PARA CHANNEL Cage

全盲の視覚障害者が想うWEBアクセシビリティの現実と期待

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2022.2.27

皆さん、はじめまして♪
私は目が全く見えない全盲の視覚障害者です。そして、一応社員として働きつつもずっと転職活動もしている冴えない会社員です。そんな私が、いよいよオープンした求人サイト「パラちゃんねる」に登録した経緯とサイトへの想いをお伝えします。

執筆:愛美テミス Temisu Aimi

私は、現在勤務している会社に25年以上在籍しています。
本当は「働いている」と書きたいのですが、そうは書けないということが、転職を志望する所以です。

私が転職を視野に入れるようになったのは2014年のことです。
私は2008年ごろから会社に対して「パソコンの使用」を求め続けていたのですが、全く実現の見込みが立たず「積極的に仕事をするのをあきらめた」のが、2014年ということになります。

ここで、皆さんにも考えてほしいのです。

目が見えない障害者は、向上心を持って仕事に取り組んではいけないのでしょうか?

障害者なのだから、雇ってもらっていればそれだけで十分だと思わなければならないのでしょうか?

2014年以降、私はこの二つの問いを胸に抱きつつ、前向きな気持ちになったり凹んだりしながら生きています。前向きになれる理由としては、障害者差別解消法の改正やSDGsの普及で、社会が差別をなくそうという流れになってきているということがあります。

それでも…です。
日本における障害者雇用全体の数としては確実に増加しているにもかかわらず、視覚障害者の就労率は減少傾向にあるのです。つまるところ視覚障害、とくに全盲の就職・転職は障害者雇用の中でも、とくに困難な事案なのです。そういう理由で私は、とりあえず会社は辞めずに転職を目指すという日々を過ごしています。

ところで、読者の皆さんの中にも「目が見えないのにパソコンなんて使えるの?」と思っている方がいらっしゃるのではないでしょうか。

実際のところはスクリーンリーダーと呼ばれる画面読み上げソフトをパソコンに組み込むことで、目が見えない私たちでもパソコンを操作することが可能です。

私は現在、自身のITスキルの維持・向上を目的に副業として、文字起こしやWebアクセシビリティの診断業務などを在宅で請け負っています。受注から納品まで、すべて在宅でおこないます。パソコンとネット環境さえあれば、視覚障害者でも副業が可能なのです。

転職活動の一環として始めた副業ですが、私にとって今では、本業よりもはるかにやりがいのある仕事になっているのも事実です。

視覚障害者から見たアクセシビリティの現実

さて、実際の転職活動についてですが、そこで活用したいのが障害者に特化した求人サイトです。私自身、数社の大手サイトに登録をしています。

ここで再び、ところが…なのです。

障害者に特化しているはずのサイトにもかかわらず、視覚障害者が利用するにはハードルがとても高いのです。アクセシビリティが十分に確保されていないため、サイト利用には強靭な忍耐と膨大な時間が必要なのです。

例えば、

  • 質問項目の順序がバラバラでわかりづらい
  • フォームに適切なラベルが提供されていない
  • エラーメッセージが音声で通知されない
  • 突然、カーソルがどこかへ飛んでいってしまう

障害者専門を謳った会社ですらこんな状況なのですから、そうではない普通の企業はといえば言わずもがなです。

そういう理由で全盲の就活は、スタートからして困難極まる苦行だと私は感じています。そして、そんな気持ちで臨まざるを得ない就活の日々を送っています。

そんな私ですが、このたび、求人サイト『パラちゃんねる』のアクセシビリティ向上のためのアドバイザーとしてかかわらせていただくチャンスをいただきました。

まずは、スクリーンリーダー使用者でも、またマウスを使わなくても確実に登録ができること。そして、シンプルで、かつ誰にでもわかりやすい入力フォームであることを目指し、改善提案をしているところです。

今後は、掲載企業の閲覧が快適に可能かどうかのチェックも進めていく予定になっています。さらには、障害種別にかかわらず、質の高いきめ細かなマッチングが実現できるサイトを目指していきますので、どうぞご期待ください!

さいごに

読者の皆さんにお願いです。
求人サイト『パラちゃんねる』を利用した感想をドシドシお伝えください!

転職活動を長くやっている私のような当事者の意見が、実際に反映されています。
サイトの充実を願い、マイノリティの私たちだからこそ協力して育てていきましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました。

産業カウンセラー/JPA認定カウンセラー。
1973年生まれ、中途失明の冴えない会社員。
視力がだんだん失われていった10代から30代にかけて感じた恐怖と、社会からの疎外感を忘れることができない。誰もが優しくつながる社会を理想に掲げ、現在ライフワークとしてブラインドのためのITサポートやピアカウンセラーとして活動をしている。さらに、晴眼者のITサポーター養成にも取り組んでいる。

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