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「アライ」って知っていますか?LGBT当事者でなくても、応援できる。

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2021.8.25

LGBTという言葉は知名度が高くなってきましたが、「アライ」という言葉、存在は知らない方がいるかもしれません。アライとは、性的マイノリティの当事者を応援してくれる人たちのこと。今回は、トランスジェンダー当事者の私から見たアライの人たちについてまとめました。

執筆:佐藤 悠祐 yusuke sato

最近、LGBTという言葉の知名度は高くなってきました。「ジェンダーには多様性がある」や「性的嗜好は人によってちがう」と知っている方も多いでしょう。

一方で、「アライ(ally)」のように、一般的にはまだ広く知られていない言葉もあります。

アライとは、LGBT当事者ではないけれど支援・応援したいという人たちのことです。元々の英単語の意味は「味方」や「同盟」を指すもので、転じて性的マイノリティの当事者を応援したり、力になりたいと思う人たちのことを指すようになりました。



職場では、性的マイノリティ当事者にとって働く上でハードルとなる部分がまだまだ存在します。

私のようなトランスジェンダーにとっては、トイレや更衣室、制服、健康診断や書類など様々な場面で「性別」を意識させられる場面があります。自分の心と体の性が一致していないことによって、「性別」で分けられて扱われることに負担や苦痛を感じることがあります。



同性愛者にとっては福利厚生を使えないことや、想定されていないことで疎外感を感じたり、不都合を感じることもあります。企業の制度の多くは異性愛者を想定して作られているので、同性愛者は対象外になってしまうことが多いのです。

そういったマイノリティの人達が困難を感じている現状を当事者だけで解決するのはとても大変なこと。たった一人の社員の訴えだけでは動いてくれない企業もあるのではないでしょうか。

全体的に見たら、LGBT当事者は少数派。その上、周囲に隠したい当事者の存在を考えたら、当事者だけで制度を変えていくのは難しい場面も少なくないのです。

そんな時に「アライ」の人たちが一緒になって課題解決に取り組んでくれるのはとてもありがたいことです。知ろう、理解しようという姿勢だけでもうれしいのですが、アライの人たちは頼もしい味方にもなってくれます。



私の周りにも、トランスジェンダーの社員が望む性別で働きやすい環境を整えるための働きかけや、同性パートナーでも福利厚生を使えるように提案をしてくれる人、同性婚に関する署名運動に協力をしてくれる人がおり、積極的に勉強してくれて協力してくれる姿をとても心強く感じます。


アライになるには特に資格が必要なわけではありません。当事者にとっての課題や社会の中で起こっている差別について知っておいてもらえると「興味を持ってくれているんだ。」とこちらも分かって安心できます。

大切なのは目の前にいる誰かが困っている時に、一緒に課題解決に取り組んだり、味方でいてくれること。それは目の前にいる当事者だけでなく今後入社してくる社員や、カミングアウトできずにいる社員にとっても、心強い存在になってくれると信じています。

1991年生まれ。東京都八王子市にある【訪問介護事業所SAISON】の管理者。性同一性障害当事者。幼い頃から自分は男だと思いながらも誰にもいえずに過ごす。高校生で初めてカミングアウトをして以降「暮らす」「働く」について考え、現在は介護福祉士として障害を持つ人の暮らしをサポートしている。

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