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難病患者の雇用に関する助成金について

制度の利用と正しい認知

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2021.11.15

みなさんは、難病患者と働くということに対して、どのような印象をお持ちでしょうか。

「急に休まれたら困る」
「他の社員とは違う特別扱いができない」

さまざまな意見があると思いますが、難病患者でも配慮さえしていただければ、健常者と同じように働くことができます。

また、手帳がないから雇えない・雇わないといった企業もあると思います。
ですが、難病患者を雇うことで、国から助成金を受給できることをご存知でしょうか?

手帳がないから。雇用の義務がないから。
たったそれだけの理由で、働きたいと思っている難病患者が就労に困っている現状があります。

今回は、難病患者を雇うことで企業が受給できる、助成金の制度についておはなしさせてください。

執筆:xu

難病患者を雇うことでもらえる「特定求職者雇用開発助成金」

現在、難病患者を雇用した場合に、国からの制度としては「特定求職者雇用開発助成金」という助成金を受給することができます。

この制度は一般的に、ハローワークなどの紹介によって難病患者を継続的に雇用する労働者として雇う場合に、国から企業に助成金が給付されます。

企業には、雇い入れた難病患者に対しておこなっている配慮事項を報告する義務があり、雇入れから約6ヶ月後にハローワークの職員等が職場訪問をおこないます。


参考資料1:「特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・ 難治性疾患患者雇用開発コース)」について
「特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・ 難治性疾患患者雇用開発コース)」のご案内

要件をすべてを満たすことで受給可能

この助成金を受給するためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

  • ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇用すること
  • 雇用保険一般保険者として雇用し、継続雇用が確実であると認められること

ここで言う民間の職業紹介事業者等とは、「適正な運用をしていると認められた有料・無料職業紹介業者」のことを指し、一般的には、

  • 1 特定地方公共団体
  • 2 厚生労働省大臣の許可を受けた有料・無料職業紹介事
  • 3 届出をおこなった無料職業紹介事業者
  • 4 無料船員職業紹介事業者(船員として雇用する場合)※本助成金にかかる取り扱いをおこなうにあたり、厚生労働省職業安定局長が定める項目のすべてに同意する旨の届出を労働局長に提出し、雇用関係給付金にかかる取り扱いをおこなう旨を示す標識の交付を受け、これを事業所内に掲げる職業紹介事業所等

以上のような業者が該当します。

そして、継続して雇用するという定義としては、

  • 対象となる労働者の年齢が65歳以上に達するまで雇用を継続
  • 該当雇用機関が継続して2年以上であること

を指します。

その他にも細かい要件がありますので、詳しくはこちらの資料か、厚生労働省の該当ページをご確認ください。


参考資料1:「特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・ 難治性疾患患者雇用開発コース)」について
「特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・ 難治性疾患患者雇用開発コース)」のご案内


参考資料2:「発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース」について
Ⅳ 発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース


情報参照元:厚生労働省ホームページ
特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)

実際の支給額は?

支給額は、企業規模や労働者の勤務時間に応じて変動します。


■短時間労働者以外の人、つまりフルタイム勤務の場合、

  • 中小企業:2年間で120万円、第一期〜第四期でそれぞれ30万円ずつ支給
  • 中小企業以外:1年間で50万円、第一期・第二期でそれぞれ25万円ずつ支給

■一週間の所定労働時間が、20時間以上30時間未満の短時間労働者の場合、

  • 中小企業:2年間で80万円、第一期〜第四期でそれぞれ20万円ずつ支給
  • 中小企業以外:1年間で30万円、第一期・第二期でそれぞれ15万円ずつ支給

以上のような支給額となっています。

ただし、支給対象期ごとの支給額は、支給対象期において対象となる労働者がおこなった労働に対して支払う賃金額を上限とされます。

また、企業が対象の労働者について、最低賃金法第7条の最低賃金の減額特例許可を受けている場合、支給対象期において対象労働者がおこなった労働に対して支払う賃金に中小企業は1/3、それ以外は1/4の助成率を乗じた額が支給されます。(各支給機ごとの支給額を上限とする)

実際に難病患者を雇う場合の配慮は?

実際に難病患者を雇うことになった場合、どのような配慮をしたらよいのか、会社としてどのような体制や方針で受け入れるか戸惑う部分も多くあると思います。

厚生労働省のホームページには難病患者を雇う場合の配慮の事例や、その他にも難病患者の雇用に関するさまざまな資料が用意されていますので、ぜひ参考にしてみてください。

難病患者への配慮の事例
難病のある方への職場における配慮事例のご紹介


また、以下の難病患者の雇用マニュアルでは、

・難病の定義
・難病患者を募集・採用する際の留意点
・業務配置、職場内の調整等における留意点
・職場定着と就業継続における留意点
・難病患者を採用した実例 

など、より詳しく書かれていますので、実際に難病患者の雇用に力を入れようと考えている企業は、バイブルとしてご一読いただければ幸いです。


難病患者の雇用マニュアル
難病のある人の雇用管理マニュアル|障害者職業総合センター NIVR

適切に雇用される世界を目指して

まだまだ、難病患者の雇用には多くの課題があります。

個人でできることやできないこと・症状は違うため、必要な配慮は変わってきますし、企業側も配慮としてできることやできないことがあると思います。

ですが、十分なすり合わせをおこなうことで、雇用の道筋が広がる可能性があります。

難病患者の雇用を過度に拒絶するのではなく、少し門戸を広げて難病患者の雇用にも目を向けてみませんか?
きっと、求めていたような社員を採用することができるかもしれません。

難病患者の雇用を、国も助成金として背中を押してくれています。
リスクが高いと躊躇していた企業も、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか?

このコラムが難病患者と企業の橋渡しになるよう、心より願っています。

Text by
xu

1998年生まれ。17歳の時に全身性エリテマトーデスを発症、22歳の時に線維筋痛症を併発。高校卒業後は広告代理店でライターとして勤務し、その後フォトスタジオの広報や大手ハウスメーカーの事務を経て、フリーのライターとして転身。現在は住宅関連サイトや医療情報サイトなど、各種メディアでの記事執筆をおこなう。noteでは、エッセイやショートショートなどの創作をおこなっており、1日のほとんどを執筆に注力している。

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