PARA CHANNEL Cage

常に選択肢の1つであり続けたい、LGBTQの雇用を促進する株式会社more 代表取締役 倉田広志さん、マネージャー 渡辺将広さん インタビュー

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2021.9.6

『パラちゃんねるカフェ』がお届けする企業インタビュー。今回は、在宅を中心とした介護サービスを提供する株式会社more 代表取締役 倉田広志さん、人事労務部 マネージャー 渡辺将広さんにお話を伺いました。多様性のある雇用を促進する企業やこれから働こうとしている生きづらさを抱えた皆さまに、ぜひ読んでいただければ幸いです。

執筆:株式会社more

はじめに

株式会社moreは、東京都世田谷区南部を中心に在宅生活の訪問介護事業、通所介護(デイサービス)事業、訪問看護事業を展開しています。

介護サービスは、自立、要支援、要介護と利用者の状態により必要とされるサービスが異なります。株式会社moreでは、地域に根差すことで1人での在宅生活に対する不安や、お食事やお風呂などの日々の生活、介護負担から症状の観察や相談など定期的な医療処置まで継続的なサービス提供を可能にしています。


今回は、2020年12月より 正式にLGBTQの雇用促進を宣言した株式会社more 代表取締役 倉田広志さん、人事労務部マネージャー 渡辺将広さんに雇用の現状や採用へのこだわりなど色々とお話を伺いました。

『パラちゃんねるカフェ』がお届けする企業インタビュー。多様性のある雇用を促進する企業やこれから働こうとしている生きづらさを抱えた皆さまに、ぜひ読んでいただければ幸いです。

デイ・ライフ モア世田谷用賀

マイノリティを拒む理由が見当たらない

超高齢社会を迎える日本において介護業界の需要は高まり、恒常的な人材不足が課題とされています。2025年度には約245万人の人材が必要とされ、全国で年間6万人ずつの雇用増加が求められています。LGBTQの雇用促進が始まったきっかけを教えていただけますでしょうか。


多くの場合、SDGsの潮流による義務感や人材不足の補填としてLGBTQ、障害、外国籍など生きづらさを抱えた方に目を向けるのかもしれませんが、私たちは地域に根差すことで月間平均10~20名 を超える方に応募いただいています。安定して人材を確保できる環境は、採用・雇用のあるべき姿、本質を考えるきっかけとなりました。結果的に私たちが求める人材に必要な素養は何かと考えると、拒む理由が見当たりませんでした。


株式会社moreでは、LGBTQの雇用促進を公表されています。雇用促進の取り組みや公表に当たり、従業員の方々の反応はいかがでしたでしょうか。


スムーズな雇用促進を実現するためには受け入れ体制を整える必要があります。受け入れ側の準備や応募する側の心情を考えると公表するべきと考えました。


介護業界自体が人を尊厳する、その人らしさを認め合う特性のある業界なので、社内の反応は驚くほど自然なものでした。結果的に6ヶ月間で30名以上の応募があり、現在6名(2021年8月末時点)の方が働いています。 また、正式に公表したことで従業員同士の安心感にも繋がっているようです。


株式会社moreの皆さん

型にはめない大切さ、感情に触れ合える余白を作ること

介護業界は人の心に寄り添い、感情に触れる仕事であり、型にはめないこと、仕事に遊びの幅が持てることが大切と話す倉田さん。柔軟性・受容性の高い企業文化を醸成する仕組みとしてFacebookのグループ掲示板「モフド」やLGBTQの雇用促進ステッカーがあります。


人と接する仕事において従業員同士の信頼関係や安心感はサービスの柔軟性・受容性などの質へ影響を及ぼします。Facebookのグループ掲示板「モフド」では、日々の仕事では見えづらい小さな気遣い、心配りや面白いアイデアなど仲間へのリスペクトを投稿しています。


また、LGBTQ当事者が安心して上司と対話ができるように研修を通じてステッカーを発行しています。ステッカーはPCに貼っており、当事者は相手のLGBTQに対する理解度を把握しながら面談をすることができます。その他、社内でのフットサルチームなども1つのきっかけ作りの取り組みかもしれません。


仕事の成果だけでなく、日常にある思いやプロセスに焦点を当てることが従業員の方々の心の安全基地を醸成し、自発的な行動や人に寄り添う心の余白に繋がっているのではないでしょうか。株式会社moreが大切にしている採用のポイントを教えてください。


コンプレックスを語れる人には魅力を感じます。自分の弱さを開示できる人、そして、今後前向きに変わろう としている人は、利用者の方々の悩み、職員の悩みを傾聴して汲み取れる力を持っている人だと思います。


「株式会社more connect」 が描く未来、選択肢の1つでありたい

採用から入社まで従業員への愛情で溢れている株式会社more。最後に 今後の取り組みを教えてください。


株式会社more が成長する理由は、関わる人の人生を応援するためであり、踏み台にしてもらえれば良いと考えています。長い人生の中で、それぞれの思いや考えは変化し続けますが、介護現場の選択肢には限りもあり、何かやりたいことがあっても用意できない場面が多々、出てくることも考えられます。


私たちは、仲間のやりたいことを実現する場づくりとして新たにグループ会社として「株式会社more connect 」を設立し、従業員が他業界への転職を希望する場合、信頼できる取引先を中心に転職先として紹介していきます。本人の転職リスクを軽減し、いずれまた介護業界へ戻りたい時には改めてmoreが1つの選択肢になれば良いと考えています。


代表取締役 倉田広志さん(左)とマネージャー 渡辺将広さん(右)


東京都世田谷区南部を中心に通所介護事業、訪問介護事業、訪問看護事業を展開、地域に根差した活動を続け、利用者の介護状態に合わせた一気通貫のサービスを提供している。2020年12月よりLGBTQの雇用を促進しており、現在6名の採用を実現。
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