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自己管理のおすすめ習慣5選

セルフケアが苦手な発達障害の方へ

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2021.10.23

発達障害をお持ちの方の中には、セルフケアが苦手な方が数多くいらっしゃいます。

自分がどの程度疲れているのかわからない。もしくは、今この課題をやらなければならないのに、まったく手がつけられていない。こうしたタスクの整理を含む自己管理が甘くなってしまうなどの悩みもあるでしょう。

今回のコラムでは、私が日々実践している自己管理方法を5つほどご紹介できればと思います。

執筆:大河内 光明 Komei Okouchi

1. 日記を書く→月末の自分反省会

認知行動療法の手法の一つに、「思考の外在化」があります。私が初めてこの概念に出会ったのは、クリニックのカウンセリングにおいてでした。

「思考の外在化」は、ある出来事に関して自分が感情的にどう反応したか……肉体的にどのような反応が出て、結果的に自分はどう対処したかを実際に紙に書き出しその評価を行う、というものです。目に見える形で具体化されることで客観視ができるようになり、冷静に物事を把握できるようになります。

カウンセラーからはワークシートを渡され、一か月に一度その紙を埋めて確認しあうという方法で回を重ねていったのですが、これを生活に取り入れるには日記を書くという習慣が最も手軽な手段となるのではと思い立ち始めてみたら、これが意外にいい習慣に。

使っているのは新潮文庫の『マイブック』です。日付があらかじめ記載されているので、サボり防止に役立ちます(こういうちょっとした手抜きができるのが大事です。大学ノートだと日付を書くのが億劫で続きませんでした)。

目標にしているのは「習慣づけ」「健康管理」「金銭管理」「本業/副業のスキルアップ」などの項目。年目標と月目標を各三つほど設定し、月末にその進捗を確認して評価します。四つ以上にすると大体実現しないことが多いので、三つ以内に抑えるのが重要です。

こういった具体的な目標だけでなく、日々の雑多な記録をとり、辛かったことや楽しかったことを素直に言葉にするのは、自分の感情を整理するのに役立ちます。5つの習慣の中で最もおすすめです。お試しあれ。

2. スマホのリマインダー、googleカレンダーをフルに使う

iphoneのデフォルトアプリに「リマインダー」がありますが、これはタスク管理には非常に有用です。発達障害をお持ちの方の場合、優先順位をつけるのが苦手だったり何度も確認しなければいけない特性があり、日々の生活に支障をきたしていることがあるかと思いますが、特別なアプリを入れる必要はなくひとまずはこれ一つで十分です。

私の場合、最初のメモに「人生計画」という項目を作っています。何歳で何をしているという簡単な目標をそこに書き、大体十年後くらいまでの目標を可視化し、常に意識できるようにしています。ちょっと工夫というには壮大すぎるかもしれませんが、日々目に見える場所にこういった項目があるおかげで、行動指針がブレにくくなる効果を感じています。

Todoリストは「今日やるもの」「今週やるもの」「今月やるもの」でリストを分けており、その各リストの中でもさらに仕事やプライベートと項目を分け、重要度や緊急度で降順にしています。

仕事終わりの夜や休日など、「あれをやらなきゃな」と考えていたのに思い出せなかったり、うまく優先順位がつけられずウダウダしがちでしたが、こういった仕分けをするようになってから「思い出す」「優先順位を付けなおす」コストがなくなり、快適に過ごせるようになりました。

+αで何か工夫をするなら、カレンダーはデフォルトアプリでなく、googleカレンダーがおすすめ。前者は月単位で表示したときに登録したタスクが一覧で表示されませんが、後者なら一目瞭然。繰り返し設定なども充実しており、リマインダーと合わせれば、かなり効果的になると思います。

3. 睡眠表をつける

これは担当医からおすすめされた方法です。発達障害をお持ちの方は不眠症に陥りやすい特性があります。

かくいう私も長くの間、二次障害の不眠症に悩まされてきました。医師に相談するにも、「明け方から眼が醒めてぼんやりして、寝てるのか起きているのか自分でもわからない状態が続いて……」と口で説明するのもなんだかあいまいになり難しいです。

そこで医師から渡されたのが睡眠表でした。ネットで検索すればすぐに出てきますので、自分で印刷して医師に相談しにいくのがいいかと思います。

4. 家族以外に定期的(一か月に一度くらい)に近況報告する相手作る

学生生活を終えてから私が悩んできたことの一つに、「自分の悩みや、努力してなしとげた成果を報告する相手がいない」ということでした。

新卒で入った会社で忙殺されるうちに、学生時代の友人とは一時期疎遠になってしまったのですが、今になって思うのは、やはり「近況報告する相手がいる」というのはセルフケアとしてすごく大事だということです。自分の精神的な問題点も気づいてもらいやすいですし、ふとした相手の発言が刺激になって何かを始めるきっかけになったりもします。

近況報告する相手とは、決してプライベートの関係でなくともいいと思います。私は現在、地域の支援機関の方に定期的に公私の相談に乗っていただいているのですが、やはり自分の考えやキャリアデザインをまとめる上では非常に参考になっています。

5. グループに所属する(障害を開示するグループ、しないグループ両方に所属する)

前項と被る部分もあるかと思いますが、「団体に所属する」という観点に絞って別の項目として独立させてみました。

発達障害をお持ちの方、特にASD傾向の強い方は、意識して人と関わっていかないと、社会的に孤立しがちになってしまうことがあります。

私も一時期その状態に陥っていたのですが、今は当事者会や趣味の関係で複数のグループに所属していますし、副業関係でかなり頻繁にやりとりする方もおり、そういった孤立からは抜け出せているかと思います。特にかなり効果的だったのは「ジモティー」というアプリ。地域単位で趣味や勉強といった共通の目的をもったグループを探すことができます(私は文芸創作と英語学習のグループに参加しています)。

ここで重要なのは、当事者会など「障害を明かすグループ」と趣味で集まったサークルなど「障害を明かさないグループ」にわけることです。

前者は「障害者としての悩みを共有する場」、後者は、「障害の有無にかかわらず一人の人間として関わる場」として考えてください。特に後者は重要だと思います。というのは、障害者雇用等で働いている当事者の方は、ご自身の障害を日々意識し続ける毎日かと思います。私も同じような状況で疲弊してしまったので、自分の障害をいっとき忘れられる空間を準備することはメンタルヘルスとしてもかなり効果的でした。

さて、長々と書いてきましたがいかがでしたか。

ツールを使うだけでなく、人との関わりの中で自分を再発見して改善や向上の余地を探るというのも、また自己管理に含まれると思います(何より日々が潤うのが大事ですが)。ご紹介した以外にも様々な工夫がありうると思います。ぜひ、ご自身のライフスタイルにあわせた方法を探ってみてくださいね。

1994年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、新卒でweb出版社に勤務。その後転職し裁判所事務官として勤務していた際に体調を崩して退職。直後に発達障害(ADD+ASD)の確定診断が下りました。
以降は民間の障害者雇用で働きつつ、副業でライターをしています。実績としては日刊SPA!、品川経済新聞さんなどで記事を担当。それ以外にも企業の商品紹介記事や、公的機関のウェブ記事などを複数執筆致しました。

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