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受容できていますか?後天的な疾患や障害を受け入れるということ

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2022.7.4

後天的に疾患した、あるいは障害者となってしまった方は、どの程度自分の病気や障害に対して受容しているのでしょうか?

今まで自由だった身が、突然奪われるという感覚。失望・絶望・放心・怒りなど、さまざまな感情にさいなまれていたことだと思います。

今回は、後天的に患った自分の病気や障害に対して、受容しているかどうかについて書いていこうと思います。

執筆:xu

例えば、難病患者として受けているインタビューなんかでは聞かれるかもしれません。
「あなたは、自分の病気を受け入れていますか?」と。

ですが、まさかお仕事の面談の時に聞かれるとは思わないのではないでしょうか?

実はこれ、パラちゃんねるに応募した時の面談時に、代表の中塚さんがわたしに投げかけた言葉でした。
このタイミングで、そんなことを聞かれるとは思っていなかったわたしは、もちろん心底焦りました。

「こんな聞き方をしたら失礼かもしれないけれど」と前置きをしながら話を振った中塚さん。わたしも、「説明するのが難しいのですが」と前置きをして話を続けました。

「受け入れているか受け入れていないかと聞かれれば、正直わかりません。許す・許さないもなんだか違うし。今は、たちの悪い隣人ぐらいに思っています」

後天的な病気や障害を受け入れられるかどうか

面談時に中塚さんに聞かれて、改めて思いました。
後天的に病気になった方や障害者になってしまった方は、自分の状態をどの程度受け入れられているのでしょうか。

わたしの場合は、高校2年生の時にSLE(全身性エリテマトーデス)を発症しました。
もちろん、思春期真っ盛りの多感な時期。元の生活に戻れないことや、体育や外でのレクリエーションに参加できないことなど、さまざまなことに憤りを覚えていました。

「病気のせいで」
そう憎んだ時もあります。

もちろん、高校生のときだけではない。社会人になっても、その思いは消えることはありませんでした。

病気のせいで周りに迷惑をかける。病気さえなければあんなことができたのに。
行動が制限されるたびに、何度も悔やんだ記憶があります。

でも、いつからかそんな思いは消えました。

最初に悪化した日。そして、どんな治療を施しても身体の痛みが取れず、薬の副作用で筋力が落ち、絵に描いたような病人になってようやく悟りました。

もう、元には戻れないんだと。この身体と、この病気と向き合っていかなければいけないのだと、ようやく気づくことができました。

受け入れているかと問われると

一生、この病気と付き合っていかなければいけない。そう認めたものの、完全に受容できたのかと問われると、それは少し違うように感じます。

どちらかというと、諦めに近いのでしょうか。病気であることは、仕方のないこと。そういうふうに認識していました。

以前、お会いしたことのある患者さんは、「病気は一生つきあっていかなければいけない、たちの悪い隣人。身体に同居しているだけだから、憎んだりはしていないよ」とおっしゃっていました。

その言葉を聞いたとき、なんてこの方は強いんだと思いました。同じ高校2年生の時に発症し、わたしよりも重い症状に悩まされていたのにも関わらず、病気をほとんど受け入れているかのような発言に、がつんと頭を殴られたような心地がしました。

だから、わたしもその思いや言葉を借りることにしました。
一緒の身体に住んでいるだけ。そう思うと、気持ちが楽になるのを感じます。

無理に向き合わなくてもいい

ですが、必ずしも病気と向き合う必要はないと思います。
きっと、いずれ受け入れられるもの。でも、ずっと受け入れられなくても、仕方のないことだと思います。

わたしは、病気になってから、できなくなったことばかりを数えていました。
でも、それでは前を向くことはできなかった。ずっと卑屈で、どうせ病気だから、なんて諦めてばかりいました。

病気になっても、できることはいくらでもあります。病気だからこそ、できることもあります。
だから、決して病気であることや、障害である自分を責めないでください。できることを数えてみてください。

自分に優しくできるのは、自分を認めてあげられるのは、まぎれもなく自分だけだから。

Text by
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1998年生まれ。17歳の時に全身性エリテマトーデスを発症、22歳の時に線維筋痛症を併発した。高校卒業後は広告代理店でライターとして勤務し、その後フリーのライターとして独立。現在はライター業だけでなく、e-sports関連のB型事業所でも活動している。
趣味はゲームをすること。noteではショートショートなどの創作やエッセイなどを執筆している。

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