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失敗を恐れていた私に自信が芽生えるまで

~それはきっと必要な失敗だった

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2023.2.17

私には以前「仕事でミスを指摘されるとすぐに謝るクセ」がありました。

これには理由があります。

最初のアルバイト先が、よろしくない職場だったからです。

薄々と「なんか変だな?」と違和感を感じながら働いていました。
就労支援も行う勤務先だったので、次の就労先を探しつつ働き方について話し合いもするという環境でした。

今回、同じような環境で働く方の参考になればとその頃の経験を書くことにしました。

執筆:中川 夜 Yoru Nakagawa

失敗は悪いものではない?

最初の職場で働いていたときのこと。

あるとき突然、威圧的な物言いで「そんな態度で働かれて困る」と言われました。

そして、〝中川さんのための特別会議〟として、先輩たちから否定的な言葉を一斉に浴びました。

そこで受けたダメージは相当なもので、その職場を辞めた後もなかなか忘れることができませんでした。

心の傷は癒えないまま、次の職場で研修に入りました。

そこでの仕事は全くの未経験だったため失敗ばかりで、その度に「ごめんなさい!」とパニックになって謝っていました。

そして「気をつけます」と念押しのように何度も、一緒に組んで仕事をしていた先輩に伝えていました。

何度も何度も、パニック→謝る→「気を付けます」を繰り返すので、先輩は流石に不審に感じたようです。

ある日、「どうして、そんなに申し訳なさそうにするの?」と尋ねられました。

その時、私は最初の職場での辛い出来事をフラッシュバックしそうになり、答えられませんでした。

モゴモゴしていると…。

先輩は、
「自分は失敗を悪いものとは思っていないんだよね。何度も教えるから、遠慮なく、どんどん間違えてほしいと思っている」
と言ってくれました。

正直、その時は「先輩は何を言っているんだろう?」と思いました。

「すぐに謝るクセ」が改善されたきっかけ

そのうち、私が失敗すると、先輩は「何で、こうなったの?」と聞くようになりました。

初めのうちは、私はその度にビビっていました。

が、少しずつ慣れてくると、先輩は笑いながら
「ネガティブにならんでください!(笑)」
とツッコミを入れてくれるようになりました。

そしてある日、私の「すぐに謝るクセ」が改善されるような、きっかけを頂きました。

それは、先輩から

「中川さんとは末長く仕事をしていきたいと思っているから、あえて細かいことも指摘しています。これは自分のためでもあるんです」

と言われたことです。心が軽くなりました。

その他にも温かいフィードバックを頂くことが何度もありました。

私は、やがて、指摘を受けた時にはまず、
「ご指摘を頂き、ありがとうございます」
と伝えるようになりました。

先輩からもその時、お礼をもらうと、
「あ、言いたくて指摘しているわけじゃないんだな」
と、上の立場だから抱える必要のある、先輩のプレッシャーを垣間見ることができました。

「報・連・相」が信頼関係につながる

次の職場では信頼関係の構築を意識しながら仕事をしていました。

何故かというと、前の職場で先輩との信頼関係ができたことから、意思疎通がスムーズにいった経験ができたからです。そして、仕事の効率がアップするだけではなく、お互いにモチベーションが向上することを感じました。

だから、次の職場でも「まずは信頼関係を作ろう」と思いました。
まず、上司に信用して頂けるように〝報連相〟を意識していました。

自分でも「ちょっとうるさいかな?」位、報連相をしていました。

しかし、上司からは、
「いつも、報連相してくれるので助かっています」
との言葉を頂きました。

「どのような言い方であれば相手にとって気持ち良い伝え方になるか?」
を私はいつも意識していました。

というのも。
「上司は基本的に忙しい。それなのに、わざわざ立ち止まって聞いてくれる。折角なら、“伝えてくれてありがとう”と思ってくれるような内容にしたい」
と思っていたからです。

そうした積み重ねがあったことから、早い段階で、
「アルバイトから契約社員へのステップアップも、もしかしたら目指せると思いますよ」
と上司からは言われていました。

その後、現在のライターの仕事を始めて、これまでの体験・経験によって、
「相手はなぜそのような指摘や発言をしたのだろう?」
といった相手のバックグラウンド(背景)を気にしながら仕事をするようになりました。

それから「それは何でだろう?」と考え続ける習慣もできました。

それはすべて「必要な失敗」だった

これまでの職場を経験して、“相手はどんなことを望んでいるのか?”を想像し、コミュニケーションを重ねていくようになりました。

そのことを通して、相手のバックグラウンドを汲み取る力がつき、「相手も相手なりに事情があって指摘や発言している」と気づくようになりました。

やがて「失敗」は、恐れるものではなく、「試行錯誤をした一つの結果」にしか過ぎないと思うようになりました。

これまでの失敗は、結果的に「すべて必要な失敗だった!」と肯定できています。
その結果、今では絶対的な自信がだんだんと芽生えるようになりました。

以上。

このコラムを通して

「失敗はあなたの成長を助けてくれる貴重な経験」

と思えるものになれば幸いです。

生まれつき、耳が聴こえない。
が、大人達から「聴者」のように接され、中学生から不登校に。
人間関係が原因で、20代前半に幻聴がきこえ、病院で統合失調症と判断される。リハビリ後、一般就労先で「これまで原因は貴方にあったのではなく背景に外的要因があったから」という会話らとの出会いをきっかけに、深い心理的安全を得る。その経験を元にコラムを書くことに至った。

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