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バリアフリートイレは誰のためのもの?

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2023.3.13

色々な施設で多く見かけるようになった「バリアフリートイレ」ですが、利用したことはありますか?
私は最近、バリアフリートイレの利用が必須になってきた中で気付いたことがあります。

みんなに優しいトイレだからこそ、考えて欲しいこと。
感じたことを書いてみます。

執筆:山口 真未 Mami Yamaguchi

「バリアフリートイレ」ってご存知ですか?

概ね扉の入口に、大きめに車イスマークのある、中が広いトイレですね。

最近は大きい施設であれば、ほぼ1カ所は見かけるようになりました。
実は私自身は、ここ数年でこのトイレの利用が必須に。

昔は普通のトイレでもOKだったのですが、近ごろは椅子から立ち上がる筋力が弱くなりつつあります。まさか中に入って利用してから、立てない…では困るため、最近は必ずバリアフリートイレを利用するようにしています。

見かけたことはある方も多いと思いますが、中に入ったことはないかも、という方へ補足をしますね。

実はバリアフリートイレは、多くの場合、車イスを使う方だけのものでもありません。

中にはベビーベッドが併設されていることも多く、パパママの方は良く使う、使ったという方もいらっしゃるはず。みんなに優しいトイレでもある、ということですね。

ただこの「みんなに優しい」がネックになることもあります。

バリアフリートイレは誰が利用するもの?

車イスを使う人以外にも、私のように手すりが必要で使いたい人、介護が必要なため複数人で入りたい人、ベビーベッドでおむつ替えをしたいパパママなど。利用する人は多岐にわたっています。

実際、トイレの前では色々な方と「お待たせしました~」と言い合うことが多いです。

私自身、今は杖をついたり、車イスを利用したりする機会も多くなったため、パッと見て身体が不自由だと分かってもらえる状態になりましたが、見た目では分からないけど、バリアフリートイレの利用が必須な方もいらっしゃると思います。

ただ、そこで疑問に思うことも。

本当にその全ての人が、バリアフリートイレの利用が必須なのだろうか?ということ。

みんなに優しいトイレなので、基本的には誰が利用してもOKなものです。

ただ、利用が「必須な人」なのか、利用を「したい人」なのか。

この二つは似通っているようで、大きく変わります。

例えば私の場合は、手すりとトイレの座面の高さあることが重要。一般のトイレでも手すりがあることが多くなりましたが、足元にゴミ箱など色々なものがあるために、実際に中で立てなくなったことがあります。多くの場合、家族と出掛けているためヘルプを求めますが、1人の外出だったらと思うと怖いですよね。

何度かそんな経験をしたため、最近ではバリアフリートイレの利用を必須にしています。

大きな施設では、一般トイレも充実している

先日、とあるテーマパークへ遊びに行ったときのこと。

子どもから大人まで幅広い世代に人気のパークということもあり、ほとんどのトイレエリアにバリアフリートイレが併設されていました。

私もありがたく利用しましたが、毎回トイレタイムに数十分以上かかってしまいました。理由は単純で、他の方が利用しているための待ち時間。

1カ所のトイレエリアにバリアフリートイレがたくさんあるわけではないので、誰か他の利用者がいれば、当然のように順番待ちです。

ただ私が待っていたときに出てきたのは、ほとんどがパパさんかママさん。おそらくおむつ替えかな?という小さなお子さん連れです。

バリアフリートイレの中におむつ替えの台があるので、パパママなら当然のように思うかもしれません。でも実は、このテーマパークでは、おむつ替えの台は一般トイレにも複数あるのです。

簡単に言えば、おむつ替えをするだけなら、バリアフリートイレでなくてもいいのです。

実際にトイレの入口付近でスタッフの方が呼び込みのように「おむつ替えの台はこちらのトイレの中にもございまーす!」と案内をしていました。それを聞いて、バリアフリートイレに並んでいた方がベビーカーを押しながら一般トイレに入っていく姿も度々見かけました。

場所ごとに色々な事情があるのも事実ですが、ちょっと一般トイレをのぞいてみたりして、本当にバリアフリートイレでなくてはいけないのか、考えてみてもらえると嬉しいなと思います。

みんなに優しいからこそ、本当に必要?の視点で

バリアフリートイレは皆に優しいトイレですが、利用する立場によって使う理由は様々です。

今は本当に多機能になっていて、様々な事情がある人が利用できるようになりました。

ただ利用する理由によって、バリアフリートイレが必須な場合も、そうでない場合もあります。実は利用しなくても、他の選択肢で十分だったなんて、トイレ以外でも「あるあるなお話」ですよね。

みんなに優しいトイレだからこそ、利用する人も「みんなに優しい選択」をして欲しいと思います。

1990年生まれ。障害者ファイナンシャルプランナー(FP)。生まれつき”筋ジスの仲間”と言われつつも、正式な「ベスレムミオパチー」の診断は大人になってから。高卒・障害者雇用で大手鉄道会社の事務で10年以上勤務したが、病気の悪化により退職。そこで改めて、お金の大切さに気付く。現在は、障害者だからあるお金の悩みと寄り添いたく、障害者FPとして活動中。

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