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ADHDの私が考えるデザインという仕事の魅力

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2022.9.6

デザイナーと聞くとなんだか華やかな仕事のように思われるかもしれませんが、実は地味で目立たない仕事がほとんど。それでも、私がデザイナーを続ける理由はこの仕事が好きだから。今回は、私がデザイナーという仕事に感じる魅力についてご紹介します。

執筆:とくら じゅん

こんにちは、とくらです。

私は今、デザイナーという仕事をしています。

おそらく原点は、学生時代にイラストレーターというデザインソフトを使う作業をしたことがある、ということです。

それから大学を卒業後、細々と年賀状や自分の結婚式の小物などをデザインすることはありましたが、特別に勉強して仕事にするようなことはありませんでした。

紆余曲折あり、事務職からデザイン職へ転向することになり、この経験は少なからず活かされることになりましたが、もちろんきちんとした基礎があるわけでも実務経験があるわけでもないため、毎日勉強と試行錯誤を繰り返しています。

デザイナーという仕事を続ける理由

現在は、主にグラフィックデザイナーという仕事をしており、DTPと呼ばれる印刷物のデータの作成やWebデザインを行うこともあります。

チラシやポスター、Web広告のような広告媒体の制作に携わることが多く、印刷物やWebサイトのような平面でのデザインを行っています。

デザイナーというと、なんだか華やかな仕事のように思われるかもしれませんが、実のところ、表に出る仕事の裏側にある地味で目立たない作業がほとんどです。文字間を詰めて、写真の色味を調整して、微妙な配置の調整や画像の修正、関係する人とのやりとりをしてまた修正…。

制作したものだけを見て「クリエイティブでカッコいい!」という印象を持たれることも多いのですが、クリエイティブでカッコいい要素は全行程の1%くらいだと思います。

それでもなぜ私がデザイナーという仕事を続けているのかと言えば「好きだから」という一言に尽きます。

向いているのかどうかは分かりませんが(向き不向きで言えば、正直それほど向いていないのではないかとすら思います)、仕事をしている時間がとても楽しく、更に技術を磨いていきたいという気持ちがあるからです。

前置きが長くなりましたが、今回は私がデザイナーという仕事に感じる魅力についてご紹介したいと思います。

①成果物が本当に「目に見える」


どんな仕事にも成果物が発生しますが、中でもデザイナーは最もわかりやすく成果物が目に見える・手に取れる仕事のうちの一つです。

自分が制作したものが街中で配られる、web上に表示される、人が手に取って使用する…
さまざまな場面で自分の成果を見てくれる人が居て、自分が見ることもできる分かりやすさ。すぐに結果が欲しい人にはかなり良い仕事ではないかと思います。

もちろん長期にわたるプロジェクトの中の一部分を担っている場合、目に見えるようになるまでに相応な時間はかかりますが、自分の仕事が確実に見える形になるというのは嬉しいものですよね。

事務仕事をしていた時には、得ることが難しかった達成感があります。

誰かに「あれ見たよ」「良かったよ」なんて言われた日には有頂天です(もちろん多くの人の目に触れる制作ばかりではありませんし、人から評価を聞くことはごく稀ですが)。

②無限に研鑽できる


これもあらゆる職種に言えることですが、無限に自分の技術を研鑽することが可能です。

殊更、デザインという仕事は、理論・技術・トレンド...などなど無限にインプットし続ける必要があります。技術やトレンドは日々アップデートされていくため、常にアンテナを張っておかなくてはなりません。もちろん、制作に携わる業界や、ターゲットとする人についての理解も必要になり、毎日が勉強です。

私はADHDの特性上、多くのことに興味が惹かれ、色々なことに手を出しがちです。おそらく、この特性がひたすら雑食にインプットしまくるという作業に役立っているような気がします。

「面白い」と思えるものが多ければ多いほど、吸収できる幅が広がります。

知識と技術の両方が必要になるデザイナーは、実はこの特性に非常に合致した職業だったのかもしれません。

また、自分が制作しているものに対して(もちろん納期の範囲ではありますが)こだわりを詰め込んで詰め込んで提出することができます。自分が勉強してきたことが何かしらアウトプットを良くする裏付けになるのです。

これは、デザインという一つの作業に集中して力を注ぎこむことができるからだと思います。

事務職としてさまざまな作業を並行して行う必要があった頃は日々あたふたしていっぱいいっぱいになっていましたが、今は一つのことに全力を出せる楽しさと気楽さがあります。

③技術の向上が分かりやすい


これは組織の体質によるかもしれませんが、デザイナーという仕事には細かい評価の低下が少ないような気がします。

事務職に就いていた頃は、細かなミスが積み重なって、とにかく自分でも「仕事ができない」「周りはできることがなぜ自分はできないのか」と悲しくなることも多くありました。ミスをしないことが第一で、より良くしていく幅も非常に小さいため、自分の評価を上げることも難しかったように思います。

しかし、デザイナーとして働くようになってからは、減点され続けることは少なく、技術の向上に伴って、わかりやすく評価をされるようになりました。

勉強して練習して、受注して納品して…という毎日の中で、自分の技術が向上していることが目に見えてわかるのです。

事務仕事をしていたときに「半年前に比べて請求書の仕上がりが良くなったな」と思うことはありませんでしたが、今は半年前の納品物と比較して明らかに成果物の仕上がりが良くなっています。

社内でも技術向上はきちんと評価されているため、自分が成長していることを感じることができます。

まとめ

どんな仕事でも日々学び続けることが必要です。その学習について興味を持つことができるかということは、仕事を選ぶ上でとても大切な基準だと思います。

デザインという仕事をする中で必要な学習が自分にとても合っていたことがこの仕事を楽しく続けられる大きな要因でした。

また、今は仕事や趣味にそれほど大きな影響を与えないものでも、面白そうだと思ったことを色々やってみるということは、将来的に何かに役立つ場面もあるかもしれません。

飽きっぽい・興味が次々と移ってしまうと言われるADHDの特性ですが、上手くはまればどこかで「悪くなかったかも」と思うこともあるかもしれませんね。

1991年生まれ。下町暮らしのフリーライター・イラストレーター。出産後ADHDの診断を受ける。様々な立場の生きづらさを考えていきたい人。

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