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「日本から障がいという言葉と概念をなくす」ミンナのミカタぐるーぷ 代表取締役 兼子文晴さん企業インタビュー

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2021.10.29

『パラちゃんねるカフェ』がお届けする企業インタビュー。今回は、栃木県鹿沼市に本社を置くミンナのミカタぐるーぷ 代表取締役 兼子文晴さんに障がい者福祉施設特化型BPO(アウトソーシング)サービスと今後の取り組みについてお話を伺いました。

執筆:ミンナのミカタぐるーぷ

はじめに

栃木県鹿沼市に本社を置くミンナのミカタぐるーぷは、うつ病とパニック障害の精神障害当事者である兼子文晴さんにより2013年6月に設立されました。

「日本から障がいという言葉と概念をなくす」を理念に掲げ、現在は、障がい者就労継続支援A型・B型事業所と共に障がい者福祉施設特化型BPO(アウトソーシング)サービスを提供しています。

今回は、ミンナのミカタぐるーぷの中でも特に注目を集める障がい者福祉施設特化型BPO(アウトソーシング)サービスを提供する株式会社ミンナのシゴトについてサービス内容や今後との取り組みについて伺いました。

『パラちゃんねるカフェ』がお届けする企業インタビュー。障害者雇用を促進する企業や障害のある当事者、家族など多くの皆さまにぜひ読んでいただければ幸いです。

IT系BPOを実現する障がい者の実力と可能性

兼子さんは、うつ病を発症後、自立訓練の目的で就労継続支援A型事業所へ見学に行った際に創業を決意されたと伺いました。まずは創業の経緯をお聞かせください。


初めてのA型事業所での見学で衝撃を受けました。みんな不自由や困難がある中でも生き生きしていて、活気があって誰が障がい者であり誰が健常者かもわからない。みんなが自立を目指して懸命に働いている姿に感動しました。


しかし、栃木県鹿沼市の障がい者人口4,000名に対し、当時事業所は1つのみで定員は25名前後。まだまだ足らないと使命感を感じ、障がい者就労継続A型事業所「ミンナのミライ」の設立を決意しました。


2017年4月の障害者総合支援法に基づく事業所の指定基準等が改正され、障がい者就労継続支援事業所の不適切な運営への取り締まりが強化されました。

2018年に設立された株式会社ミンナのシゴトは、全国の事業所の倒産による解雇や繋がりの断絶を防ぐことを目的と伺いました。現在の運営状況を教えてください。


現在、全国278事業所、約6,100名の障がい者に業務を委託しています。一般的に障がい者の仕事としてパンの製造・販売や雑貨・アクセサリーの販売など軽作業をイメージする方が多いと思いますが、私たちは、主に動画編集、ライティング、マニュアル作成、競合リサーチなどIT系業務を中心に大手企業より受託し、各事業所に業務を提供しています。


「障がい」という言葉と付くだけで給与が下がり、簡単な作業が渡される。障がい者は働ける実力を持っている、戦力になることを証明したいと語る兼子さん。

ミンナのシゴトは、アウトソーシングサービスのため、委託元の障がい者雇用に寄与するわけではありません。企業が業務を委託するメリットはどこにあるのでしょうか。


労働力の安定的な確保とSDGsの潮流に沿ったCSR活動が挙げられます。「障がい者=簡単な作業」のような固定概念がなくなれば、企業にとってはメリットしかありません。また、障がい者雇用においては、委託先となる事業所で習熟した方を即戦力として企業の直接雇用へ切り替えることで寄与しています。

動画編集作業を行うミンナの様子

障がい者就労継続支援事業所の課題と今後の展望

現在、ミンナのシゴトでは、チーム制で職員を派遣する施設外就労も実施し、農作業、ホテルベットメイキング、ビル清掃、空き家管理、配膳などIT系業務以外にも職域を広げています。


2020年に全国388店舗を持つ大手リサイクル販売チェーンと業務提携を結びました。現在24店舗にて大型店舗の洋服のサイズ分け、ハンガー掛け、値札付け、売り場のハンガー回収などに従事し、全国の40事業所に仕事を提供しています。


全国の障がい者就労移行支援事業所へ業務を提供する中で、どのような課題があるのでしょうか。


課題としては、福祉業界出身の支援者が多く、働く障がい者よりもITリテラシーに疎い支援員も少なくありません。その結果として、障がい者の実力以下の仕事のみ受託してしまいます。私たちは、ミンナの戦力というコミュニティを作り、月2回のセミナーを開催し、ITリテラシーの共有や障がい者が働ける、実力があるという点を知ってもらうように努めています。


障がい者人口は約937万人(人口の7.4%)と言われています。今後、ミンナのミカタぐるーぷが目指す展望を教えてください。


私たちのミッションは、「日本から障がいという言葉と概念を無くす」ことです。そのためにも障がい者の実力を示す1つの通過点として上場を目指しています。


私たちのサービスは、一般企業から委託を受けて障がい者が業務を遂行しており、上場は障がい者が成し得た事実となり、「障がい」という言葉と概念を無くす一つのきっかけになると信じています。


ミンナのミカタぐるーぷのみなさん

取材後記

ミンナのミカタぐるーぷでは、障がい者も健常者と何ら変わらない「ミンナと一緒だな」と言う事から利用者ではなく、「ミンナ」と呼んでいます。「障がい」という名がつくだけで、同じ業務でも単価が安くなったり、障がい者の実力を知らない人が多過ぎると強く語る兼子さんはとても印象的でした。

障がい者就労継続支援事業所では運営継続に欠かせない営業や広報の経験値が不足していることが少なくありません。ミンナのミカタぐるーぷが、一般企業と障がい者就労継続支援事業所を結び、ミンナの可能性を引き出すプラットフォームとなることで、日本から障がいという言葉と概念を無くなるのではと期待させてくれる取材となりました。

栃木県鹿沼市に本社を置くミンナのミカタぐるーぷは、就労継続支援A型事業所「ミンナのミライ」、就労継続支援B型事業所「ミンナのナカマ」、IT系のBPOサービスの「ミンナのシゴト」を展開。現在、全国278事業所、約6,100名に業務を提供し、2022年からはグループホームもさらに運営する。

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