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ぼくはどこでこまったさん?自分の障害特性を理解するってどうすればいいの?

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2021.11.21

自分の障害について理解を深めて、他の人に説明するのは難しい。何から手をつけていいのかも迷います。今回は、発達障害当事者の僕がどうやって自分の特徴をとらえてきたのか、具体的な方法をお伝えします。

執筆:常磐 誠

自分の障害について理解を深めるってどうすればいいの?

みなさまパラちゃんねるカフェへご来訪いただきありがとうございます!常磐 誠でございます。

発達障害者が社会の中で生きていくために必要な事はいろいろあります。

まずはその第一歩。自分自身の特性についてはちゃんと考えていかなくちゃいけないことがありますよね。そう、自分の障害について理解を深めておくことです。今日はその一歩目の自己理解についてのライフハックをお伝えしていきたいな、と思っております。

その前に僕は以前から気になっていたことがあります。ライフハックや方法論のお話を読むのも、実行に移すのもけっこうエネルギーが必要です。

「しんどくてやれそうにない。」
「そもそも、やる気が起こらない、うまくいく気がしない。」

そんなあなたに必要なのは情報じゃなくて、休むことかもしれません。自分と向き合うことや、社会の役に立とうと努力することは、もう少し元気になってからにしてみてください。


あなたはどこでこまったさん?自分の障害特性をとらえるのはむずかしい

あなたは「ご自身の障害について説明をしてください」と言われて、スラスラと答えることができますか。

僕はADHD(注意欠如多動性障害)と、ASD(自閉スペクトラム症)の当事者ですが、発達障害から引き起こされる症状や障害について一言で説明することはできません。

発達障害は、詳しく見ていくと、ADHDや、ASD、学習障害(LD)などに分けられます。

詳細に言えば、ADHD=「注意欠如多動性障害」や、古い物言いですみませんが「アスペルガー型自閉症」「高機能自閉症」と呼ばれていて、今はASD=「自閉スペクトラム症」という名前を引っ提げてはみたものの、僕達はこの障害から引き起こされる症状=障害について他者へ一口に説明することができません。

それもそのはず。発達障害と言っても、人によって何で困っているかはちがいます。

僕達の持つこの障害はいくつかの(あるいはいくつもの?)共通項があっても、一人ひとりその強度や頻度、周囲への影響の与え方が異なるのです。人によって困っていることや、特性の強い箇所はちがうので捉えにくいのです。

加えて、僕はそんなに説明上手じゃありません。ただでさえ新しめの概念であるこの障害での困りポイントを他者に的確に伝え、理解してもらうことは容易い作業じゃありません。リスト化や言語化については非常に高いハードルが存在しています。

自分では自分がどんな人かは、見えづらいもの。そんな時は周囲の家族や友人に頼んでみましょう。就職活動の自己分析でも、周囲の人に自分の強みと弱みを聞いてみるのは定番。またの名を、他己分析。他者から見た自分について教えてもらえれば、自己理解も深まるはず。

どんな人に意見をもらいたいか?発達障害をオープンにしている相手で、知識や理解がある方が望ましい、なんて考えていくと突き当たるのが「そんな人、どこにいるんだ?」ってこと。僕はどうかって?もちろん、いませんけど。

これは困りました。どうすれば自分の障害についての理解が進むのでしょう。僕は説明が苦手な上、身近に発達障害のことを理解した上で「あなたはこういう特徴があるんじゃない?」と指摘してくれる人もいません。

真っ白な紙を渡されて「ここにあなたについて自由に書いてください。」と言われても「何を書いていいのかわからない」と困ってしまうのは僕だけではないはず。ある程度の枠組みはあった方が書きやすいのです。自己理解もそれと同じ。いきなり自分について理解しようとしても、とっかかりが無いと難しいです。



いきなり文章にせず、リストの質問に答えるところから始める

そんな僕達には強い味方がいます。インターネットで検索して出てくる発達障害の情報です。

主な症状のリストを印刷して「これは強く当てはまる。これはあんまり無い。へぇ、こんな症状あるんだ。知らなかった」と、そんな風にちゃんとまとめるのです。

ポイントはスマホやパソコンの画面上ですませようとせずに、一回プリントアウトをすること。めんどくさくても、紙にするこの一手間が後から効いてきます。

「あなたはどんな人ですか」と聞かれるよりも、「子どもの頃、忘れものが多かった」などの具体的な項目に対して、あてはまるかどうかを答えていく方が簡単です。1から5までの数字を使って頻度と強度をメモしておくのもオススメです。

たくさんの質問に答えたリストを作成するだけでも、かなり時間がかかります。それでも、このリストだけでは不十分で、今度は言語化する必要があります。リストから見えてくる特徴を、自分の言葉で説明できるようにしなくてはなりません。いつでも紙を相手に見せて時間をかけて読み込んでもらって理解してもらう、配慮をもらうことは望みようがないからです。

時間をかけて、苦労して作ったけれど、残念なことに相手だって暇とは限らない。時間をかけて伝えるべきことや理解してもらうようなことがあるように、その反対、パッと伝えてシュッとまとめる。そんな必要に駆られる瞬間が降りかかるのです。

頻度や強度について数値化された一覧を読みながら、特に強い症状についてまとめていきます。できれば、面倒くさくても紙に書き留めて。箇条書きだったりとか、自分にしか読めないような字だとか。それは気にしなくてOKです。人に見せたいなら、後で清書したりPCやらスマホやらに写したらいいんです。

これであなたの障害にまつわる自己紹介は出来上がりです。やった!まずは自分を褒めてあげてください。

障害にまつわる自己紹介は、何度でも更新できる

障害にまつわる自己紹介は、「一度作ったらそれで終わり」ではありません。このリストや原稿の良いところは「更新が出来る」ことです。
 
いい方向だと、経験を積んで成長していくこともあれば、悪い方向だと調子を崩して発達障害の症状も強く出るようになることもあるでしょう。

慣れてくればリスト片手に、いつかはリストもそらんじられるくらいになればそれさえもなしに、僕達は「自分はどんなことで困っているのか」を捉えることが出来るようになります。

他者への説明もそうですが、自分のことをちゃんと自分で理解してあげる。そういう視点で自分を大切に扱ってあげてください。

Text by
常磐 誠 twitter note

1988年11月11日午後1時11分に生まれる。昭和の余韻を残す時代の波に飲まれ、頻繁にやらかし&怒られエピソードを生み出したにも関わらず発達障害の診断を受けられないまま大学まで卒業。診断後もAD/HDやASD、繰り返す不眠と過眠によるたくさんのやらかしと怒られを繰り返しつつ、時折うつの波にも飲み込まれながら毎日をどんぶらこしている。

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