PARA CHANNEL Cage

数値的なゴールにとらわれない本質的なD&Iの取り組み 株式会社メルカリ Annotation &Business Supportチーム マネージャー三井規靖さん、佐々木康介さん、海野優子さんインタビュー

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2022.7.27

『パラちゃんねるカフェ』がお届けする障がい者雇用に取り組む企業インタビュー。今回は、2022年8月5日開催の障がい学生を対象とした無料オンラインキャリアセミナーの事前インタビューとして株式会社メルカリのAnnotation & Business Supportチーム マネージャー三井規靖(みついのりやす)さん、佐々木康介(ささきこうすけ)さん、海野優子(うみのゆうこ)さんにDiversity & Inclusionにおける障がい者雇用の現状についてお話を伺いました。

執筆:株式会社メルカリ

はじめに

株式会社メルカリは、月間利用社数2,069万人、累計出品数25億品を誇る日本最大のフリマアプリ「メルカリ」を運営しています。2013年に設立後、わずか5年で東証マザーズ上場(※今年6月にプライム市場へ変更)を果たした同社は、「新たな価値を生みだす世界的マーケットプレイスを創る」というミッションを掲げ、個々の多様性とスキルを活かした、世界的に競争力のあるチームづくりを推進しています。

今回は、株式会社メルカリのAnnotation & Business Supportチーム 三井さん、佐々木さん、海野さんにDiversity & Inclusionにおける障がい者雇用の現状についてお話を伺いました。

『パラちゃんねるカフェ』がお届けする障がい者雇用に取り組む企業インタビュー。障がい者雇用を推進している企業やこれから働こうとしている障がいのある皆さまに、ぜひ読んでいただければ幸いです。

メルカリが掲げるD&Iステートメント

メルカリにおけるD&Iの取り組みは、2018年にz-diversityとして部活動から始まり、2019年にD&Iチームとして設立、D&Iステートメントが発表されました。Diversity & Inclusionへの取り組みが始まった経緯について教えてください。


創業当初よりグローバルを視野に展開してきたメルカリは、現在東京オフィスでは約40か国からメンバーが集まっています。ジェンダー・アイデンティティー、性表現、性的指向、宗教、信条、ニューロ(脳や神経)、障がい、民族、国籍、人種、年齢など多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まる中で、「経験・知識・意見を集結し、心地良く働ける」ことが社内で浸透してはじめて、世界中の顧客のニーズに応えることができるのではないか、私たちのミッションを達成できるのではないかと考えるようになったことが始まりです。

D&Iステートメントでは、Diversity & Inclusionを推進するうえで大切なことは数値的なゴール設定をしないこととしています。数値にとらわれた意思決定は多様性を尊重するためには適していないと示していますが、数値的なゴールがない中でどのようにD&Iを推進しているのでしょうか。


各部門・グループ会社の代表メンバーなどとD&Iチームを中心に構成されたCEO直下の社内委員会「D&I Council」があると共に社員の自発的な参加で運営されるボトムアップ式のコミュニティによりD&Iが推進されています


コミュニティには、性別を理由にしない、フェアなチャンス提供を目指すWomen@Mercari、多文化・多国籍・多言語など異なるバックグラウンドを理解するための支え合う機会をつくるMulticultural@Mercari、LGBT+とアライに関する理解を促進するPride@Mercariがあり、それぞれのコミュニティが自発的にイベントやワークショップを開催しています。そして、現在は障がいに関するコミュニティの立ち上げ準備が進んでいます。

こうしたコミュニティでの活動に加え、全社でのD&Iディスカッション、アンコンシャス・バイアストレーニングなどを実施することで、ひとりひとりの行動促進を図っています。また、会社としては、不平等を生みだす構造を発見・是正し続けていく内発的なアプローチが重要であると考え、組織や事業の成長につながる本質的なDiversity & Inclusionを推進しています。

Diversity & Inclusionの中にある障がい者雇用とは

2022年5月時点の障がい者実雇用率は2.42%となっています。障がい者雇用における具体的な取り組みを教えてください。


メルカリでは、プロフェッショナルとしてアスリート業務に取り組むmercari ATHLETESと社内業務に取り組むAnnotation & Business Supportチームがあります。

