

-エスプールグループは、知的・精神障がいがある方の就農を実現した企業として知られています。エスプールグループとしての障がい者雇用への取り組みについて教えてください。


エスプールグループは人材会社として戦略的・計画的に2つの視点から障がい者雇用に取り組んでいます。1つ目は通勤や就業時間など環境整備や物理的な配慮によって仕事ができる方々の雇用で、適性に合わせたスキルマッチングを重視し健常者と障がいのある方が一緒に働く環境をグループ各社で実現しています。2つ目は障がいの特性に適した雇用環境を新たに構築することで、オフィスワークが難しい方などへの雇用を実現しています。それがエスプールプラスの就農支援になりますが、私たち自身も農園を借りて雇用を実践しています。


-アウトソーシングサービスを活用した障がい者雇用を実現する中で特に健常者と障がいのある方が一緒に働くことにこだわりを持つ米川さん。一見するとスキルマッチングを重視することは障がい種別や障がい度合いなどを限定することに繋がるのではと考えてしまいます。現在はどのような方々が働かれているのでしょうか。


障がい種別は問わず、車いすの方、精神障がいで時短勤務の方やパラアスリートなどさまざまです。業務内容は物流倉庫での梱包や段ボールを潰す作業などの軽作業、コールセンターでの電話対応、データ入力、人事部門での勤怠管理などです。多岐にわたって事業を展開し、グループで経営を行う私たちには、多岐にわたる業務領域が存在するため、障がい種別を限定しなくとも特性に合わせたマッチングを可能にし、適切な業務の選定ができるという特徴があるのです。


証明書発行業務で働く様子


-健常者と障がいのある方が一緒に働く中で無知の偏見や意識のズレを原因とした離職率の増加など課題も挙げられます。人材会社として採用から定着に対する取り組みを教えてください。


偏見というより単に知らないだけだと思います。可哀そうだから一緒に働くのではなく、互いの個性や特性の違いは右利き左利きの違いだけだということを理解して、互いに配慮し合うことが重要だと考えます。そして、グループ各社のトップがその意識をもって文化を醸成していくことが大切だと思います。採用では人事本部がグループ全体の求人ニーズを集約し、業務内容やスキル要件から障がい者雇用の可能性をグループ各社に提案しています。私たちはソーシャルビジネスが基盤にあるため、多様性を受容する組織文化や柔軟性のある人事制度があり、意識の浸透や受入れ体制の整備はスムーズかもしれません。


-採用や合理的配慮における工夫やこだわりはありますか?

「できること」を価値あるものにしていく事は可能であると考えています。私たちは幅広い業務領域を活かし、障がい特性に合わせた業務提供が可能です。そのために合理的配慮は最小限に留めることができ、だからこそ、特性に合わせた業務で価値を出していくことができると思っています。特性に合わせた業務と、特性に合わせた目標設定があることで、本人のモチベーションアップにも繋がります。


エスプールグループが目指す「3.0プロジェクト」とは。

-エスプールグループは現在、法定雇用率2.3%を上回り2.5%を達成しています。さらに2022年までに障がい者雇用率3.0%の達成を目指し「3.0プロジェクト」を立ち上げました。「3.0プロジェクト」の目的や今後の展開について教えてください。


エスプールグループでは創業以来、社会課題の解決に邁進してきました。社会課題が多様化する中で私たちの果たす役割・使命が大きくなっていると考えています。これまでの障がい者雇用に対するノウハウ、S-POOL valueを発揮するために「3.0プロジェクト」を掲げました。今後は、企業規模の拡大に伴い人材採用と定着を強化する専門部署を設立し、グループ各社への障がい者雇用における積極的なプロモーションを実現すると共に「やったことがない」業務での雇用機会の創出や事務センターの立ち上げなどを計画しています。

さいごに

-今回は、アウトソーシングサービスの力で多様な働き方を創出するエスプールグループの障がい者雇用についてお話を伺いました。さいごに今後、社会に出ていく障がいのある方へメッセージをお願いします。

障がいがあることで諦めることが多い人もいると思います。今後は、テクノロジーの発展など外部環境の変化で今まではできなかったものが、できるようになることも多いはずです。難しいかもしれないですが、受け入れられる場所は必ずあると思うので諦めずに堂々と主張や行動を起こしてほしいです。

株式会社エスプール 執行役員 人事本部 本部長 米川幸次さん


取材後記

インタビュー後には、多様性の浸透には固定概念を取り外すことが大切であり、成功体験が変化のきっかけになるとのお話も伺えました。

米川さんは、健常者と障がいのある方が一緒に働くことへのこだわりを人材会社の意地と話されました。

法定雇用率2.3%を達成する企業は未だに50%未満。

法定雇用率ありきの障がい者雇用が少なくない中で、適性に合わせたスキルマッチングによる多様な働き方を社内外で実現するエスプールグループの取り組みは固定概念を取り外すきっかけになるのではないでしょうか。

エスプールグループは、人材派遣・アウトソーシングサービスを軸として7つのソーシャルビジネスを展開しており、未経験・未就労領域、障がい者、女性、シニアなど多様な働き方を社内外で実現する。株式会社エスプールプラスの障がい者雇用支援サービスは知的・精神障がいのある方を中心とした就農を支援している。
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