障害者が受けられる福祉サービスって?
第1回 障害者総合支援法による福祉サービスの全体像を知ろう
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2021.8.3
障害者や難病のある人が受けられる福祉サービスについてご存知ですか?知っているようで、実はよく知らないのかもしれません。
2018年の障害者総合支援法改正により、支援内容が変わり種類も増えています。そこでパラちゃんねるカフェでは、6回に分けて「サービス内容」から「手続き方法」までくわしく説明していきます。
第1回は「サービスの全体像」について解説します。
執筆:斎藤 厚子 Atsuko Saito
「障害者総合支援法」とはどういうもの?
障害者総合支援法は、障害者や障害児の福祉サービスの基本法律です。 正式名は「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」です。
障害者と健常者が共に同じ社会でわけへだてなく生きていくために、さまざまなサービスを充実させることを目的としています。
ポイントは…
●障害者を総合的に支援するために、障害だけではなく発達障害や難病も対象とした。
●在宅や通所、入所サービスを個人の状況に合わせて組み合わせることができる 。
●障害者や障害児がかけがえのない個人として、住み慣れた地域で、尊重された日常生活を送れるよう支援する。
どんなサービスがあるの ?
障害者総合支援法によって受けられる福祉サービスは、大きく分けて「自立支援給付」と「地域生活支援事業」の 2種類です。その中のさまざまな制度やサービスを組み合わせることにより、それぞれの障害者にあったサービスを提供します。
図:障害福祉サービスの 利用について(社会福祉協議会)を参考に筆者作成
■自立支援給付(直接利用者がサービスを受ける)とは…
●介護給付・・・障害がある人に対する介護の給付。居宅介護や同行援護など。
●訓練等給付・・リハビリや就労につながる支援。移動支援事業や意思疎通支援事業など
●そのほか自立支援医療、相談支援、補装具など
■地域生活支援事業(自立支援給付以外のサービスすべて) とは…
地域の特性や利用者の状況に応じ柔軟な形で行われる事業です。相談支援事業や理解促進研修などがあり、市町村及び都道府県が行います。
まとめ
いかがでしたか。今回は、障害福祉サービスの基本となる法律と、サービスの全体像をご紹介しました。
次回以降は、サービスの詳しい内容について見ていきましょう。
第2回:介護給付ってなに?
第3回:訓練等給付ってなに?
第4回:相談支援、自立支援医療、補助具って?
第5回:地域生活事業って?
第6回:障害福祉サービスの手続き方法は?いくらかかるの?
の内容でお伝えする予定です。
障害のある人も地域の一員として、健常者とともに生きる社会づくりが進んでいます。
支援制度の内容を知って、自分に合ったサービスを利用しましょう。
参考文献
これならわかる障害者総合支援法第2版 二本柳覚編著 鈴木裕介・遠山真世著 翔泳社 2018年
障害者総合支援法早わかりガイド 山内一永著 日本実業出版社 2018年
障害者総合支援法の仕組み デイリー法学選書編修委員会編 三省堂 2019年
参考サイト
障害者が安心して暮らせる環境の整備 内閣府男女共同参画局
身体障害者ケアガイドライン 厚生労働省
知っていますか?街の中のバリアフリーと「心のバリアフリー」 | 暮らしに役立つ情報 政府広報オンライン