PARA CHANNEL Cage

ASDと診断された私が大学生になりました

~双極性障害・起立性調節障害・慢性疼痛も併発中

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2021.9.25

読者の皆様、初めまして。
この度、ご縁がありまして、パラちゃんねるカフェにてコラムを書かせていただくことになりました、萩 雪希(はぎ・ゆきの)です。
私は、ASD(自閉スペクトラム症)・双極性障害Ⅱ・起立性調節障害・慢性疼痛を抱えています。

初回である今回は、私について知って頂きたいので、私のこれまでと現在のお話を書きます。

執筆:萩 雪希 Yukino Hagi

超低出生体重児として生まれる

私は18年前に早産による超低出生体重児として生まれました。
29cm、489gでの出生だったので、かなり小さく生まれた方だと思います。

生後10日で動脈管開存症の手術、3か月で未熟児網膜症の手術を受け、4か月半のNICU生活を経て、その後は療育センターに通い始めました。

ですが、療育では小さく生まれたことによる発達の遅れを追いつかせるために通っていた為、障害に気付かれることはありませんでした。

小学生では、いじめられたりしましたが、仲良しの友達がいて比較的平和でした。今思えば、仲良しの友達には知的障害があったので、そのお世話をすることで、教室に居場所を作っていました。

中学生になり、障害特性によるトラブルが顕在化

中学生になると一気に障害特性によるトラブルが顕在化。自傷行為に及ぶように。

中1の夏に小児科にかかり心理検査を受け、コミュニケーション障害の一種である社会的コミュニケーション障害(自閉スペクトラム症の拘りが見られない状態)と診断を受けました。

この時点では本人への告知はされなかったので、私が知ることになるのはもう少し先です。

また、仲間はずれやからかいなど、弱めのいじめがずっと続いたため、一時期は保健室登校になり、さらに図書館、美術室で過ごしながら、養護の先生や図書館司書の先生に支えられ、何とか卒業を迎えました。

希死念慮と抑うつ、痛みに苦しみながらの高校生活

高校生になってからは、いじめはなかったものの、楽しいよりも苦しい思い出の方が多かったです。

話を合わせられない特性などに耐えて生活したストレスにより、感覚過敏が一気に悪化。ちょうどその時期は親との関係もあまり良くなかったため、小学生の頃から潜在的かつ慢性的にあった希死念慮も悪化しました。

そこで、主治医だった小児科の先生とカウンセリングの心理師の先生に勧められ、精神科に通院するようになりました。

そして、精神科の初診で唐突に告知を受けました。この経緯や受容過程はまた別の記事で書きたいと思います。

希死念慮と抑うつ、時々現れる躁(当時はただ調子のよい日々としか認識していませんでした)、全身の痛みに振り回され苦しみながらの高校生活でした。

閉鎖病棟への入院を乗り越え、大学に合格

高校生活では、受験勉強もしていました。志望校が当初は国立大だったので、共通テストも受験する予定でしたが、5教科も勉強できるほどの肉体的・精神的余裕がなかったこと、とくに執着もしていなかったので、志望校を2科目で受けられる大学に変更して勉強しました(変更した志望校、つまり現在所属する大学はとても手厚い支援を受けられるため、この変更は大正解だったと思います)。

そんななか、高3の12月には、希死念慮が抑えられないほどに悪化したため、年末年始の1週間、精神科閉鎖病棟に入院しました。この話も、いずれ記事にしたいと思っています。退院して1か月後、入試を受け、合格をいただきました。

そして現在は愛知県で心理学を学んで公認心理師・臨床心理士を夢見る大学生です。

現在の私の症状について

私は、ASD(自閉スペクトラム症)・双極性障害Ⅱ・起立性調節障害・慢性疼痛を抱えています。一般的な症状と、私の現在の症状についてそれぞれ書きます。


自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)」とは…対人関係が苦手・強いこだわりといった特徴をもつ発達障害の一つです。生まれつきの脳機能の異常によるものと考えられています。

私の場合は…
〇コミュニケーションの障害→空気が読めなかったり、抽象的な表現の理解が苦手。
〇拘り→急な予定変更や見通しが立たないことが苦手。興味に偏りがあり、興味のないことに苦痛を感じる。
〇感覚過敏
視覚(日光、蛍光灯などの光に弱い。色付きの度入り眼鏡とサングラスを利用)
聴覚(雑踏、大きな音、空調などの機械音が苦手。ノイズキャンセリングイヤフォンを利用)
触覚(不織布などの素材が身に付けられない。靴下が履けない)
など、誰にでもありそうなことの程度が生活に支障をきたします。


双極性障害とは…双極性障害は気分が高まったり落ち込んだり、躁状態とうつ状態を繰り返す脳の病気です。激しい躁状態とうつ状態のある双極Ⅰ型と、軽い躁的な状態(軽躁状態)とうつ状態のある双極Ⅱ型があります。

私の場合は…
〇躁➝何でもできそうな気になり、じっとしていられなくなり活動的になる。睡眠欲求の減少、浪費が激しくなるなどが現れます。「ただ調子が良い」という認識であることが多いです。
〇鬱→全ての欲がなくなる。過眠になる。希死念慮が強く現れ、そこから気持ちを逸らすために自傷行為や自殺企図に走る。起き上がることすら困難になります。


起立性調節障害とは…たちくらみ、失神、朝起き不良、倦怠感、動悸、頭痛などの症状を伴い、思春期に好発する自律神経機能不全の一つです。

私の場合は…朝起きられない、朝食べられない、特に立ち上がった時にひどい眩暈、頭痛、吐き気などが現れます。13~15時からマシになってくることが多いです。


慢性疼痛とは…数カ月間から数年間にわたって持続したり再発を繰り返したりする痛みです。

私の場合は…全身が疼くようなズキズキするような強い痛みが常時続いています。服薬しているものの、全く効きません。麻酔科の先生が言うには、神経が過敏になり閾値が低くなり、本来なら感じない痛みの信号も受取ってしまっているそうです。


現在、大学生の私だから伝えたいこと

以上で私のお話は終わりです。拙い文章でしたが読んでくださってありがとうございました。

これからは、今迄の苦労や症状について深く掘り下げたり、生活上の困りごとやその対処法、私くらいの年で障害に気付き始めた人へのメッセージなどを書いていきます。

大学へ進学する前にできること、社会に出る前にできることなど、いま大学生の私だからこそ伝えられることをコラムにしていけたらと思っています。

ネガティブな中にも希望のある文章になるよう心掛けます。
よろしくお願いいたします!


【参考】
すまいるナビゲーター「子どもの自閉スペクトラム症」
すまいるナビゲーター双極性障害
一般社団法人 日本小児心身医学会
MSDマニュアル家庭版 慢性疼痛

2002年生まれ。長野県出身/愛知県在住。人間科学部/心理学科 在籍。24週1日の早産、489g/29㎝の超低出生体重児。
ASD・自閉スペクトラム症、ADHD、複雑性PTSD、解離性同一性障害、双極性障害、起立性調節障害、解離性障害、線維筋痛症etc と戦う20歳。自傷行為、OD、自殺企図 ⇒ 多数。閉鎖病棟入院 ⇒6回。
ネガティブでも希望のある文章を心がけます。

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