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「アウトソーシング事業で働く」という新しい障がい者雇⽤のスタイル。アデコ株式会社インタビュー

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2021.11.5

『パラちゃんねるカフェ』がお届けする障がい者雇⽤を進める企業インタビュー。今回は、アデコ株式会社のお話を伺いました。障がい者雇⽤を進めている企業やこれから働こうとしている障がい者の皆さまに、ぜひ読んでいただければ幸いです。

執筆:アデコ株式会社

はじめに

世界60の国と地域に展開し、⼈財派遣やアウトソーシングといった⼈財サービスを中⼼に、1⽇あたり350万のキャリアをサポートし、10万を超えるお客様のニーズに寄り添っているAdeccoGroup。グローバル・リーディング・カンパニーとして、業界の最先端を⾛り続けています。

AdeccoGroupにおいて、⽇本国内の事業を推進する代表的な法人のひとつがアデコ株式会社。日本全国で⼈財リソースに関わる企業の課題を解決し続けています。

事業規模が⼤きくなればなるほど、企業の社会的責任として、障がい者雇⽤に対するアプローチは必須となります。今回は「アウトソーシング事業で働く」という新しい障がい者雇⽤のスタイルを進めるアデコ株式会社にお話を伺いました。

『パラちゃんねるカフェ』がお届けする障がい者雇⽤に取り組む企業インタビュー。障がい者雇⽤を推進している企業やこれから働こうとしている障がいのある皆さまに、ぜひ読んでいただければ幸いです。


「アウトソーシング事業で働く」とは︖

▲今回の取材に応じていただいた瀧本さん(アウトソーシング&ソリューション事業本部 本部長)


障がい者雇⽤といえば、障害に対する理解や配慮が進んだ部署へ障がい者雇用で採⽤した社員を配属し、合理的配慮が整った職場環境で仕事に取り組んでもらうことが⼀般的であり、想像しやすいものです。

その中でアデコ株式会社は「アウトソーシング事業で働く」という選択肢を提供し、新しい障がい者雇⽤のスタイルに挑戦しています。

ー今回、取材させていただくきっかけとなったのは「アウトソーシング」というキーワードでしたが、まずは、アデコ株式会社としての障がい者雇⽤に対する取り組みから教えてください。


当社は⼈財サービスの会社です。すべての雇用形態を含めると3万人以上が勤務しており、様々な部⾨や雇⽤形態で障がいを持つ人財が働いています。障がい者雇⽤としては、⾃社のビジネスモデルを踏まえ、「社内で働く」・「派遣で働く」・「アウトソーシング事業で働く」といった形態があります。また、特例⼦会社のアデコビジネスサポート株式会社で働いている従業員もいます。私⾃⾝は「アウトソーシング事業で働く」というモデルにおいて、障がいを持った人財を採⽤し、活躍できるように環境を整えております。


ー「障がいを持った社員がアウトソーシング事業で働く」というのは、就職・転職活動を進める障がい者の⽅には馴染みのないモデルかもしれません。


端的に⾔えば、アウトソーシングとは「⾃社の業務を外部に委託すること」です。当社として顧客企業の業務を請け負い、その業務を当社のスタッフが遂⾏していくという流れになります。このスタッフの⼀員として、障がいを持った⽅を採⽤しているのが「アウトソーシング事業で働く」という⼿法です。2019年の後半頃から本格的にスタートし、現在では100名弱が働いています。障がいの種類としては、精神障がいを持ったスタッフが多いですね。


ーお客様企業の事業や業種によって、様々な業務を請け負っていると思うのですが、どのような業務内容が多いのでしょうか。


全国で400ほどのプロジェクトを請け負っているのですが、問い合わせの電話を受け、対応するコールセンター業務であったり、お客様企業の事務的な作業を⼀⼿に引き受ける事務処理センター業務などが分かりやすいかもしれません。ただ、例えば、コールセンター業務とひとまとめにしても、プロジェクトそれぞれに違いがあります。プロジェクトの数だけ仕事の種類が違うので、400種類の仕事があると⾔えますね。これだけのレパートリーがあり、障がいのある⽅に選んでもらえることがメリットではないかと考えています。


ーアウトソーシング業務は、アデコのオフィスに出勤して⾏われることが多いのでしょうか。それとも、お客様のオフィスで進められることが多いのでしょうか。


お客様のオフィスで進めることが多いですね。就業場所も多岐に渡ります。


アウトソーシング事業で働く障がい者へのサポート体制

アデコでは、派遣で働くという選択肢もありますが、派遣とアウトソーシングでは、誰がその業務を管理・運営するのかという点に関して違いがあります。

障がい者雇⽤において、その違いやメリットはどこにあるのでしょうか。


※アデコ株式会社では「アウトソーシング事業で働く」方々を「プロジェクト契約社員」として雇用しています。


ーアデコグループでは「派遣で働く」障がい者の⽅もいらっしゃると伺っています。今回、お話を伺っている「アウトソーシング事業で働く」との違いについて教えていただけますか。


