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今の私につながる、就労継続支援A型事業所での2年半

2021.9.2

現在のNPO法人での活動をはじめる前、私は2年半就労継続支援A型事業所に勤務していました。今回は、就労継続支援のA型事業所で働き始めたきっかけや仕事内容、学びなどを振り返りながら、どのように今の自分につながっているか、探っていこうと思います。

執筆:榎本 佑紀 Yuki Enomoto

はじめに

現在のNPO法人での活動をはじめる前、私は2年半就労継続支援A型事業所に勤務していました。今回は、就労継続支援のA型事業所で働き始めたきっかけや仕事内容、学びなどを振り返りながら、どのように今の自分につながっているか、探っていこうと思います。

赤坂でOLデビュー

そもそも、就労継続支援事業A型とは、どのような施設のことを指しているのでしょうか?

”就労継続支援A型事業所とは、就労を希望する障害者で一般の企業・事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が可能である者に対して就労および生産活動の機会の提供、知識・能力の向上の支援を行う事業所です。”

引用元:障害者雇用で知っておくべき基礎知識5選(3)障害者総合支援法とは ~就労移行支援、就労継続支援、就労定着支援~

私が就労支援継続A型事業所で働き始めたのは、大学を卒業して2か月後の2015年の6月です。この施設は、大学在学中にWスクールとして通っていた就労移行支援事業所(一般企業での就労に向けた訓練を受けられる福祉サービス)のスタッフさんが「WEBライターの仕事ができる施設があったよ!」と見つけ出してくださいました。

当時から、文章を書く仕事に興味があった私は、「一般就労のための訓練をしながら、文章を書く仕事ができるなんてっ・・・!」ととてもワクワクした気持ちになったのを覚えています。

その施設では、2週間の体験実習があり、仕事に対応できるかどうか見極めた上で、正式に入社する流れになっていました。入社後のミスマッチを防ぐ狙いがあったと思います。

実習中は、初めての仕事にとても緊張していました。しかし、周囲の先輩方が優しく仕事を教えて下さったり、休憩時間にも話しかけてくれたので、徐々に仕事に慣れていきました。2週間の実習が終わると、無事に施設からの内定を頂くことが出来ました。こうして、私の社会人生活が始まったのです。


就労継続支援事業A型のリアル

当時の仕事を一言で説明すると「WEBライター」という言葉が当てはまるのかもしれません。既存のサイトを参考にしながら、住宅ローンの金利に関する文章を作成したり、リフォーム会社のホームページに載せる文章を制作していました。

その他にも、目薬のキャッチコピーを考えたり、商品の紹介記事を制作するというような仕事がありました。自分で一から文章を考えるというよりは、仕様書にある情報を整理し、文章化するといった作業に近しかったので、本気でライターを目指していた自分にとっては、消化不良の日々が続いていました。

就労継続支援A型ならでは、と言えるかもしれませんが、「職業指導員さん」と呼ばれるスタッフが常駐していたことが良かったこととして挙げられます。仕事を進めていく上で少しでも不安に思ったことがあれば、すぐに相談できる体制が整えていました。

他にも「ビジネスマナー」や「基本的なPCスキル」などを身につけるための講習会が定期的に開催されていたので、自身のスキルアップにも大いに役立ちました。

仕事をし、給料を貰いつつも、一般企業への就労を目指すための訓練ができることは、就労継続支援の良いところだと思います。
 
さらに、「お花見」や「クリスマス会」などの季節ごとのイベントもあったので、他の利用者さんや職員さんと交流する機会も多く、楽しい思い出もたくさん出来ました。


今の活動につながっていること

 さて、そんな就労継続支援事業A型での勤務を通じて、今の活動につながっていると思うのは社会勉強をさせてもらったという点です。大学を卒業して初めての仕事でしたが、知識やスキルが身についていない人でも、いろいろと教わりながら働いていくことができる環境でした。

週5日決まった時間に起き、出勤するという「社会人としての基本的なスケジュール」を身に着けることも出来ました。生活リズムを整えることは、どんな仕事においても重要になってくると思います。

最初から上手くいったわけではありません。周囲になじめずに苦労もしました。私が通っていた施設は精神障害や発達障害の利用者さんが多くいましたが、それは身体障害の私にとって「自分とはちがう障害のある方と関わる初めての経験」でした。

周りの人とのコミュニケーションがうまくいかなかったり、意見がぶつかったりしてしまうこともありました。いつでもスタッフさんに相談できる環境ではあったのですが、私は「相談しづらい」となかなか自分から言い出すことができませんでした。苦い思い出です。

しかし、そんな苦い経験も含めて「多種多様な人が一緒に働く」ということはどういうことなのか、身をもって実感することが出来ました。

今の職場でも、私とはちがう障害を持つ人と接する機会はたくさんあります。今では私が気になったことを相談するだけでなく、私に相談をしてくれる人もいます。在籍当時は、辛い経験もありましたが、その全てが現在の私に繋がっているのだと思います。

Co-Co Life☆女子部所属。出生時のトラブルにより脳性まひとなり、不随意運動や構音障害の障がい特性を持つ。就労継続支援事業A型でWEBライターを経験し、現在はNPO法人での事務をしながらライターとして誌面の制作も行っている。ライター歴は5年目。趣味は音楽鑑賞/読書/食べること

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