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車いすはどんな種類があるか?私の電動車いす紹介

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2022.6.18

私は日常生活で電動車いすを利用しています。車いすといっても種類も様々。そして車いすがどのような仕組みになっているのかを知らない方も多いのではないでしょうか。今回は私の電動車いすの紹介をしたいと思います。

執筆:佐々木 美紅 Miku Sasaki

私は脊髄性筋萎縮症という、生まれつきの病気のため、電動車いすで生活しています。

脊髄性筋萎縮症とは、体幹、腕、脚など全身の筋肉を動かす脊髄の細胞に異常があり、筋力が低下していく進行性の難病です。

車いすといっても種類も様々。そして車いすがどのような仕組みになっているのか知らない方も多いのではないでしょうか。

今回は、車いすにはどのような種類があるのかをお伝えした上で、私の電動車いすの紹介をしたいと思います。

車いすはどんな種類があるのか

車いすには、自走式、介助用、電動、リクライニングタイプ、競技用など様々な種類があります。

自走式車いす
タイヤの外側にハンドリムという輪がついていて、自分でこぐと車いすが動くタイプのものです。一般的に車いすというと、こちらのタイプを想像する方が多いのではないでしょうか?

自分でこぐだけでなく、介助者が後ろから押して使用することもできます。

自走式の車いすは、タイヤの横に手でこぐハンドルがあります。後ろから押してもらうこともできる一般的な形の車いすです。

介助用車いす
介助者が後ろから押して操作するタイプの車いすです。 自走式車いすとはちがい、自分でこぐ輪がありません。車輪が小さくコンパクトなものが多いです。

介助用車いすは手でこぐハンドルがついておらず、車輪も小さめで全体的にコンパクト。

電動車いす
電動機が備わっている車いすのことです。標準型は、ジョイスティックと呼ばれるレバーを使って、使用者が運転できるタイプです。介助者が操作する電動車いすもあります。

電動車いすは右手のところに操縦するハンドルであるジョイスティックがあります。

リクライニングタイプ、競技用車いす
上の三種類に比べると見かける頻度はぐっと減りますが、他にも背もたれの角度を変えられるリクライニングタイプの車いすや、スポーツをするときに使用される競技用の車いすもあります。

競技用車いすは、スポーツによって形が変わります。画像は車いすバスケの競技用車いす。

私の電動車いすの特徴

私は電動車いすに乗っているので、どのような経緯で購入し、どんなものなのか詳しく説明していきたいと思います。

子供の頃は介助用車いすに近いバギーというものを使用していましたが、4歳のころに自分の体の大きさに合わせて小さな自分でこぐタイプの車いすを作ってもらいました。体のサイズを測り、何種類かある車いすの生地から自分の好きなものを選ぶことができます。赤のチェック柄や、クマの柄がついたものまでありました。

成長すると共に病気が進行し、車いすを自分でこぐことができなくなり、電動車いすを使用することになったのです。

初めて使用したのは、簡易型の電動車いすです。操作方法は普通の電動車いすと変わりがないのですが、 コンパクトで折りたたみができるものでした。

当時使用していた簡易型電動車いすはタイヤが細すぎて少し不安定だったことに加えて、外に出て利用するのにはバッテリーの持ちがあまり良くなかったため、現在の電動車いすに切り替えることにしました。

私が実際に使っている車いすです。

今使っている車いすは、SUZUKI MC3000というタイプ。タイヤが太く、安定感があり、2センチほどの段差であればなんとか上がれます。

バッテリーは、1日24キロ走れると言われています。まっすぐな道を走った場合なので、坂道を走る場合にはバッテリーの消費は激しくなりますが、旅行で1日中移動したときでも、バッテリーが足りなくなることはありませんでした。

ただ、折りたたむことができないので、普通の車に乗せることは難しいです。私が乗れる車は、車いすに乗ったまま車に乗り降りができるようなスロープつきの福祉車両に限られてしまいます。

スロープ付きの福祉車両。電動車いすに乗ったまま、車に乗り込むことができます。

よく質問されること

「バッテリーはどうやって充電するの?」
バッテリーは一般の家庭用のコンセントで充電しています。寝ている時に充電していることが多いです。バッテリーは何年か使っていると持ちが悪くなってくるので交換してもらうこともあります。

「車いすを購入するときどのくらいの負担額があるの?」
電動車いすは高級なイメージがあると思いますが、身体障害者手帳所持者又は難病患者などが各市町村の役所に申請を行い、その申請が通れば、 日常生活用具として支給してもらうことができます。その場合、申請者の収入によって負担額が変わってきます。詳しくは自分のお住まいの役所に確認していただければと思います。

「運転するのに免許は必要なの?」
免許は必要ありません。電動車いすは道路交通法で歩行者として扱われます。私は歩行者として歩道を歩いていますが、誰かにぶつかってしまわないように細心の注意を払いながら運転するようにしています。


まとめ

車いすには様々な形や種類があり、その人の生活や目的に合わせて選ぶ必要があります。

電動車いすは便利なものですが、 雪の上では限界がありますし、線路などを通るときは、タイヤがハマってしまわないか不安に思うこともあります。

車いすに座っていると背が低いので大きなトラックが来たときなども見えていないのではないかと怖くなります。

しかし、電動車いすを利用することによって、外出の範囲が広がり、仕事にも行くことができていたので、とてもありがたかったです。

今回の電動車いすの記事が誰かの役に立てば幸いです。

脊髄性筋委縮症のため、電動車椅子。コミュニティFMラジオで番組を担当。十三年務めた旅行会社で、通勤とテレワークを経験。障害者の就労、恋愛、結婚、アルコール依存症の母と過ごした日々などを、発信。体は動かないが世界とつながりたい。NHK障害福祉賞優秀賞。ライターとして執筆にも力を入れている。

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