まず、人財派遣とアウトソーシングの違いを説明したほうが分かりやすいかもしれません。人財派遣の場合は、障がいを持ったスタッフがお客様企業に派遣され、その指揮命令の中で働くことになるので、派遣された先の管理者と派遣スタッフとの間で仕事のやり取りやコミュニケーションが発⽣します。アウトソーシングの場合は、当社の従業員であるスーパーバイザーが管理者として現場を指揮監督し、そのなかで障がいを持ったスタッフにも業務を割り振ります。直接クライアント担当者様から業務指示が発生することはなく、スーパーバイザーも障がい者に対する理解を持ってサポートしていくので、より安心して就業できる環境と言えます。


ーなるほど。人財派遣とアウトソーシングの違いが整理できると、障がいのある⽅の特徴によっては、このスタイルでの働き方が抜群にフィットしそうな気がします。


アウトソーシングの場合、求められるのは業務のクオリティや納期です。現場としては障がいの有無は関係ないんですよね。したがって、障がい者への合理的配慮は進めていますが、障がいを持ったスタッフに寄り添うスタイルというよりは、仕事で成果を出すことに対してのフォローという意識が強いかもしれません。


ーこのモデルを進めていくにあたって、スーパーバイザーの⽅の協⼒がかなり必要ではないかと感じました。


おっしゃる通りです。スーパーバイザーは障がいを持ったスタッフのマネジメントが未経験のメンバーがほとんどだったので、当初は不安感が強かった記憶があります。会社の⽬指す⽅向やミッションについて、障がい者雇⽤の知識などを伝え、研修や現場での事例が蓄積したことで、だんだんと理解が進んできました。これから先、より協⼒体制が築かれていくのではないかと考えています。


障がい者雇⽤のこれから

▲今回の取材に応じていただいた龍さん(アウトソーシング&ソリューション事業本部 プランニング課 課長)


コールセンター業務のように、24時間365⽇対応が求められるものがある中で、障がいの状況や⾃⾝のバイオリズムなどによっては、夜間シフトや時短勤務など、さまざまな働き⽅に対応できることが、障がい者雇⽤におけるアウトソーシング事業で働くことのメリットのひとつかもしれません。

これはまた、SDGsでいう「8.働きがいも経済成⻑も」といった⽬標へのアプローチやダイバーシティ&インクルージョンの取り組みのように、多様な背景をもつ⽅々にとっても追い⾵となるのではないでしょうか。

ー1⽇8時間・週5⽇のような典型的な働き⽅以外にも対応できるようなプロジェクトは多いのでしょうか。


全国で400プロジェクトあるので、時短・週3⽇・⼟⽇勤務・朝だけ働きたい・夜だけ働きたいといった要望に応えられるものもあります。スーパーバイザー⾃体がそういった働き⽅のスタッフを束ねることに慣れていることもメリットかもしれません。また、職場が全国に広がっているので、地⽅在住でも働き先の選択肢が増えます。アウトソーシングは仕事重視なので、年齢や性別へのこだわりが少ない印象もあります。客観的に⾒ても、働きづらさを感じやすい⽅々にとってポジティブな働き⽅ではないかと感じています。


ー最後に、今後の展望を伺えるとありがたいです。

私たちだけで決められる話ではないのですが、在宅勤務で進められるアウトソーシングのプロジェクトを増やし、働く環境の選択肢を広げていくような取り組みが進められればと考えています。障がいの種類などによっては通勤や移動に障壁がある⽅もいらっしゃいますし、そもそも在宅で仕事をすることを希望される⽅も少なくありません。現在でも、複数の方に在宅勤務でご就業頂いています。この仕組みで障がい者の雇用を今以上に進めていきたいですね。


ーありがとうございました︕


取材後記

「アウトソーシング事業で働く」という観点で障がい者雇⽤を考えていくと、⼈間関係やコミュニケーションのトラブルを未然に防いだり、⾃⾝の⽣活リズムにあったシフトに⼊ることができたりと、メリットを享受できる⽅がいらっしゃるように思います。

短時間、週5日未満からでも働き始められることは、働くことに不安を抱える障がいのある⽅にとって⼀歩踏み出しやすい環境と⾔えます。また、そこからひとつずつ階段を上がり、無期雇用スタッフや社員への道が開けていることは、⾃⾝の意欲と成⻑がキャリアにつながる⼤きなモデルケースです。

今回の取材では、すでに世の中にあったアウトソーシングという⼈材活⽤の仕組みが、障がい者にとってフィットするかもしれないという可能性を探ることができました。これは取材する側の私たちにとっても、盲点だった部分です。

さまざまな働き⽅を知ることが、⾃分に合った働き⽅を⾒つけることにつながります。そのためには⾃分の思い込みや常識にとらわれることなく、新しい情報を⼿に⼊れようというアクションが⼤切だと改めて実感することができました。



アデコ株式会社は、世界60の国と地域で事業を展開する人財サービスのグローバルリーダー、The Adecco Groupの日本法人です。コンサルテーションを通じ、働くすべての人々のキャリア形成を支援すると同時に、人財派遣、人財紹介、アウトソーシングをはじめ、企業の多岐にわたる業務を最適化するソリューションを提供します。アデコグループは、“Making the future work for everyone”をビジョンとして掲げ、すべての働く人々の未来の仕事を創造することを目指し、さらなるサービスの強化に取り組んでいます。

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