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障害者の就職・転職活動の情報収集手段5選

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2021.7.2

就職・転職活動には情報収集が大事だと言われていますが、自分にとってどのような情報が必要なのか、自分に必要な情報がどこにあるかなど、情報収集の手段や選択に困ってしまうことがあります。今回は、障害者の就職・転職活動のための情報収集で有効な5つの手段をご紹介します。

執筆:長谷 ゆう Yu Hase

就職・転職活動では「情報収集が大事」と言われます。でも、気になった企業の情報を集めだすと膨大になってきりがない…。気が付くと選考にあまり関係のない情報まで取っていた…。そんな経験がありがちです。

情報収集の方法を把握することで、今の自分にとってどのような情報が必要なのか、自分に必要な情報がどこにあるか、軸を持って情報収集することができます。

今回は、障害者の就職・転職活動のための情報収集で、有効な5つの手段をお伝えします。

ハローワーク

国が運営する職業紹介機関であるハローワークが、まずは鉄板です。

ハローワークでは、障害者の職業相談・職業紹介を行う専門部署で、障害者特有の就職・転職活動の悩みについて相談に乗ってもらえます。

合同企業面接会や、障害者向け職業訓練や就労移行支援事業所の情報もあります。求人検索パソコンを使っての検索も可能です。

現在も、地方圏では、ハローワークが就職・転職活動において、大きな役割を果たしています。

障害者雇用に関するWEBサービス

障害者雇用に関するWEBサービスも重要です。

求人情報だけでなく、障害者特有の就職・転職活動の問題について解説した読み物も多数あります。

私がおすすめするのは「Indeed(インディード)」です。日本の求人サイトや企業の採用ページに掲載された情報を全て網羅しています。毎日検索してみるのもいいかもしれません。

この他、働いた経験のある人による口コミサイトも、情報源になります。「働いて良かった」という口コミもあれば、そうでない口コミもあります。情報をそのまま鵜呑みにせず、よく見極めることも大切です。



転職エージェント・就労移行支援事業所からの情報

転職に携わる、転職エージェントや就労移行支援事業所からの情報も有益です。

転職エージェントは、求人の紹介に加え、就職・転職活動の悩みについて相談に乗ってくれます。最近では障害者を専門とした転職エージェントも増えてきました。

また、民間の企業やNPOが運営する就労移行支援事業所も重要な存在です。

今後の障害者の就職・転職活動は、就労移行支援事業所との連携が必須だと考えます。一生涯で2年(状況により1年延長も可能)しか利用できませんが、通える状況にあるならば、通わない手はありません。

最近は、豊富な就職実績を上げ、企業とのつながりを強く持つ就労移行支援事業所が増えてきました。

事業所は、企業の採用や実習の情報を多く抱えています。希望の条件に合う求人があるか、スタッフに尋ねてみましょう。最近の大手就労支援会社は、障害者を雇用する企業の新規開拓も熱心に行っていることもあり、新しい情報がどんどん追加されています。

企業からの情報

障害者雇用を行う企業それぞれからの情報も大切です。

採用を行う企業は、ウェブサイトやメディアを通して様々な情報を発信しています。人材会社などが主催する就職カンファレンス(合同説明会)に出展して情報発信していることもあります。

就職カンファレンスでは、企業の担当者と直接会って話すことができるのがメリットです。

私がこれまでに参加して良かったカンファレンスは、ダイバーシティをテーマにしたキャリアフォーラム「Rainbow Crossing」。障害者雇用も含めたダイバーシティについて本気で考える企業が参加しており、人事担当者や実際に働いている当事者の声を聞いたり、質問をしたりすることができます。

ただ、企業が発信する情報は、実態よりもキラキラした情報に仕上げられていることがあります。もっと本音ベースの情報も知りたくなるところです。

例えば、企業が障害者の法定雇用率を達成しているかどうか。これを調べる方法は、少し手間がかかりますが、各都道府県の労働局に情報公開請求をすれば、誰でも「障害者雇用状況報告一覧表」を取り寄せることができます。

毎年法定雇用率を上回って採用しているところ、逆に法定雇用率を下回っているところ、様々な企業があります。

法定雇用率を守っているからといって働きやすい企業とは言い切れませんが、応募を考えている企業にはやはり雇用率を守っていてほしい、と個人的に思います。



SNSからの情報

最近では、SNSを使った就職活動も浸透してきました。

フェイスブックやツイッターもいいですが、ここで、就職・転職活動にお勧めのSNSとして、「LinkedIn(リンクトイン)」「Wantedly(ウォンテッドリー)」を紹介します。

LinkedInはフェイスブックのビジネス版のようなSNSで、実名制で、職歴や資格やスキルを記入します。文章や写真を投稿したり、ウェブ記事をシェアすることもできます。

数年前は一部外資系企業の勤務者の間のみで使われ、英語でプロフィールを作って投稿する人がほとんどという状況でしたが、最近では日本市場を意識した路線になり、日本語で発信するユニークなユーザーが増え、盛り上がってきています。

Wantedlyは、実名制で、職歴や資格やスキルを記入できるほか、学校時代のサークル活動、クリエイティブ職種で応募する際のポートフォリオを公開できます。

私はプロフィールに、自らのキャリアストーリーや、支援員と一緒に考えてまとめた障害の詳細を元にした「私のトリセツ(取扱説明書)」をオープンにしています。

また、自身の投稿を通して、就労移行支援事業所に通っていることや、自分が仕事を通してやりたいことなどを発信しています。

私は、自分の抱える困難をビジネスを通じて解決すべき課題に結びつけるメッセージを、日々投稿し続けてきました。今ではそれに共感して応援のコメントをくれる人が多くいます。

企業の方が、当事者目線の私の投稿を社内で共有してくれたこともありました。こうして社会の理解が少しでも進んでいくと思うと、発信してよかったと思います。

企業の採用担当者にもアカウントを開設している人がいます。SNSを通して、採用担当者に連絡を取ることや、自分の投稿を見てもらうこともできます。

まとめ

障害者の就職・転職活動の情報収集について、5つの方法を提示しました。

巷には様々な情報があふれていますが、本質を見極めて、実りある就職・転職活動にしたいですね。このコラムが参考になれば幸いです。

1981年生まれ。発達障害や障害者雇用やダイバーシティの知見を活かして取材・執筆・翻訳を行う。「Business Insider Japan」「NewSphere」「Co-Co Life☆女子部」「COTRAVEL」などで執筆。リンクトイン日本版2020「最も人を惹きつけるクリエイター10人」。

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