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パニック障害持ちの私がメンタルの健康のために行っている習慣。

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2021.6.1

私がはじめて精神科を受診した約8年前、ADHDよりもパニック障害に困っていました。だからこそ、仕事からくるメンタル不調への取り組みは大事にしています。今回は、私がメンタルの健康維持のためにしている習慣とポイントをご紹介します。ADHDやパニック障害に限らず、メンタルの不調を抱えやすい方は参考にしてみてください。

執筆:森本 しおり Morimoto Shiori

はじめに

私がはじめて精神科を受診した約8年前は、ADHDよりもパニック障害に困っていました。

私は大人の発達障害ではありますが、症状的にはメンタルのアップダウンのほうが激しかったのです。

だからこそ、メンタルの不調の予防、回復は死活問題。特に仕事からくるメンタル不調への取り組みは大事にしています。

今回は、私がメンタルの健康維持のためにしている習慣とポイントをご紹介します。ADHDやパニック障害に限らず、メンタルの不調を抱えやすい方は参考にしてみてください。


① ざっくりと予定を組む

1つ目は「ざっくりと予定を組む」です。

忙しいときに別の用事を入れない、時間が空いているときに積極的に新しい挑戦をします。細かく予定を入れずに、ざっくりと・余裕をもって・カツカツにしないことを大切にしています。

これは、1日の業務スケジュールにおいても同様です。

また、私の場合、仕事柄、夏が忙しくなると分かっているので、夏はプライベートの予定を意識的に減らします。調整できそうな予定は、前後にずらしてもらいます。

② 記録する

2つ目は「記録する」です。

仕事の予定、時間などに限らず、プライベートの予定や変化、心や体調の変化を記録することです。精神疾患があるなら、症状も記録することをおすすめします。

たとえば、私は手帳にパニック障害が出た日、風邪をひいた日、生理の周期、ざっくりとした休日の過ごし方を書きこんでいます。

細かく事実を記録するというよりも、自分の変化がとらえられればOKで、記録を読み返すことで自分の心身の状態変化の傾向をつかむこともできます。

③ 振り返りをする

3つ目は「振り返りをする」です。

病院に行くと必ず尋ねられる「最近、調子はどう?」の質問を自分で自分にすることです。

私は、1週間ごとに心、体、仕事の3つで「今週は睡眠の質が悪かったので、心が☆2つ」など、5段階評価をつけています。

日記は続きませんが、1か月ごとだと調整が追い付かないので1週間おきで定着しました。

決まった曜日・時間に行うことで「そういえば、今週、調子悪かったかも」と早めに気づけます。

④ アップダウンの調整をする

4つ目は「アップダウンの調整をする」です。

通院であれば、薬の内容を決める段階です。

私は、振り返りの段階で「最近、忙しすぎたからか、体が重たい。」と気づいたら、早めに休むようにします。退屈していれば、思い切って新しい挑戦を始めます。

気持ちの波が上がるときも下がるときも、行き過ぎないように、反対側に引っ張るイメージです。

「自分」に関するデータを蓄積させて、傾向をつかむ

この4つを意識し、行動を起こし続ければ「自分はどういうときに不調になりやすいか」や「どんなことをすれば、回復できるか」のノウハウが蓄積してきます。

仕事でメンタル不調に陥りやすいときは、陥ったときのデータを見返すことで、原因や背景を知ることができます。最初は面倒ですが、習慣になれば楽になってきます。

把握できれば、傾向をつかむことができるので、予防や対策が見えてきます。ここからは私自身の予防と対策をお伝えします。なにかのヒントになれば幸いです。



ポイント①自分の不調のサインを知る

まずは「自分の不調のサインを知る」ことです。

不調のサインは人によってちがいます。みんな、自分の弱いところに出るようです。お腹や頭が痛くなったりする方も多いはず。

たとえば、私なら身体症状は「のどが詰まった感じで息苦しい、肩や背中が痛くなる、朝起きられなくなる、生理が遅れる」などがあります。

ADHDの症状も出てくるので「時間の見積もりに失敗する、いつもの電車に乗れない」などまで出てきたら、黄色信号です。

「不調が出やすいところ」を把握しておくと、深刻になる前に対処できます。

ポイント②緊急時の対応を決めておく

次は「緊急時の対応を決めておく」ことです。

緊急時はいつもよりも頭が働かず、判断力も鈍く、強い意志も持てません。だからこそ、元気なときに緊急時に対応を決めておくと楽です。

私は「緊急時にはカウンセリングに行く」と、決めています。

月に1回、漢方の通院に行っているので、「私の調子が悪そうなら、カウンセリングに行けと言ってください」と頼んであります。自分の状況を客観的に評価してくれる存在を見つけておくことも大事です。

「自分で気づいていないけれど、調子が悪い」ときが一番大変なのです。

まとめ

私がメンタルの健康維持のために行っている習慣とポイントでした。仕事が原因で出てくることもありますが、今は仕事もプライベートもひっくるめて考えています。

アップダウンの振れ幅が大きくなりすぎないように、予防と調整、回復をしていくイメージです。そのためには、一歩引いた目線で自分を観察する必要があります。

細かく実践しなくても、自分の変化をとらえて調整できるようになればOKではないでしょうか。5月、6月はメンタルが落ちやすい時期とも言われていますが、なんとか乗り切っていきましょう。

1988年生まれ。「何事も一生懸命」なADHD当事者ライター。
就職後1年でパニック障害を発症し、退職。27歳のときに「大人の発達障害」当事者であることが判明。以降、自分とうまく付き合うコツをつかんでいる。プラスハンディキャップなど各種メディアへ寄稿中。

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