目に見えないものをないがしろにする人が、一番目に見えないものに振り回されている。
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2021.10.9
「何やってるんだ!」
「上司の言うことは黙って聞け!」
そんな言葉を
職場や家庭で聞いたことはありますか?
こんな言葉を耳にすると、
たとえ自分に対する言葉ではなくても
『ツラい・・・』
『なんだよ・・・』
『イライラする!!』
そう思うことがあるはず。
ましてや、
あなた自身に対して、
「もっとちゃんとやれよ!」とか
「いい加減にしろ!」とか
直接言われたら、
その日、もしくは数日にわたって
イヤーな気持ちを引きずったりするかもしれません。
仕事に集中できなくなって
ますますミスをしてしまう。
怒られた相手に対して
意見したり、抱えている問題を共有するなんて
できっこないですよね。
執筆:いりえ(北橋 玲実)
そしてますます
人間関係は悪化して、
雰囲気は悪くなるし、
本当にやるべきことが全然進まない、
なんてことにもなります。
でも、ネガティブな言葉を口にして他人にネガティブな感情を植え付ける人はその人自身が感情に振り回されています。
自分で自分の感情をコントロールできないからこそ、他人に当たり散らして自分の機嫌を取らせたり感情を保つしかない。
めんどくさい人たちですよね。
感情コントロール、
とか
アンガーマネジメント、
といった言葉がはやっているように思いますがこのような「感情」を取り扱うことはとても大事です。
先ほどの例のように、自分の感情をコントロールできないコトで
・他人に対する言葉を間違ってしまい、トラブルや不信感を生んでしまう
・感情に振り回されて、やってはいけないコトをしてしまう(特に犯罪や非行)
といった問題が生じます。
もしくは、
感情をコントロールできない人が組織の上にいるなど、権力を持つ人の場合、場の雰囲気が非常に険悪になってしまいますよね。
そうすると、
・組織の雰囲気が悪く、必要な意見がメンバーからでてこない
・メンバーが抱えている問題が共有されず、大きな問題になるまでわからない
こんな問題にもつながってくるかもしれません。
ともすれば犯罪にもつながってくるかもしれない「感情」のコントロールなのですが、このご時世でもいまだにその重要性が理解されているとは限りません。
会社に行けば、
「まずは成果だ!」
「お前の業務はこれだ!」
と言われることがしばしば。
でも、決められた業務が、自分がやりたいこととは限りません。
過去に失敗を起こした内容かもしれないですし、そもそも苦手なコトも少なくありません。
そこで「無理してやり切る」ことで得られるものもあるかもしれませんが、それ以上に、「無理して」やり続けることで失う精神力は相当なものだと思いませんか?
さらに、ニガテなコトであればなおさら長い時間をかけなければなりません。
強い苦痛やつらい気持ちを、長い時間にわたって感じ続けて、ようやくやり切って、そこで得られるものは、失ったものに見合うのでしょうか?
やり切るまでの過程で、あなたが感じ続けているストレス、自責の気持ちがあなただけでなく、あなたの会社にも不利益だということをどれだけの人が気づいているのでしょうか?
「そんなことよりもまず成果だ!」
と声高に叫ぶ人もいます。
私の会社もそうです。
だからこそ優秀な人が会社にはいるのかもしれませんが成果を求めすぎる組織の中では、
・成果につながらない(成果が分かりづらい)ことを他人に押し付けてしまう
・人の成果を奪う人が出てくる
・個人間で競争が出てきて、雰囲気が悪化する
ということが起こりがちです。
こんな集団の中で、「がんばろう!」と素直に思えるでしょうか?
目標の数字と押しつけの業務だけでどれだけ頑張れるのでしょうか?
確かに目に見える成果や数字は大事です。
でも、その成果って、始めから目に見えるものではなかったのではないでしょうか。
目に見える成果や形になる前に、誰かが「これをやり遂げるんだ!」という元々の信念や強い感情があったからこそ何かが形になってきたのではないでしょうか?
人が行動を起こすのには、必ず感情が必要になります。
なので、成果を出すにも挑戦するにも、感情がポジティブであることが非常に重要になってくるはずなんです。
たしかに、不安や怒りも行動の原動力にはなります。
ですが、
原動力にできるかどうかはその人次第。
たとえ本人が
「怒られたからこそ成長できた!」
という経験があったとしても
時代も人も違う相手に対して、まったく同じ考え方がどれだけ受け入れられるのでしょうか?
そして、それを発信する人自身が、
「怒られたからこそ…」
というのを言い訳にして感情を振り回しているなら、それは論外です。
過去に親から
「あんた宇宙人?」と言われ、
友人には
「キモイ」
「死ね」
といじめられ、
上司には
「上司の言うことなら黙って聞け」
とパワハラを受けたわたしだからこそ、ネガティブな言葉や雰囲気が起こす問題はよく知っているし、わかっています。
そして、そこをあえて私が意識して変えてきたことで、ポジティブな感情や言葉がけ、雰囲気を作ることの重要性は深く理解しています。
日本社会では、何かと「ちがう」ことが「まちがい」だと思われがちで、本人もそれで自分を責める習慣が身についてしまいます。
でも、そうではなく、どんな人や、何より自分に対してもポジティブでいられることで、開かれる可能性はどんどん大きくなっていきます。
『でも、ポジティブでいるなんて無理じゃない?』
『そんなこと言われても生きるのってつらいし…』
と思われたそこのあなた。
今は、そうだと思います。
何より私が、過去には生き続けることをためらったほどにネガティブ。
それでも、「変わる」ことはできます。
ちょっとした習慣を続けていくだけであなたの根強い(かもしれない)ネガティブさは少しずつ薄れていき、前向きな考え方を自然と身につけられます。
今回はあなたに向けて、ニコニコポジティブなマインドを手に入れるためのワークをご紹介しますね!
一回5分もかからないので、ぜひ、日々の習慣に取り入れてみてくださいね。
① 紙とペンを用意する
② 自分のキライな部分を書き出してみる(ひとつだけ)
例:いつも他人にビクビクする自分がキライ!
③ そのキライな部分のおかげで『助かった!』ということを思い出して書いてみる
例:他人を怖がっていたおかげで、必要以上に傷つけられずに済んだ!
④ ③を参考に、自分のキライな部分に感謝する文を作って、読み上げてみる
例:『他人にビクビクしてたからこそ、傷つかずに済んだ!ありがとう!』
これだけです。
とってもシンプルですよね。
人によっては③が少し難しくて、
『助かったことなんてないよ!』
と言われるかもしれません。
そんな時は、
【“あなたのキライな部分” 言い換え】
などと検索してみてくださいね。
きっとしっくりくる言い替え方があるはずですよ。
あなたが今、どんな環境か、どんな人間関係の中にいるのか。
それも大事ですが、他でもないあなた自身が、あなた自身を認めている。
その心のあり方が、あなた自身が前向きになって自身の可能性を信じて花開かせることにも、他人を信じてポジティブな影響を与えて充実した関係を築いていくのにも本当に役に立ってきます。
ぜひ、このワークを通してどんなあなた自身も、認めることを始めてみませんか?
Text by
いりえ(北橋 玲実)
いつでも、なんでも、誰でも肯定するアスペ。Estlaughtive代表。自己肯定感育成スクールを通して「『生きづらい』を乗り越えてありのままに生きる」ための考え方を拡散中。その他にもコーチング、コミュニティ、講演会の出演、経営コンサルを行う。著書2冊はそれぞれAmazon6、7部門ベストセラーとなった。