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障害のある方の外出と消費を促進する。デジタル障害者手帳「ミライロID」の機能と今後。

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2021.8.16

『パラちゃんねるカフェ』がお届けする企業インタビュー。2019年7月1日にリリースされた日本初の障害者手帳のアプリとなるデジタル障害者手帳「ミライロID」について株式会社ミライロ ITソリューション部 部長 井原充貴さんにお話を伺いました。

執筆:株式会社ミライロ

はじめに

株式会社ミライロは、障害を価値に変える「バリアバリュー」の視点から環境・意識・情報という3つの軸においてユニバーサルデザインに関するソリューションを提供しています。これまでの記事ではユニバーサルマナー検定やユニバーサルワーク研修についてお伝えしました。

今回は、2019年7月1日にリリースされた日本初の障害者手帳のアプリとなるデジタル障害者手帳「ミライロID」について株式会社ミライロ ITソリューション部 部長 井原充貴さんにお話を伺いました。

『パラちゃんねるカフェ』がお届けする企業インタビュー。障害のある当事者やご家族、友人や同僚など多くの皆さまにぜひ読んでいただければ幸いです。

デジタル障害者手帳「ミライロID」とは

障害があると車いすや白杖、介助などの経済的負担が伴うだけでなく、移動手段も限定されるため社会参加のハードルが通常より高くなっています。その負担を軽減し、社会参加を支援する仕組みとして障害者割引があります。

障害者割引は、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳のいずれかを所有している方が対象です。法的規制はなく、事業者の経営努力により運営されています。


デジタル障害者手帳「ミライロID」は、障害のある方の外出を促進し、経済活動を回すために障害のある方と事業者を繋ぐ橋渡しをしています。従来の紙ベースの障害者手帳は持ち歩くのが不便、紛失するリスクがある、友人や恋人に見せたくないなどの理由から外出を促進する動機付けとしては不十分でした。


「ミライロID」は、障害者手帳を所有している方を対象としたスマートフォン向けアプリです。ユーザーは、障害者手帳の情報、福祉機器の仕様、求めるサポートの内容などを登録することで、外出時に提示することで必要なサポートをスムーズに受けることが可能になり、従来の不便さも解消することができます。


デジタル障害者手帳「ミライロID」のイメージ


ミライロでは、障害のある方や高齢者、ベビーカー利用者などの移動における不安を解消するサービスとしてバリアフリー地図アプリ「Bmaps(ビーマップ)」を2016年4月より運営しています。

2020年7月時点で20万件を超えるバリアフリー情報が集まる「Bmaps」と「ミライロID」はどのように連携していくのでしょうか。


「ミライロID」は、2021年7月時点で2500以上の事業者において本人確認書類として活用できます。JAL(日本航空)、ANA(全日本空輸)含め航空、JR含め鉄道社、バス、タクシーなど公共交通機関の移動における手間や不便さの軽減に大きく寄与します。また、動物園、水族館や映画館、美術館などの多くのレジャー施設にも広がり、「Bmaps」で行きたい場所を調べ、「ミライロID」を活用することでスムーズな移動と便利な生活が実現できます。将来的には、ミライロID内にBmapsの機能を盛り込み、バリアフリー情報も確認できるようにしていきたいです。


ミライロIDを利用する様子


「ミライロID」が描く未来とは

「ミライロID」は、障害者手帳のデジタル化だけでなく、障害者割引を適用していない事業者での電子クーポンの利用や障害者割引を適用したオンラインチケットの購入も実現しています。


「ミライロID」は、電子クーポンとしても利用できます。電子クーポンにより従来の障害者割引では適用しづらい飲食店やコンビニエンスストアなどにおいても利用が可能となり、障害者割引の幅が広がりつつあります。また、従来、本人確認手段を持たないオンラインでの障害者割引の適用は難しく、窓口や電話での購入が必要でした。そこで、ミライロID内で障害者割引価格でのオンラインチケットの提供を実現しました。


コロナ禍において感染リスクの高い行動を削減することが求められ、障害のある方においては感染時の重篤化リスクも懸念されます。オンラインを活用した日常が当たり前となる中で電子クーポンやオンラインチケットなど「ミライロID」がニューノーマルな社会を実現するのではないでしょうか。

さいごに「ミライロID」の今後について教えてください。


障害のある方と事業者の双方にとって負担の少ない社会を実現し、障害のある方の移動や生活がもっと便利に、もっと自由になることを目指していきたいです。そのためにも、電子クーポンやオンラインチケットなど様々な障害者割引を適用する事業者が増える取り組みを進めると共に、利用するユーザーの皆さまの声をもとにより使いやすいアプリへと進化させていきたいと考えています。ぜひ「ミライロID」にご登録をお願いします。


取材後記

障害者手帳を所有する方が対象となる障害者割引が法的に定められたもので国や地方自治体から助成を受けていると思っていた方も多いのではないでしょうか。

ミライロのサービスを紐解いていくと、事業者の役割の認識が改めさせられます。経営努力で障害者割引が適用されるサービスの範囲が広がり、障害のある方の移動や生活が便利になっていく。まさにデジタル障害者手帳「ミライロID」が障害のある方と事業者の橋渡しとなっています。

ミライロが提供する「バリアバリュー」の視点からのユニバーサルデザインが、障害の有無に限らず「誰も取り残されることのない社会」を実現する橋渡しをしてくれるのではないかとそんな予感がする取材となりました。

障害を価値として捉えるバリアバリューの視点から、誰もが快適に過ごせる社会を提案しています。デジタル障害者手帳の「ミライロID」や「ユニバーサルマナー」など、様々な取り組みを展開中。
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