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大人の発達障害の私が実践している、仕事のストレス解消法

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2021.6.22

ストレスにめっぽう弱い私は、かなり気を付けていないと心身の調子を崩してしまいます。今回は大人の発達障害の当事者で、二次障害でパニック障害も抱えている私が実践している仕事のストレス解消法をご紹介します。

執筆:森本 しおり Morimoto Shiori

仕事でストレスは溜まるもの

みなさん、ストレスをどのように解消していますか。

仕事をしていると、苦手な人にも対応しなければいけなかったり、ちょっとした衝突が起きたりします。その結果、ストレスが溜まってしまうことも。

ストレスを溜めたときに症状が出やすい箇所も人それぞれで、あまり眠れなくなる、お腹をこわしやすい、暴飲暴食をしてしまうなどいろいろあります。

私の場合、ストレスが溜まってしまうと、パニック発作が出てしまいます。正直、困ります。私のように病名がつかない人でも、働く人はみんな多少のストレスを抱えているのではないでしょうか。

今回は大人の発達障害当事者の私が実践しているストレス解消法を3つご紹介します。

ストレス解消法①ストレスに感じる問題を解決する

1つ目は「ストレスに感じる問題を解決する」です。

そもそも私にとってストレスとは、自分の実力よりも背伸びしなければいけないときに、負荷がかかっている状態だと思っています。少しむずかしい課題があるとか、はじめての挑戦をするとか、新しい環境に変わったときなどにストレスを感じます。

「ストレスに感じる問題を解決する」はストレスに対して、真正面から取り組む方法です。その原因を取り除く方法でもあります。

一度、自分の状況を洗い出して、ストレスの原因を特定し、その上で、どうすれば解決できるか計画を立て、実行に移していきます。

この方法がうまくいけばストレスの原因がなくなり、気持ちが楽になる上に、ストレスを自力で解消したという自分の経験値がつきます。

一方、デメリットとしては、原因を取り除くには大変な上に時間もかかること、中には解決しようのない問題を見つけてしまう場合があることです。

ストレス解消法②頑張り続けることに区切りをつける

2つ目は「頑張り続けることに区切りをつける」です。

これはストレス解消法というよりは、仕事への取り組み姿勢に近いかもしれません。また、先ほど挙げた、解決しようのない問題を見つけてしまった場合の対処でもあります。

「今、自分にできるのは、ここまで」と期限を決めて、そこまでは集中して取り組みます。「頑張るとき」と「休むとき」を区切るのです。少し無理をするときもありますが、基本的には「ここまでは頑張れる」という期限まで、細く長く続けます。

「休む」といっても離職や休職ではなく、上司などへ伝えて「負荷を和らげてもらう」といったほうが適切です。

また、これは「ストレスを抱えていても頑張り続けること」だけでなく「ストレスを解消するための取り組み」のどちらにも通ずることです。

1つ目の方法を進めると、ストレスを生み出す原因を見つけ、その解消のために、目標と計画を立てることができますが、簡単に解決できるものであれば、元々そこまで苦労していません。

すぐには解決できない課題もありますし、ストレス解消の施策を長く取り組んでいくためには、休憩や自分のコンディションを整えることも大切です。

「頑張るとき」と「休むとき」を区切ることは、仕事にもストレス解消への施策にも当てはまるので、仕事におけるライフハックとしても使えるかもしれません。

ストレス解消法③諦める、割り切る

3つ目は「諦める」「割り切る」です。

ストレス解消に向けた最後の手段であり、私自身、なんだかんだで一番よく使う方法でもあります。

過去と他人は変えられず、現在(未来)と自分は変えられるといいますが、ストレスの原因を特定しても、自分では解決しようのないこともあります。自分の手の及ばない範囲をいくら気にかけたところで、状況はさほど変わりません。

そんなときには「ストレスを解消したい」と悩むことをやめます。「仕方ない」と妥協したり、「ジタバタしても始まらない」と放っておいたりします。

今、自分が感じているストレスがなくなったとしても、また新しいストレスはやってきます。悪く言えば「堂々巡り」ですし、よく言えば「行動すれば次の現実」です。

また、ストレスを悪いものだと捉えていなければ、そこまで悩まないものかもしれません。ストレス解消を諦めきれないときは、気がすむまで取り組みますが、根本的になくならないことが分かれば、自分でその状態を納得できるので、諦めもつきやすくなります。



ストレスは悪いものではない

繰り返しになりますが、ストレスは自分の実力よりも背伸びしなければいけないときに、負荷がかかっている状態だと私は考えています。緊張感を持って、しんどさに耐えながら取り組んでいるときにストレスを感じます。

誤解されている方もいるかもしれませんが、ストレスそのものは悪いものではなく、逆にストレスがないことも危ういものです。良い方向に作用すれば適度な緊張感になります。実力以上の力を発揮できたり、生活にハリを持たせてくれたりします。

ストレスが大きすぎたり、長期間続いたりすると危険なだけなのです。大きすぎる負荷は、病気やトラブルの元です。心身の調子を崩さない程度に、ストレスとは上手に付き合っていきたいものです。

終わりに

今回は、大人の発達障害当事者の私が実践しているストレス解消法を3つご紹介しました。

ストレスは、負荷に耐えている緊張状態です。うまく作用すれば成長につながりますが、負荷が大きすぎたり、長期間続いたりしてしまうと病気やトラブルの元です。

ストレスと上手く付き合うには、原因となっている問題に取り組んで解決するか、緩急をつけてストレスとうまく関われるように調整するか、そもそも解決すること自体を諦めてしまうかだと思っています。

私は他人よりも心身の調子を崩しやすい傾向にありますが、ストレスの対処法そのものは障害の有無に関わらず応用できるものです。ストレスで悩んでいる方に役立てていただければ、うれしいです。

1988年生まれ。「何事も一生懸命」なADHD当事者ライター。
就職後1年でパニック障害を発症し、退職。27歳のときに「大人の発達障害」当事者であることが判明。以降、自分とうまく付き合うコツをつかんでいる。プラスハンディキャップなど各種メディアへ寄稿中。

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