Annotation & Business Supportチームでは、身体障がい(身体・聴覚)、精神障がい、発達障がいのあるメンバーが中心となりアプリ開発のサポートとして画像データのタグ付け、機械学習のデータ作成・成形、バーコード出品用のデータ成形などのAnnotation業務と人事部内で発生する入退社手続き・管理、各種ツールメンテナンスやイベントサポートなどのBusiness Support業務に従事しています。


一般的に就労部署を集約することでそれぞれのニーズに合わせた職場環境や業務フローの整備が可能となり、業務の効率化と生産性の向上、精神的負荷の軽減へと繋がると言われています。障がい者雇用を促進する中で起きた変化はありますでしょうか?


障がい者雇用に限らずD&Iへ取り組む中でハイコンテクストからローコンテクストへの変化がみられています。似た属性が集まると阿吽の呼吸を前提とした業務遂行が発生しがちですが、多種多様な属性が集まることで情報を同時に同質でキャッチできることが前提として求められ、結果的に業務の標準化が必要になります。誰が従事しても同じ理解・解釈ができて、同じ業務遂行ができなければいけないと考えるカルチャーができつつあります。


障害に関するコミュニティが2022年より始動します。今後の展開について教えてください


まずは今年中にステートメントを発表したいと思っています。活動を通じて社内の意識を醸成するとともに雇用機会の創出や職域の拡大も模索していきます。障がいのあるメンバーが働きやすい組織は誰もが働きやすい組織であり、活動を通して得た知識・経験を仕組みや制度として設計できたらと考えています。最終的にはプロダクトのアクセシビリティ向上など社内に働きかけを行い、関係部署との連携を図りながら実現に向けて動いていきたいです。

さいごに

2022年8月5日(金)にNPO法人Collableと共同で障がい学生を対象としたセミナーが開催されます。さいごにメッセージをお願いします。


>三井さん
メルカリのメンバーは多様なバックグラウンドを持っています。それぞれが平坦な道ではなく、困難も多かったはずですが、自分自身に向き合い続け、素晴らしいアウトプットを実現しています。キャリアを考えたことのない方の考えるきっかけになれば幸いです。

>海野さん
障がいがあるから障がい者枠で働かないといけないと思い込んでいる人も少なくありません。特定のコミュニティの中にいるとその生活が当たり前になり、選択肢に疑問を持つことも少なくないように思います。一度、その固定観念を失くして、自分自身は何がしたいのか、どんなキャリアを歩みたいのか、主体性を持って考える機会としてほしいです。

>佐々木さん
障がい特性を持つことがマイナスになるのではと不安になる人も多いと思います。例えば聴覚障がいのあるメンバーは事前準備により相互の意思疎通を違和感なく行い、曖昧な指示が苦手な発達障がいのあるメンバーとは、伝え方を相互に調整することでスムーズなやりとりを実現しています。いずれの例も組織にとってプラスの学びが多いということです。ぜひマイナス面ではなくプラス面に視野を持ち、自信をもって就活や仕事に取り組んでいただきたいです。

取材後記

「Diversity & Inclusion」のみならず、全ての企業活動において数値設定を前提としているのが現状ではないでしょうか。

言葉の本質を見た働きかけとして、会社や組織が陥りがちな数値的なゴールによるものではなく、そこに関わる全ての個人の思想や行動によって示されるはずと捉えた活動指針はとても印象的でした。

メルカリで働くメンバーはどんな想いを持っているのか、ぜひセミナーに参加して当事者の声を聞いてみたいと思います。

株式会社メルカリは、「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」をミッションに、フリマアプリ「メルカリ」の開発・運用を行っています。世の中には価値があるモノが捨てられてしまうなど、地球資源が無駄になっていることが多いと私たちは考えています。個人間で簡単かつ安全にモノを売買できる「メルカリ」を日本とUSで展開しています。また、グループ会社の株式会社メルペイでは、「信用を創造して、なめらかな社会を創る」をミッションに、スマホ決済サービス「メルペイ」をはじめとする金融関連の新規事業に取り組んでいます。

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